・『マルサの女』(1987)は、伊丹十三監督の作品で、東京国税局査察部 に勤務する女性査察官(通称マルサ:〇査)板倉亮子と脱税者との戦いを描いており、コミカルかつシニカルである。劇中の板倉亮子のモデルは、元小石川税務署長の斉藤和子とされている。
・『マルサの女』は、第11回日本アカデミー賞を最優秀作品賞を受賞した。
・『マルサの女』により、「○○の女」シリーズ=主演・宮本信子と銘打ったことでも知られ、続編に『マルサの女2』(1988)が製作された。ちなみにファミリーコンピュータ向けのゲームにもなった。
・関連作:『マルサの女2』(1988) 『ミンボーの女』(1992) 『スーパーの女』(1996) 『マルタイの女』(1997)
映画『マルサの女』あらすじ・動画
映画『マルサの女』あらすじ
~あらすじ~
税務署の調査官・板倉亮子は脱税を徹底的に調べ上げるやり手。ある日、一軒のラブホテルに目をつけるがオーナーの権藤はなかなかシッポを出さなかった。そんな時、亮子は国税局査察部に抜擢される。マルサと呼ばれる摘発のプロとして経験を積んでいった亮子は、上司の花村と組んで再び権藤と相対するのだった……。出典:TSUTAYA DISCAS
映画『マルサの女』予告動画
Marusa no Onna (1987) Trailer HD
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映画『マルサの女』監督・キャスト、原作紹介
映画『マルサの女』基本情報
本作(タイトル) | マルサの女/Marusa no onna |
公開年 | 1987年 |
上映時間/再生時間 | 2時間7分 |
監督 | 伊丹十三 |
キャスト | 板倉亮子・・・宮本信子 権藤英樹・・・山崎努 花村・・・津川雅彦 伊集院・・・大地康雄 金子・・・桜金造 秋山・・・マッハ文朱 山田・・・加藤善博 パチンコ屋社長・・・伊東四朗 税理士(クレジット「小澤栄太郎」)・・・小沢栄太郎 マンションの若夫婦・・・ベンガル リネンサービス社長・・・佐藤B作 蜷川の腹心・・・上田耕一 大谷銀行営業課長・・・橋爪功 取引課長・・・高橋長英 食料品店の店主・・・柳谷寛 食料品店の店主の妻・・・杉山とく子 中年の男・・・小坂一也 鳥飼久美・・・松居一代 花のような少女・・・山下容莉枝 ラブホテルの経理の女・・・横山道代 特殊関係人・・・絵沢萠子 剣持和江・・・しみず霧子 不動産屋・・・汐路章 機動部統括官・・・小林勝彦 機動部統括官・・・江角英明 査察官・・・志賀圭二郎 すばる銀行支店長・・・田中明夫 税務署長・・・嵯峨善兵 屋根の上の女・・・高山千草 菊池・・・辻村真人 露口・・・大滝秀治 石井重吉・・・室田日出男 蜷川喜八郎・・・芦田伸介 査察部管理課長・・・小林桂樹 杉野光子・・・岡田茉莉子 |
音楽 | 本多俊之、立川直樹 |
主な受賞歴 | ・第11回日本アカデミー賞(1988年)最優秀作品賞/最優秀脚本賞/最優秀監督賞 ・第30回ブルーリボン賞(1988年)作品賞 |
制作会社/配給元 | 玉置泰、川崎隆/東宝 |
映画『マルサの女』原作紹介
脚本:伊丹十三
映画『マルサの女』関連作品 ~宮本信子主演の映画~
日本における税金の種類は50種類あると言われており、日本は税金が高い国ランキングで世界で2番目となっています。
日本独特の税金というと温泉の国の象徴というべきかな。入湯税がありますね( ´艸`)
映画『マルサの女』を紹介しておりますが、翌年には続編『マルサの女2』が公開されました。このように「○○の女」シリーズといったら、主演・宮本信子のように確立されました。
『マルサの女2』(1988)のほか、 『ミンボーの女』(1992) 『スーパーの女』(1996) 『マルタイの女』(1997)があります。
映画『マルサの女2』『ミンボーの女』『スーパーの女』『マルタイの女』は、いずれも伊丹十三監督が手がけた社会派コメディです。主演は宮本信子で、彼女はそれぞれ税務署員、弁護士、スーパー店員、女優という異なる職業の女性を演じています。
これらの作品は、伊丹監督の鋭い社会批評とユーモアが満載で、当時、日本映画界に大きな影響を与えました。
