・『苺とチョコレート』 (1994) は、キューバの作家セネル・パスの同作をトマス・グティエレス・アレア監督が映画化した作品。
・自由主義でゲイである芸術家ディエゴと共産主義で男子大学生のダビドの出逢いと友情、別れを描いている。「ぼくがいなければ、この国は何かを失う」の意味とは・・・。
・『苺とチョコレート』は、第44回ベルリン国際映画祭(1994年)銀熊賞 審査員グランプリを受賞した。
・関連作: 『蜘蛛女のキス』(1985) 『イル・ポスティーノ』(1994)『シェルター』(2007) 『君の名前で僕を呼んで』(2017)
映画『苺とチョコレート』あらすじ・動画
映画『苺とチョコレート』あらすじ
~あらすじ~
恋人ビビアンに裏切られて失意の学生ダビド。ある日カフェテリアでチョコレート・アイスクリームを食べている彼の前に、苺アイスを食べるホモ・セクシュアルの芸術家ディエゴが現れた。ディエゴの部屋に誘われたダビドは、彼の信条や嗜好に不審を抱き革命仲間に報告してしまう。彼が反革命分子に違いないとふんだ仲間は、ダビドにディエゴの身辺を探らせるのだが、ディエゴのアパートを訪れるようになったダビドはやがて彼の芸術に対する熱意と温かい人柄に惹かれていく……。出典:Yahoo!映画
映画『苺とチョコレート』予告動画
PeliCuba – Fresa y Chocolate (Trailer)
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映画『苺とチョコレート』監督・キャスト、原作紹介
映画『苺とチョコレート』基本情報
本作(タイトル) | 苺とチョコレート/Fresay Chocolate、Strawberry and Chocolate |
公開年 | 1994年 |
上映時間/再生時間 | 1時間50分 |
監督 | トマス・グティエレス・アレア、フアン・カルロス・タビオ |
キャスト | ディエゴ・・・ホルヘ・ペルゴリア ダビド・・・ウラジミール・クルス ナンシー・・・ミルタ・イバラ ミゲル・・・フランシスコ・ガットルノ ヘルマン・・・ヨエル・アンヘリノ ビビアン・・・マリリン・ソラヤ |
音楽 | ― |
主な受賞歴 | ・第44回ベルリン国際映画祭(1994年)銀熊賞 審査員グランプリ(審査員特別賞)テディ賞 ・ゴヤ賞 – スペイン語外国映画賞 |
制作会社/配給元 | ミラマックス/シネカノン |
映画『苺とチョコレート』原作紹介
原作・脚本:セネル・パス
映画『苺とチョコレート』関連作品
関連作として、『蜘蛛女のキス』(1985) 『イル・ポスティーノ』(1994)『シェルター』(2007) 『君の名前で僕を呼んで』(2017)を取り上げます。
これらの映画はすべて異なる国や時代の背景を持ちながらも、**愛**という普遍的なテーマを描いています。しかし、それぞれの愛は社会的な制約や困難に直面しており、登場人物たちは自分の感情と向き合うことに苦悩します。
それぞれの映画の共通点や制作秘話などを紹介していきます。
まずは『蜘蛛女のキス』です。この映画は南米の独裁政権下で投獄された政治犯と同性愛者の友情を描いた作品で、原作はアルゼンチンの作家マヌエル・プイグによる同名小説です。主演のウィリアム・ハートはこの映画でアカデミー賞主演男優賞を受賞しました。制作秘話としては、監督のエクトール・バベンコが当初は同性愛者役にロバート・デ・ニーロを考えていたことや、撮影中にハートがラウル・ジュリアに恋心を抱いたことなどがあります。
次に『イル・ポスティーノ』です。この映画はチリから亡命した詩人パブロ・ネルーダと郵便配達人の青年との交流を描いた作品で、原作はチリの作家アントニオ・スカルメータによる小説『燃える恋』です。主演のマッシモ・トロイージはこの映画でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされましたが、撮影終了後に心臓発作で亡くなりました。制作秘話としては、トロイージが脚本に大幅な改変を加えたことや、撮影地のプローチダ島が現在も映画のファンに人気の観光地になっていることなどがあります。
