「GROTESQQQUE グロテスク」錦織敦史が語るアニメーターの真髄

動画でしょう! 1時間前
「GROTESQQQUE グロテスク」錦織敦史が語るアニメーターの真髄

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「GROTESQQQUE グロテスク」の錦織敦史監督は、アニメーターの仕事の面白さは「動きを描くだけではない」ところにあると語りました。画面の構図やレイアウト、キャラクターの芝居、間の取り方まで含めて表現できることが醍醐味だ——これが第39回東京国際映画祭のシンポジウムで示された結論です。

配信の手がかりとしては、オムニバス劇場アニメ「GROTESQQQUE‐グロテスク‐」の1作「夜露死駆★少女」が、公開前に2026年10月23日~11月5日の期間限定でNetflix配信されました。

シンポジウムの基本データ

要点:錦織敦史監督とアレクサンドル・ポンセ監督が登壇し、夏目真悟監督は体調不良で欠席しました。

| 項目 | 内容 |

| --- | --- |

| イベント | 第39回東京国際映画祭 アニメーション部門シンポジウム「アニメーターの醍醐味」 |

| 日時・場所 | 2026年11月3日、東京ミッドタウン日比谷 |

| 登壇者 | 錦織敦史(「GROTESQQQUE グロテスク」監督)、アレクサンドル・ポンセ(「ウォーキング・ウィズ・アニメーターズ」監督) |

| 司会 | アニメ評論家・藤津亮太(アニメーション部門プログラム・アドバイザー) |

| 欠席 | 夏目真悟(「ghost 夜の果て」監督/体調不良) |

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錦織敦史はどんなキャリアを歩んできたのか

要点:GAINAX出身で、キャラクターデザインから監督、総作画監督までこなしてきた人物です。

  • 「天元突破グレンラガン」(2007)でキャラクターデザイン
  • 2011年のテレビアニメ「THE IDOLM@STER」で監督
  • 「THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!」で映画初監督
  • オリジナルテレビアニメ「ダーリン・イン・ザ・フランキス」(18)で監督
  • 「シン・エヴァンゲリオン劇場版」(2021)で総作画監督

もともとは漫画家志望でしたが、大学受験に失敗した時期に「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」を観て衝撃を受け、アニメーションの道へ。上京後に東映アニメーション研究所へ通うなかでGAINAXの求人を見つけ、教師には難しいと言われながら応募して採用されたといいます。本人は当時、特別に絵がうまかったわけでもアニメーションに詳しかったわけでもないと振り返りつつ、師匠にあたる鶴巻和哉からは漫画的な絵柄や、アカデミックな教育を経ていない独自の感覚を評価されたのではないか、と語りました。

ポンセ監督が8年かけて追ったアニメーターたち

要点:制作は2018年2月に始まり、完成は2026年4月。取材の途中で作品の構成そのものが変化しました。

  • きっかけは2015~16年頃に参加したアニメーターのコンベンションで、「ザ・シンプソンズ」の制作陣と出会ったこと
  • アニメーターの仕事は世界中に届いているのに、制作者自身は脚光を浴びていない——その思いから制作がスタート
  • 専門家ではなかったため、まずは一般的な質問から始め、各人と1~2時間のインタビューを実施
  • 編集を進めるうちに共通テーマや創作哲学が見えてきて、追加取材を重ねた
  • パンデミックで撮影は中断し、再開後は世界情勢の変化や生成AIも重要なテーマに加わった

「何を描き、何を描かないか」という選択の話

要点:アニメーションは観察の芸術であり、取捨選択こそが作り手の力量になります。

ポンセ監督は、アニメーターは現実をそのまま再現するのではなく、自分が何を見て何を表現したいのかを選び取る存在だと指摘しました。「ウォーキング・ウィズ・アニメーターズ」では「歩くこと」も重要なモチーフで、人がどう歩くかという細部に性格や内面が表れることを示しています。

これに応じ、錦織監督も選択の重要性を語ります。たとえば群衆を描く場合、全員を同じ密度で描き込む必要はない。作品全体で何を見せるべきかを判断し、限られた制作時間や予算のなかで表現を組み立てることも、監督やアニメーターに求められる能力だといいます。

