・『アザーズ』(2001)は、アレハンドロ・アメナーバル監督・脚本によるサスペンスホラー映画。
・『アザーズ』では何かの気配と怪現象におびえ緊張に満ちた表情や明暗のコントラストなどを描いている。『シックスセンス』(1999)のような大きな驚愕や感動がある訳ではないが、不可解な心理的恐怖を全面に出しきっている。
・グレース役にニコール・キッドマンが出演。当時の夫トム・クルーズが製作総指揮で参加している。
・関連作:『恐怖』(1961)『ゲーム』(1997)『アイズ ワイド シャット』(1999)『マローボーン家の掟』(2017)
映画『アザーズ』あらすじ・動画
映画『アザーズ』あらすじ
~あらすじ~
1945年、第二次世界大戦末期のイギリス、チャネル諸島のジャージー島。グレースは、この島に建つ広大な屋敷に娘アンと息子ニコラスと3人だけで暮らしていた。夫は戦地に向かったまま未だ戻らず、今までいた使用人たちもつい最近突然いなくなってしまった。屋敷は光アレルギーの子どもたちを守るため昼間でも分厚いカーテンを閉め切り薄暗い。そこへある日、使用人になりたいという3人の訪問者が現れる。使用人の募集をしていたグレースはさっそく彼らを雇い入れるが、それ以来屋敷では奇妙な現象が次々と起こりグレースを悩ませ始める……。出典:TSUTAYA DISCAS
映画『アザーズ』予告動画
The Others (2001) Official Trailer 1 – Nicole Kidman Movie
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映画『アザーズ』監督・キャスト、原作紹介
映画『アザーズ』基本情報
本作(タイトル) | アザーズ/The Others |
公開年 | 2001年 |
上映時間/再生時間 | 1時間44分 |
監督 | アレハンドロ・アメナーバル |
キャスト | グレース・・・ニコール・キッドマン ミセス・ミルズ・・・フィオヌラ・フラナガン グレースの夫 チャールズ・・・クリストファー・エクルストン グレースとチャールズの娘 アン・・・アラキーナ・マン ミスター・タトル・・・エリック・サイクス リディア・・・エレイン・キャシディ 老婆・・・ルネ・アシャーソン マーリッシュ氏・・・キース・アレン 少年 ヴィクター・・・アレクサンダー・ヴィン |
音楽 | アレハンドロ・アメナーバル 「別れのワルツ」”Vals Opus 69 No.1 (Op. Posth.)” フレデリック・ショパン |
主な受賞歴 | ー |
制作会社/配給元 | クルーズ/ワグナー・プロダクションズ/ディメンション・フィルムズ、ギャガ |
映画『アザーズ』原作紹介
脚本:アレハンドロ・アメナーバル
映画『アザーズ』関連作品
関連作として、『恐怖』(1961)『ゲーム』(1997)『アイズ ワイド シャット』(1999)『マローボーン家の掟』(2017)を取り上げます。いくつか共通点と興味深い要素が存在します。
心理的な複雑さ:
これらの映画は登場人物の心理的な葛藤や秘密を探求し、私たちに深い洞察と考察を与えてくれます。「心理戦」が重要な要素として登場します。
謎解きとサスペンス:
「プロットの謎」や「不穏な出来事」が物語を推進し、観客をサスペンスに引き込みます。予測不可能な展開が共通の要素です。
独自の視覚的スタイル:
各映画は独自の視覚的スタイルを持ち、映像美が魅力的です。監督のビジョンが映画全体に影響を与えています。
性や社会的テーマ:
『アイズ ワイド シャット』や『マローボーン家の掟』は性や社会的テーマを探求し、物語に深みを加えています。
制作秘話:
各映画の制作には興味深い秘話があります。例えば、『アイズ ワイド シャット』ではスタンリー・キューブリック監督の徹底的なプロダクションが有名です。
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『恐怖』(1961)
~あらすじ~
