・『奇人たちの晩餐会』(1998)は、フランシス・ヴェベール監督によるフランスのコメディ映画。リメイク作『奇人たちの晩餐会 USA』(2010) が公開された。
・『奇人たちの晩餐会』はセザール賞で主演男優賞、助演男優賞、脚本賞を受賞した。
・日本では、1999年と2001年に『おばかさんの夕食会』の題名で上演された(明石家さんまさんとジミー大西)。
・関連作:『生きるべきか死ぬべきか』(1942)『ラヂオの時間』(1997)『ビッグ・リボウスキ』(1998)『笑の大学』(2004)
映画『奇人たちの晩餐会』あらすじ・動画
映画『奇人たちの晩餐会』あらすじ
~あらすじ~
出版業を営むブロシャンには密かな楽しみがあった。それはバカな人間を招待しては仲間で笑い物にするという晩餐会だ。今回はマッチ棒の工作が趣味という税務局勤めのピニョンという小男を見つけたのだが、当日ギックリ腰になり動けなくなったブロシャンはピニョンと二人きりになってしまうのだった……。出典:TSUTAYA DISCAS
映画『奇人たちの晩餐会』予告動画
le diner de cons TRAILER FONTS MM
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映画『奇人たちの晩餐会』監督・キャスト、原作紹介
映画『奇人たちの晩餐会』基本情報
本作(タイトル) | 奇人たちの晩餐会/Le Dîner de cons(The Dinner Game) |
公開年 | 1998年 |
上映時間/再生時間 | 1時間20分 |
監督 | フランシス・ヴェベール |
キャスト | ピエール・ブロシャン・・・ティエリー・レルミット フランソワ・ピニョン・・・ジャック・ヴィルレ ジュスト・ルブラン・・・フランシス・ユステール マルレーヌ・・・カトリーヌ・フロ クリスティーヌ・・・アレクサンドラ・ヴァンダヌート |
音楽 | ウラディミール・コス |
主な受賞歴 | ・セザール賞(1999年)主演男優賞/助演男優賞/脚本賞 |
制作会社/配給元 | ゴーモン/ ゴーモン、ルバトロス・フィルム |
映画『奇人たちの晩餐会』原作紹介
脚本:フランシス・ヴェベール
映画『奇人たちの晩餐会』関連作品
関連作として、『生きるべきか死ぬべきか』(1942)『ラヂオの時間』(1997)『ビッグ・リボウスキ』(1998)『笑の大学』(2004)を取り上げます。これらに共通する点ですが、「コメディ」というジャンルであることが挙げられます。
エルンスト・ルビッチ監督の『生きるべきか死ぬべきか』です。1942年に公開されたナチス占領下のポーランドから脱出する劇団員たちの奮闘を描いた風刺コメディです。この映画は戦時中に制作されたこともあり、当時は批判も多く受けましたが、後に高く評価されるようになりました。
この映画の特徴は、「ルビッチ・タッチ」と呼ばれる独自の映像表現です。人物の位置や視線などを巧みに使って人物の感情や関係性を示したり、オフスクリーンで起こることを想像させたりすることで、観客の想像力を刺激します。
また、この映画はルビッチ監督が自身の経験をもとに作った作品でもあります。ルビッチ監督はドイツ出身でしたが、ナチスによってドイツ市民権を剥奪されました。そのショックを笑いに転化したのが、この映画だったのです。
次に紹介するのは、三谷幸喜監督の『ラヂオの時間』です。1997年に公開されたラジオドラマの生放送中に起こる騒動を描いたシチュエーションコメディです。
また、三谷幸喜監督の映画監督デビュー作であり、彼が主宰する劇団「東京サンシャインボーイズ」が上演した舞台劇をもとに映画化したものです。
この映画の特徴は、細部にまで張り巡らされた伏線と驚きの展開です。最初は些細なことから始まる騒動が、次第にエスカレートしていきますが、その過程で登場人物たちの関係や性格が明らかになっていきます。そして、最後にはすべての伏線が回収されて、見事なオチが待っています。
また、この映画も三谷幸喜監督が自身の経験をもとに作った作品です。三谷幸喜監督はゴールデンタイムで初めて脚本を手がけたテレビドラマ「振り返れば奴がいる」で、自分の意図に反してシリアスな作風に書き換えられたことにショックを受けました。その経験から生まれたのが、この映画だったのです。