『マルサの女2』は、前作の大ヒットにより続編が要望されたもので、伊丹監督は「続編はやりたくない」と言っていましたが、宮本信子に説得されて承諾したというエピソードがあります。
『ミンボーの女』は、ヤクザの民事介入暴力をテーマにした作品で、公開前に伊丹監督が暴力団員に襲撃される事件が起きました。この事件は社会問題となり、映画でも大きな注目を集めました。
『スーパーの女』は、スーパーマーケットを舞台にした作品で、宮本信子は実際にスーパーで働いて役作りをしたといいます。
また、伊丹監督は自らスーパーに通って観察し、商品や店員の動きなど細かい部分までこだわりました。
『マルタイの女』は、伊丹監督の遺作となった作品です。殺人事件を目撃した女優が警察に保護されるというストーリーなのですが、これは伊丹監督自身が襲撃事件後にマルタイとなった体験が反映されていると言われています。
以下の作品のDVDパッケージ「画像」をクリックすると、Amazon・楽天で作品詳細等を確認することができます。
『マルタイの女2』(1988)
~あらすじ~
地上げ屋の脱税を調べていた板倉亮子。
だが、その裏にはヤクザ、宗教法人、銀行、さらには政治家といった大きな力が働いていた。
彼らは税金のかからない宗教法人を隠れ蓑にしていたのだ。
亮子の地道な潜入捜査により、ついに脱税の確信を掴んだマルサは天の道教団に乗り込み、証拠を押収するが…。出典:Amazon
監督:伊丹十三
出演:宮本信子、三國連太郎、津川雅彦、丹波哲郎、大地康雄、桜金造
『ミンボーの女』(1992)
~あらすじ~
東京の名門ホテル、ロイヤルコートはサミットの開場をライバルホテルに奪われてしまう。理由はヤクザが居座っていたため。これを機に総支配人はヤクザ排除を決心し、ミンボー専門の女弁護士・井上まひるを雇いヤクザとの全面対決に挑む……。出典:TSUTAYA DISCAS
監督:伊丹十三
出演:宮本信子、宝田明、大地康雄、村田雄浩、伊東四朗
『スーパーの女』(1996)
~あらすじ~
スーパー「正直屋」の専務・小林五郎は、ライバル店の「安売り大魔王」が激安キャンペーンを開始したと知って調査に赴く。
と、そこで彼は幼馴染みの井上花子と再会。
次々と“激安”のトリックを見破る花子。
五郎はスーパーを愛してやまない彼女を、正直屋を立て直すために雇い入れることにするが…。
全国のスーパーが“正直”なスーパーに生まれ変わったというエピソードを生んだ、日本中の主婦たちに支持された爆笑スーパーコメディー。出典:Amazon
監督:伊丹十三
出演:宮本信子、津川雅彦、松本明子、高橋長英、三宅裕司
『マルタイの女』(1997)
~あらすじ~
ふとした偶然から殺人事件を目撃してしまった女優ビワコ。
しかし、犯罪の影には謎のカルト集団「真理の羊」が潜んでいた。
目撃者ビワコを消そうとして迫りくる「真理の羊」の黒い手。
一方、重要証人であるビワコを身辺保護対象者、通称“マルタイ”として守るため、警視庁は二人の刑事を彼女の元に送り込んだ。
こうして始まった女優と刑事の珍妙なマルタイ生活。
刑事たちは果たして“マルタイ”ビワコを守りきって証言台に立たせることができるのだろうか?
ビワコの自宅や仕事場に迫る「真理の羊」の魔の手!攻める「真理の羊」と守る刑事たちの息詰まる攻防戦が今、始まる!出典:Amazon
監督:伊丹十三
出演:宮本信子、西村雅彦、村田雄浩、名古屋章、江守徹
私が経験したのはスーパーの店員くらですけど、いろいろな仕事があるものですね。
どれも見応えのある作品ですので、ぜひご覧ください。
映画『マルサの女』口コミ(見どころ・感想)
映画『マルサの女』口コミ(見どころ・感想)
宮本信子さん演じる国税庁査察部の女査察官(=マルサの女)板倉亮子のビジュアルが大きな話題を呼びました。
コメディに分類されているにも関わらず、重いです。ずっしりと重量感のある社会ドラマです。
何せ、かっこいい。主役の板倉亮子(宮本)がどちゃくそかっこいいのはもちろん、登場人物全てがかっこいいです。特に推したいのは山崎努。足が悪く、杖をついて歩く、成金男。もう渋さが半端ないです。
この二人がギリギリのせめぎ合いを繰り広げる、昭和の、ダークな、コメディ。
もう令和の今、こんな渋いやりとりが見られる重厚かつユーモアのあるドラマって見られなくなってしまったんでは無いでしょうか?