生き別れになっていた父に会うため、父の屋敷にやってきた少女の体験する恐怖を描いた、ミステリー・タッチのスリラー映画。出典:TSUTAYA DISCAS
監督:セス・ホルト
出演:スーザン・ストラスバーグ、クリストファー・リー、アン・トッド、ロナルド・ルイス、レナード・サックス
『恐怖』(1961)は、セス・ホルト監督によるイギリスのホラー映画で、主人公が自分自身を疑い始めるというテーマを扱っており、ラストに大どんでん返しが用意されています。当時、監督さんは細かいショットからあれこれ想像されないようにポスターもたった一種類しか作らず、映画館の途中入場も「絶対お断り」にしたほどです。
『恐怖』は、当時の映画製作のスタイルやテーマ、そしてセス・ホルト監督の独自の視点を示す傑作であり、サスペンスとミステリーが好きな観客にとっては必見の作品です。
『ゲーム』(1997)
~あらすじ~
実業家ニコラスは48歳の誕生日に、弟のコンラッドからCRS社主催の“ゲーム”の招待状をプレゼントされる。最初は馬鹿にしていたニコラスだが、「人生が一変するような素晴らしい体験ができる」という謳い文句にひかれてゲームに参加することにする。やがて、ブリーフケースの鍵の紛失、スキャンダルの発覚|RS社のオフィスの消滅と、奇妙な出来事がニコラスの周りで次々に起こり始める。トラブルは次第に加速していき、遂には生命の危機にさらされることになる……。出典:TSUTAYA DISCAS
監督:デビッド・フィンチャー
出演:マイケル・ダグラス、ショーン・ペン
『ゲーム』(1997):デヴィッド・フィンチャー監督のサスペンス映画で、主演はマイケル・ダグラスが務めました。映画は主人公が奇妙なゲームに巻き込まれる様子を描いています。
『ゲーム』の脚本は、デヴィッド・カップが書いた初めての映画脚本です。デヴィッド・カップは後に『ファイト・クラブ』の脚本も手掛けています。映画は予測不可能な展開とトリックの連続で知られており、観客を引き込みます。また、終盤のプロットの転回が注目を集めました。
『アイズ ワイド シャット』(1999)
監督:スタンリー・キューブリック
出演:トム・クルーズ、ニコール・キッドマン
『マローボーン家の掟』(2017)
~あらすじ~
海にほど近い森の中にひっそりとたたずむ大きな屋敷。そこに暮らすマローボーン家の4人兄妹は、不思議な“掟”に従い、世間の目を逃れるように生きていた。忌まわしい過去を振りきり、この屋敷で再出発を図る彼らの願いは、自由で幸せな人生をつかむこと。しかし心優しい母親が病死し、凶悪殺人鬼である父親を殺害したことをきっかけに、4人の希望に満ちた日々はもろくも崩れ出す。父親の死体を隠して封印した屋根裏部屋から響いてくる不気味な物音、鏡の中にうごめく得体の知れない影。いったいこの屋敷には、いかなる秘密が隠されているのか。やがて平穏を保つための“掟”が次々と破られ、逃げ場なき極限状況に追いつめられた長男ジャックが、最愛の妹と弟たちを守るために下した決断とは……。出典:Amazon
監督:セルヒオ・G・サンチェス
出演:ジョージ・マッケイ、チャーリー・ヒートン、ミア・ゴス、アニヤ・テイラー=ジョイ
『マローボーン家の掟』は、セルヒオ・G・サンチェス監督によるホラー映画で、イギリスからアメリカの田舎町に移住してきたマローボーン家の4人兄妹が、母親の死後、家で見えない何かに怯える日々を送る様子を描いています。彼らが遵守しなければならない「5つの掟」が物語の鍵を握っており、ストーリーは徐々にその謎を明らかにしていきます。
映画『アザーズ』口コミ(見どころ・感想)
映画『アザーズ』口コミ(見どころ・感想)
見る者の恐怖を煽っていくので、その恐怖感がじわりじわりとゆっくり伝わってくるが逆に怖く感じました。
~見どころ~
この映画は最後の大どんでん返しがすごいの一言です。
最後のオチで、最初の方に感じたちょっとした違和感などが、一気に頭の中で解決した感じです。
単なるエグい&グロい描写で恐怖を煽る映画とは違って、雰囲気や物語の展開によって、少しづつ見る者の恐怖を煽っていき、最後の最後に、あっと思わせるような結末になり、思わずやられたーという気持ちになりました。