続いて紹介するのは、ジョエル・コーエン監督の『ビッグ・リボウスキ』です。この映画は1998年に公開されたボウリング好きで無職のダメ男「デュード」が巻き込まれる事件を描いたブラックコメディです。この映画は公開当時は興行的に失敗しましたが、後にカルト的な人気を得るようになりました。
この映画の特徴は、個性的な登場人物と独特なセリフです。デュードや彼の友人たち、彼らと関わる人々はみな奇妙で滑稽で愛すべきキャラクターです。彼らが発するセリフも印象的で、私たち観客に強く残ります。
例えば、「The Dude abides.(デュードは生きてる)」や「That rug really tied the room together.(あの敷物は部屋をひとつにまとめてくれたんだ)」などは有名な台詞です。また、この映画もジョエル・コーエン監督が自身の知り合いをもとに作った作品です。デュードや彼の友人ウォルターは実在する人物をモデルにしており、彼らのエピソードやセリフも実話を元にしています。
最後に『笑の大学』は、戦時下の日本で検閲官と喜劇作家が対決する物語です。原作は三谷幸喜の舞台劇であり、映画版ではキャストや場面を増やして映画的な奥行きを出しました。
監督は星護で、役所広司が検閲官・向坂睦男を、稲垣吾郎が劇団「笑の大学」の座付き作家・椿一を演じています。この二人の掛け合いが見どころであり、向坂が次第に笑いに目覚めていく過程が描かれています。
しかし、ラストでは椿が召集令状を受け取り、向坂は自分の職責を思い出すのでした。笑いと戦争という相反するものを対比させた作品というわけです。
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『生きるべきか死ぬべきか』(1942)
~あらすじ~
1939年、ポーランド。劇団の女優アンナは、夫で座長のヨーゼフを裏切って空軍中尉ソビンスキーと密会していた。
ドイツ軍侵攻後、ロンドンに駐在していた中尉は、ナチス・スパイの教授を追って帰国、教授の陰謀を阻止すべく一座に協力を求める…。出典:Amazon
監督:エルンスト・ルビッチ
出演:キャロル・ロンバート、ジャック・ベニー、ロバート・スタック
『生きるべきか死ぬべきか』はナチス占領下のポーランドで活躍する劇団の奮闘を描いた風刺コメディです。
『ラヂオの時間』(1997)
監督:三谷幸喜
出演:唐沢寿明、鈴木京香、西村雅彦、戸田恵子、井上順
・第21回日本アカデミー賞(1998年)最優秀脚本賞
『ラヂオの時間』はラジオ局内で起こる様々なトラブルを描いたドタバタコメディです。『ラヂオの時間』は三谷幸喜の初監督作品であり、彼がかつて主宰していた劇団東京サンシャインボーイズの同名舞台劇を映画化したものです。
『ビッグ・リボウスキ』(1998)
~あらすじ~
無職で気ままに暮らす“デュード”こと、ジャフ・リボウスキ。彼の家に突然、2人のチンピラがやって来る。女房の借金を返せと怒鳴るチンピラに、全く身に覚えがなく呆然とするリボウスキ。その後彼は、同姓同名の大金持ちと間違えられたと気づくが・・・。出典:TSUTAYA DISCAS
監督:ジョエル・コーエン
出演:ジェフ・ブリッジス、ジョン・グッドマン、ジュリアン・ムーア、スティーヴ・ブシェミ
『ビッグ・リボウスキ』はコーエン兄弟が監督・脚本を手掛けた作品であり、主人公のデュードは、実在する映画プロデューサーのジェフ・ダウドにインスパイアされたキャラクターで、巻き込まれる事件を描いたノワールコメディです。
『ビッグ・リボウスキ』に登場するボウリング場は実際に存在する場所であり、撮影中も営業を続けていました。
『笑の大学』(2004)
監督:星護
出演:役所広司、稲垣吾郎、高橋昌也、小松政夫、石井トミコ
『笑の大学』は三谷幸喜の傑作戯曲を星護が映画化した作品であり、二人芝居という形式を採用しています。戦時下の日本で検閲官と喜劇作家が対立する様を描いた人情コメディです。
映画『奇人たちの晩餐会』口コミ(見どころ・感想)
映画『奇人たちの晩餐会』口コミ(見どころ・感想)
お馬鹿さんの天然のバカっぷりに振り回されるお金持ちたちに気分すっきり!