続いて『シェルター』です。この映画はサーファーの青年と彼の姉の元恋人との恋愛を描いた作品で、監督はジョナ・マーコウィッツです。主演のトレヴァー・ライトとブラッド・ロウはこの映画でアウトフェストの最優秀男優賞を受賞しました。制作秘話としては、ライトが役作りのためにサーフィンを習ったことや、ロウが実際に同性愛者であることなどがあります。
最後に『君の名前で僕を呼んで』です。この映画はイタリアの田舎で過ごす夏に恋に落ちた17歳の少年と24歳の青年との関係を描いた作品で、原作はアメリカの作家アンドレ・アシマンによる同名小説です。主演のティモシー・シャラメはこの映画でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされました。制作秘話としては、監督のルカ・グァダニーノが自分の家を撮影に使ったことや、シャラメとアーミー・ハマーが撮影前に仲良くなるために一緒に旅行したことなどがあります。
このように、愛する人との別れや再会を通して、登場人物たちの成長や変化を感動的に描いています。
それぞれの映画には独自の魅力や見どころがありますが、共通する点としては、**詩**や**音楽**が重要な役割を果たしていることが挙げられます。
パブロ・ネルーダやバカロフなど、有名な詩人や作曲家の作品が登場するだけでなく、登場人物たち自身も詩や音楽を通して自分の感情を表現したり、相手に伝えたりします。これらの芸術的な要素は、映画の雰囲気や感情を高める効果を持っています。
感情豊かな物語と印象的な演出が魅力の一つになっていて、熱狂的なファンや評論家から高い評価を受けています。
以下の作品のDVDパッケージ「画像」をクリックすると、Amazon・楽天で作品詳細等を確認することができます。
『蜘蛛女のキス』(1985)
~あらすじ~
聡明で愛らしい妻との平凡な生活、出世の見込みも薄い冴えない自分――。そんな日々に嫌気がさしたNYの刑事ジャックは、FBIが保護するマフィアの裏切り者の情報をマフィアに横流しして、報酬を得る汚職に手を染めていた。ロシア人の殺し屋モナもそんなジャックの“カモ”の1人になるはずだったが、彼女がFBIの手を逃れたことから、ジャックはマフィアにモナを消すよう脅迫される……。出典:Amazon
監督:ピーター・メダック
出演:レナ・オリン、ゲイリー・オールドマン、アナベラ・シオラ、ジュリエット・ルイス、ロイ・シャイダー
・第58回アカデミー賞(1986年)主演男優賞
・第38回カンヌ国際映画祭(1985年)男優賞
『イル・ポスティーノ』(1994)
~解説・あらすじ~
ノーベル文学賞詩人、パブロ・ネルダをリスペクトして書き上げられた原作を映像化した感動作。ナポリ沖の小島を舞台に、亡命してきた詩人・パブロと、彼に届く手紙を配達する島の若者・マリオが、ささやかな交流を通して友情を育んでいく姿を描く。出典:TSUTAYA DISCAS
監督:マイケル・ラドフォード
出演:フィリップ・ノワレ、マッシモ・トロイージ、マリア・グラッツィア・クチノッタ
・第68回アカデミー賞(1996年)作曲賞(歌曲・編曲賞)
・第20回日本アカデミー賞(1997年)最優秀外国作品賞
・第49回英国アカデミー賞(1995年)監督賞/外国語映画賞
イタリアの小島で郵便配達員として働く男性と、亡命中の詩人パブロ・ネルーダとの交流を通じて恋に落ちる女性との物語です。出演しているマッシモ・トロイージは、撮影中に心臓発作を起こし最後まで演技を続けました。しかし、本作完成直前に亡くなりました。彼にとって遺作となりました。
『シェルター』(2007)
~あらすじ~
高校を卒業したばかりのザックは、5歳の甥を機能不全の家族から救うために、完全な奨学金をあきらめました。落ち着きがなく孤立し苦労しています。しかし、自信があり、若く作家である30代のショーンに惹かれると、すべてが変わっていくのです。二人が同じように熱意を持ってサーフとショーンのマットレスにぶつかると、彼らは秘密の関係に陥り・・・。出典:Amazon
