第39回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品されたイタリア映画「地獄が来たとしても」がアジアンプレミア上映されました。上映後のQ&Aで監督のサムエレ・ロッシと主演のルカ・タンガネッリが登壇し、作品に込めた情熱と映画祭で上映する意義を熱く語りました。本作は第二次世界大戦末期の北イタリアアルプス地方を舞台に、過酷な雪山で孤独な戦いを強いられた若いパルチザン兵士を描いています。
レジスタンスの精神を描く重要性
ロッシ監督は「今も世界では大きな戦争が起こっていますし、多くの危機的状況がある」と述べ、レジスタンスの精神を描くことが重要だと強調。本作ではイタリア北部が連合軍に取り残され、闇の部分での痛みや苦しみ、多くの血が流されたことを描いたと語りました。
主人公は元パルチザンの体験談から
監督は10年ほど前にドキュメンタリーで知り合った元パルチザン(現在80~90歳)の体験談を元に、主人公ジオのキャラクターを肉付けしたと説明。「レジスタンスの遺産と言える多くの物語がジオに投影されています」と言葉をかみしめました。
主演が語る過酷な撮影
主演のルカ・タンガネッリは「大きな挑戦だった雪山での撮影について、ロッシ監督と共にレジスタンスの状況に完全に入り込む方法を選んだ」と振り返り、極寒や閉鎖的な場所に閉じ込められる辛さを自分が体験し、それがエモーショナルな部分を呼び起こしたと述べました。「これは自分の祖父たちの物語であり、忘れられてしまう危険がある。記憶を呼び起こすことができて嬉しい」と感慨深い表情を語りました。
「飢え」と「寒さ」の障害
会場から劇中に登場する傷んだリンゴの意味を質問が。監督は「元パルチザンの人たちから戦場での障害は寒さと飢えだった」と説明し、飢えを表現できた良かったこと、原罪に結びつけていただいたことに触れました。監督は「戦争が起きているなかで戦争がいかに悲劇的なものかを映画が思い出させてくれます」と述懐し、映画は記憶を伝える重要なものと語り国際映画祭で上映されることの意義を述べて舞台挨拶を締めくくった。
第39回東京国際映画祭は11月4日まで開催中。本作の劇場公開日は未定です。