とにかく終始ばかばかしい!!
お金持ちたちが開く晩餐会に、それぞれ「お馬鹿さん」を連れてきて馬鹿にするという、あまり趣味の良くない話なのですが・・・それを不快にさせないくらいの振り切ったバカバカしさ!
お馬鹿さんの天然のバカっぷりに振り回されるお金持ちたちに気分すっきり!
そしてお馬鹿さんのあまりのお馬鹿ぶりにハラハラしたり、でもそのキュートさに癒されたりします。
明石家さんまさんとジミー大西が主演で舞台化したことでも有名になりました。リラックスして、おやつと飲み物を用意して、肩の力を抜いて大いに楽しんでほしいです!
~感想~
前情報なしでふらっと映画館に観に行ったのですが・・・大当たり!
ほぼマンションの一室で繰り広げられる会話劇、盛り上がるところなんてなさそうなのに、大笑いして大満足して映画館を出てきたのを覚えています。
話はテンポよく進み、魅力的な登場人物があれこれ出てきて繰り広げられる笑いの要素の多さも魅力ですが、なんといっても主演のジャック・ヴィルレ演じるフランソワ・ピニョンのキュートなお馬鹿さんぶりは必見です!
お馬鹿さんで変わり者、ドジなことをして失敗ばかりするけど、一途で愛情深くてとってもいい人。
見終わるころには、誰もがフランソワ・ピニョン、そしてジャック・ヴィルレの大ファンになっていること間違いなしです。
みんなで夕食囲んでわ笑おうぜ!といういかにも低俗なお話しなのですが・・・
フランスでも大ヒットしたこの作品は、ハリウッドでも2010年にリメイクされています。
しかしながら、フランス人の意地の悪い、クセのある意地悪、でもなんとなくユーモアがありほくそ笑んでしまう、という笑いはフランス映画ならではです。
題名が「奇人」となっていますが、原題ではCONSで「バカ」とか「間抜け」という意味です。
主人公の身近にいるバカを呼んでそのバカっぷりをみんなで夕食囲んでわ笑おうぜ!といういかにも低俗なお話しなのですが、笑いのセンスや会話にやり取りなどに質の高さが見えます。
現地フランスでは、脚本賞、主演男優賞、助演男優賞を受賞しています。フランス人のフランス人らしさが存分にでているとても楽しめる作品です。
~感想~
ほぼ全てのシーンは夕食会が催されるアパートメントの部屋ですが、それを忘れてしまうほどの会話のやり取りと展開の速さで、一気に観終わる映画です。
とにかくフランス人の話好き、というよりは議論好きなところがとても色濃く表れています。
シニカルででもすこし間抜けな感じが、辛辣なイジメよような映画がコンセプトを笑いに変えています。
これはハリウッド映画では作ることができないという作品です。どうしても抜け感がなく、本当のイジメに見えてしまうのではないかと思います。
「バカ」をバカにするけれど、はたしてどっちが「バカ」なのか。
バカを演じたジャック・ヴィルレのバカっぷり炸裂の演技も、金持ちでクールに決める、が、どこかぬけてるティエリー・レルミットも、抜群の演技です。
もともとフランスの舞台用の脚本で、映画化された作品です。日本でも舞台化されていますね。まずは本国の映画をご覧になってみて下さい。
映画『奇人たちの晩餐会』評価は?
評価サイト | みんなのシネマ(10点満点) | IMDb (10点満点) | Filmarks (5点満点) | Yahoo!映画 (5点満点) |
点数 | 7.15 | 7.6 | 3.7 | 4.1 |
評価サイトの特徴 | ・映画情報/上映中の映画に! ・評論家コラムや、監督やキャストへのインタビュー記事多い | ・海外オンラインデータベース ・Amazon運営 | ・急成長中! SNSシェア強し ・過去作品、評価も厳しめ!? | ・最初に見る。評価甘めかな!? ・Yahoo!運営 |
※本作品の評価情報は2023年10月25日時点のものです。
映画『奇人たちの晩餐会』まとめ
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