吉成曜の仕事と、監督とアニメーターの関係

要点:凄腕のアニメーターがいると、監督はさらに難しいカットを任せたくなります。

錦織監督は「天元突破グレンラガン」参加時、吉成曜の仕事に強い衝撃を受けたと振り返ります。今石洋之監督から難度の高い要求が次々と出されても、吉成はそれを見事に描き切っていった。

一方で、特定のアニメーターでなければ成立しないカットもあるため、場合によっては本人が描きやすいように絵コンテの段階から一緒に練り上げることもあるといいます。アニメーターがやりたいことと監督が実現したいことの双方が生きるよう調整することが大切だと述べました。

生成AI時代に問う、作り手の時間と情熱

要点:数秒の映像に何週間もかかることがあり、その労力は観客には見えません。

ポンセ監督は、制作の過程には長い孤独な時間があると語ります。だからこそドキュメンタリーで過程を見せたいと考え、映像を簡単に作れる時代に、観客はワンクリックで生成された映像を求めるのか、それとも作り手が時間をかけ、経験や情熱を注いだ作品を求めるのか、という問いを投げかけました。

「良いアニメーター」とはどんな人か

要点:数フレームのなかに物語やテーマを宿らせられる人が評価されます。

  • ポンセ監督:物語やキャラクター、作品のテーマを数フレームで表現できる人。レイ・ハリーハウゼンのクリーチャーが生きて見えるのは、動きの背後にある思考まで表現しているから
  • 錦織監督:要求に正確に応える人、要求を超えて見せ場を生み出す人、少ないカット数でも特別な仕事をする人など、持ち味はそれぞれ
  • 錦織監督が特に重視するのは、その人自身の感覚や考え方が絵に表れていること

若手へのアドバイスと、錦織監督自身の迷い

要点:好きなものを自覚し、模写でもいいから手を動かし続けることが第一歩です。

錦織監督は、まず自分が何を好きなのかを理解し、模写でもよいから描き続けることが大切だと語りました。最初からアカデミックな技術を身につけようとするより、描くなかで自分の成長や不足に気づき、模写を超えていく必要があるといいます。アニメーションだけに閉じず、映画や音楽など幅広いものに触れてほしいとも付け加えました。

ポンセ監督も同意し、作品のなかの「椅子から立ち上がれ」という言葉を引きます。何を語りたいのかは自らの経験や観察から生まれるのだから、自分自身の人生を生きることが大切だという考えです。CGを志す人にも手描きやストップモーションを試してほしいと話しました。

質疑応答では、デジタルネイティブ世代の描き方に新鮮さを感じる一方、従来の現場で共有されてきた基礎を十分に身につけないまま制作に入るケースもあると錦織監督は指摘します。自身も40代となり新しい世代の台頭を前に迷うことがあると率直に語りつつ、「GROTESQQQUE グロテスク」に取り組んだことで、好きなことをできる限り続けていこうという気持ちを取り戻したといいます。これに対しポンセ監督は、仕事を愛しているアーティストが新しい世代や技術の登場を理由に引退を考える必要はないと応じました。アニメーションは人間が人間のために作るもので、自分の経験を他者と共有することにこそ本質がある、という言葉で締めくくられています。

配信・視聴の手がかり

要点:現時点で確認できる配信情報は、オムニバスの一編の期間限定配信です。

  • 「GROTESQQQUE‐グロテスク‐」の1作「夜露死駆★少女」は、2026年10月23日~11月5日にNetflixで期間限定配信
  • 期間限定のため、見逃した場合は今後の上映・配信情報をチェックするのが確実
  • シンポジウムで言及された「ウォーキング・ウィズ・アニメーターズ」も、上映機会の情報を追う価値のある作品

今日からできる一歩

要点:錦織監督の代表作を1本、「何を描き、何を省いているか」という目で見返してみてください。

「天元突破グレンラガン」「THE IDOLM@STER」「ダーリン・イン・ザ・フランキス」など、錦織監督が関わった作品を1本選び、構図・芝居・間の取り方に注目して視聴する。これが、シンポジウムで語られた「アニメーターの仕事の面白さ」を自分の目で確かめる最短の方法です。あわせて「夜露死駆★少女」の配信状況と「ウォーキング・ウィズ・アニメーターズ」の上映情報を確認しておけば、話題を追いかける準備は整います。

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