監督:ジョナ・マーコウィッツ
出演:トレヴァー・ライト、ブラッド・ロウ、ティナ・ホームズ、ケイティ・ウォルダー
カリフォルニアの海岸でサーフィンを楽しむ若者と、彼の親友の兄との恋愛を描いています。主演のトトレヴァー・ライトは、この映画で初めてゲイの役を演じましたが、彼自身もゲイであることをカミングアウトしました。
『君の名前で僕を呼んで』(2017)
~あらすじ~
1983年、夏の北イタリア。両親とともに毎年夏休みを過ごしている田舎のヴィラへとやって来た17歳のエリオ。彼はそこで、大学教授である父の助手で24歳のアメリカ人大学院生オリヴァーと出会う。自信に溢れて自由奔放なオリヴァーに最初は苛立ちを覚え、つい反発してしまうエリオだったが…。出典:TSUTAYA DISCAS
監督:ルカ・グァダニーノ
出演:ティモシー・シャラメ、アーミー・ハマー、マイケル・スタールバーグ、アミラ・カサール
・第90回アカデミー賞(2018年)脚色賞
・第43回ロサンゼルス映画批評家協会賞(2017年)作品賞
・第71回英国アカデミー賞(2017年)脚色賞
・第23回放送映画批評家協会賞(2017年)脚色賞
『君の名前で僕を呼んで』は、若き恋人たちの成熟と心の交流を美しい映像と音楽で描いています。監督のルカ・グァダニーノが恋愛の純粋さを描き、ティモシー・シャラメとアーミー・ハマーの演技が見事な共感を生み出しています。
映画『苺とチョコレート』口コミ(見どころ・感想)
純粋に人間愛としての心の繋がりを描いているので、惹かれ合う二人の姿に感動できる内容になっています。
90年代のキューバのハバナが舞台で、考え方や生き方自体も全く違う二人が、様々出来事の中で、少しずつ結ばれていく姿を心温まる人間愛を感じさせながら、同性愛をテーマに描いた内容になっています。
~感想~
ラテンアメリカ映画界では、巨匠として知られている、トマス・グティエス・アレア監督の作品で、1994年ベルリン国際映画祭審査員特別賞(銀熊賞)受賞をしてるということで、かなり期待して観ました。
内容は、キューバでも偏見のある同姓愛がテーマになっていて、主人公の共産主義者の大学生ダビドは、自分の恋人に結婚されてしまい、そのショックで落ち込み、ある日一人でチョコレートアイスクリームを食べていると、そこにゲイである芸術家のディエゴに現れ二人は知り合いになります。ちなみにディエゴはその時、苺のアイスクリームを食べていたのですが、これが、同姓愛の象徴とキューバでは思われているみたいで、その隠喩に監督のユーモアを感じました。
そして、出会い初めのうちはゲイである、ディエゴに対して嫌悪を感じていたダビドでしたが、行動を共にしていくうちに徐々にディエゴのもっている純粋さに惹かれていきます。
同姓愛がテーマと聞くと少し嫌悪感を感じる方もいるかもしれませんが、純粋に人間愛としての心の繋がりを描いているので、惹かれ合う二人の姿に感動できる内容になっています。
映画『苺とチョコレート』評価は?
評価サイト | みんなのシネマ(10点満点) | IMDb (10点満点) | Filmarks (5点満点) | Yahoo!映画 (5点満点) |
点数 | 6.67 | 7.4 | 3.7 | 4.1 |
評価サイトの特徴 | ・映画情報/上映中の映画に! ・評論家コラムや、監督やキャストへのインタビュー記事多い | ・海外オンラインデータベース ・Amazon運営 | ・急成長中! SNSシェア強し ・過去作品、評価も厳しめ!? | ・最初に見る。評価甘めかな!? ・Yahoo!運営 |
※本作品の評価情報は2023年10月16日時点のものです。
映画『苺とチョコレート』まとめ
映画『苺とチョコレート』エンタメのまとめ
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