この空気を押し上げている要素の一つにサウンドトラックがあります。多分音楽を聞けば、聞き覚えがあるという方は多いでしょうし、この作品を見たことがある方は音楽を聞けばあの作品の空気が蘇ってくるだろうというほどの象徴的な音楽です。
全て揃っての『マルタイの女』、とにかく観て、この世界観にどっぷり浸かってほしいです。そして震えてほしいです。震えますよ。
~感想~
1番の感想は「国税庁怖い」ですね。この映画を見ると、「脱税やめとこ」って思います。
ギリギリで生活している自営業者にも容赦ないですし、口八丁のラブホ成金の嘘も暴いて税金をガッサリ持っていきます。爽快です。
でも、主役が国税側だから爽快なのです。現実世界では自分は納税者側なので…。
「あー税金ごまかそうなんて思わんどこ。」これが正直な感想です。
どんなに画像がカッコよくて、役者さんもとことんカッコよくて、音楽もかっこいい最高の映画でも、結局は税金を取る側と取られる側の話。悪いことはできませんわな、ということです。
そして、一番救われるのは宮本信子さん演じる板倉亮子のかっこよさですね。
映画の中では良い女扱いもされますが、正直、「新しい形の良い女」な気がします。
実際とことんいい女で、見てる自分も心底惚れ込みましたが、華やかさや可愛らしさじゃない部分でここまでいい女が再現できるのだなと驚きです。こんなふうになりたいですね。
自分の税務署に対するイメージは・・・。家宅捜索のシーンなどはとても興味深かったです。
マルサとは、国税局査察部のことで、査の字を丸で囲って「マルサ」と呼ぶ俗称です。
俗称といっても、特定の人たちの間で使用されていたものが、この映画により広く認識されることになりました。まさか、マルサの仕事を題材とした映画ができるなんて、国税局の方々は思いもよらなかったことでしょうが、「どうせ作るなら、納税者に誤解を与えないよう正確な内容にして欲しい」との意向から、国税庁は撮影前の取材に協力的だったとのことです。
ということは、所得隠しの場所や方法は、ほぼ現実に基づくものといえます。
現に、国税庁のホームページで「査察」を検索すると、年度ごとの査察概要を見ることができ、近々の概要を開いてみると、「脱税によって得た不正資金の隠匿場所」として、さまざまな事例があげられていました。
そんな調査結果は、マルサによる地道な捜査あってこそで、映画の中のごみ箱を捜査するシーンも実際にあり得ることなのです。それらを前提にこの映画を鑑賞すると、映画の面白みが一層深まります。
また、この映画のテーマ曲は、伊丹監督が最初に聞いたときに「あまりにもこの映画にマッチしすぎている」と口にしたほど、この映画にピタリとはまる名曲で、映画とテーマ曲の組み合わせも、この映画の見どころの一つです。
~感想~
主人公を演じる宮本信子さんの演技力に感動しました。マルサの仕事に誇りを持っている姿が伝わってきて、映画のタイトル通り、まさにマルサの女なのです。
そして、所持金の隠し場所を捜査する側と、捜査される側の様子が面白くて、飛び交う言葉の駆け引きにも引き込まれました。
この映画を見るまで、自分の税務署に対するイメージは、確定申告だとか計算書類といった事務系のものだったので、映画のような家宅捜索のシーンなどはとても興味深かったです。
「こんなところに?」と思うような場所にお金が隠されているのも驚きますが、その場所を探し当てるマルサの捜索にも驚かされます。
映画の中でも描かれていますが、捜査の手がかりの一要因は内部告発であるというのも世の中の人情らしくて納得します。また、映画のラストも映画らしく人情的で心に残りました。
1番の感想は「国税庁怖い」ですね。この映画を見ると、「脱税やめとこ」って思います。
映画『マルサの女』評価は?
評価サイト | みんなのシネマ(10点満点) | IMDb (10点満点) | Filmarks (5点満点) | Yahoo!映画 (5点満点) |
点数 | 7.77 | 7.3 | 3.6 | 4.0 |
評価サイトの特徴 | ・映画情報/上映中の映画に! ・評論家コラムや、監督やキャストへのインタビュー記事多い | ・海外オンラインデータベース ・Amazon運営 | ・急成長中! SNSシェア強し ・過去作品、評価も厳しめ!? | ・最初に見る。評価甘めかな!? ・Yahoo!運営 |
※本作品の評価情報は2023年8月7日時点のものです。
映画『マルサの女』まとめ
映画『マルサの女』エンタメのまとめ
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