セルビアの若者たちによる政府への抗議運動を題材にしたロードムービー「今日が終わるまで」が、第39回東京国際映画祭で上映され、マクシモビッチ監督が祖国の混迷と学生運動への思いを語った。本作は2024年にノビサドの鉄道駅崩落事故をきっかけに勃発した抗議運動を描いており、監督は「学生たちの要求が通り、政府の腐敗が直されていく」と朗報を報告。映画は「白黒つけることが目的ではない」と曖昧さを残し、思考を促す作りになっているという。
学生運動への強い思い
マクシモビッチ監督は、本作の脚本を5年前に書き始めたと明かし、「セルビアの学生運動はとても進歩的で民主的。暴力は一切ありません」と称賛。経済的に厳しい状況ながら「すぐに撮りたかった」と強い思いを述べた。
映像表現へのこだわり
ティーチインでは、スクリーンサイズやレンズの使い方について質問が相次ぎ、監督は「すべてについてこだわっています」と笑顔。序盤は街の窮屈さや迫害感を表現するため壊れたレンズを使い、郊外に向かうにつれ静けさが生まれる画角に変化させる。小津安二郎の作品から影響を受けたとも語った。
セルビアでの映画制作の難しさ
セルビア系アメリカ人から映画作りについて問われると、「セルビアで映画を作ることはとても難しい」と監督。4年前に微々たる資金が集まったものの、フィルムセンターは2年間機能しておらず補助はまったく出ない。ベネチア国際映画祭での上映をきっかけに共同制作が集まったと説明した。
監督の意図
マクシモビッチ監督は「セルビア人の中にもさまざまな考えを持つ人がいる。多くの考えを反映させたいが『これが正しい』と白黒はっきりさせることが目的ではない」と強調。曖昧な部分を残すことで、観客の思考を活発にさせる作りになっているという。
第39回東京国際映画祭は11月4日まで開催中。