演出も素晴らしく見せたかがとても上手いので、最初から目を離すことが出来ず、飽きることなく最後まで一気に見てしまう感じでした。
俳優陣の演技も質が高く、ニコールキッドマンは、その透き通るような白い肌の美しい女性で、こういう役には、ピッタリだなーって思いました。
子供役の子役の子達も演技が上手だったので、映画の少し薄暗く冷たい感じの世界観により引き込まれました。
大どんでん返しの好きな方に特にお勧めの映画です。
~感想~
この映画は最初、聖書物語を読み聞かせる場面から始まり、そこからいきなりグレースが絶叫して目を覚ます場面なります。
この一見、なんの脈絡がないように思える冒頭の部分ですが、最後まで見ると、グレースの異常なまでの聖書信仰の理由も含めて、全ての謎がストレスなく解けるようになっています。
ニコール・キッドマンと言えば、透明感のある白い肌で、どちらかと言えば古典的な顔立ちのとても気品ある美人な女優さんです。
それがこの作品の持つ雰囲気にピッタリ合っていて、この作品の持つ薄暗く何か不穏な感じのする雰囲気をより一層盛り上げています。
彼女が演じるの役は、2人の子供と一緒に戦争に行った夫の帰りを、霧深い孤島の古い屋敷で待つ若い妻グレースです。
彼女は厳格なキリスト教徒で聖書の言葉を頑なに信じて、自分の子供たちにそれを毎日聞かせることを日課にしている、ちょっと普通とは思えない、異常だとも思える女性です。
そんな彼女と子供達がいる屋敷に、3人の召使いが来てから、様々な不可解な出来事が起こるようになって、恐怖は次第に増幅していきます。
この映画は、単なる派手なホラー描写で恐怖を煽る映画とは違って、雰囲気や物語の展開によって、少しずつ見る者の恐怖を煽っていくので、その恐怖感がじわりじわりとゆっくり伝わってくるが逆に怖く感じました。
話の舞台は1945年になっているので、今からおよそ60数年前の時代設定ですが、屋敷や人物の持っている雰囲気が、どちらかというと19世紀的な感じがしました。
もしグレースを演じるのがニコール・キッドマン以外の女優さんで、彼女ほどの美貌を持ち合わせていなかったら、グレースの異常なまでの聖書信仰や神経質ぶりが、見ていてきっとストレスが溜まっていたんじゃないかと思います。
それくらいニコール・キッドマンは、ハマり役だったんじゃないでしょうか。
そして、この悲しくも感動的であり、見た人誰もが驚く衝撃的な結末、見事な演出と完璧な脚本、そして、彼女の美しさがあってこそ、グレースと子供たちに共感できるのだと思いました。
最後の結末を予測できる人はほとんどいないのではないでしょうか、この映画を見た後、しばらく最後の場面が頭から離れなかったです。
ゴシックホラーというあまり見ないジャンルですが、見る人の心理をうまく誘導している秀逸な作品!
~見どころ~
アザーズの見どころは、そのストーリーの秀逸さにあります。
最初は、本当にスローテンポに始まります。こちらが、退屈してしまうほどです。
しかし、段々、恐ろしい空気が漂ってくると、見ている観客はその展開の不気味さに引き込まれていくのです。
きっと、物語の伏線の置き方が素晴らしいからでしょう。 ゴールに辿り着くまでが、本当にうまい!
ゴシックホラーというあまり見ないジャンルですが、見る人の心理をうまく誘導している秀逸な作品と言えます。
そして、ラストに辿り着いたら、ジェットコースターに乗ったような解放感が味わえること間違いなしです。
さらに、物語の中では美しい母親をニコール・キッドマンが演じ、展開を引き立ててくれます。
暗い世界観の中に、主役であるニコール・キッドマンを一凛のバラのように置くというのもいいですね。
しかも、周りの人間が感情を表に出さない中、ニコールは感情を前面に出して物語に抑揚をつけてくれるのです。
それが、今回の作品にマッチしています。製作総指揮に、トム・クルーズが関わっているだけあって、ハリウッドスターの立て方がよくわかっているなって思いました。
~感想~
映画の鉄則として、冒頭15分は観客を引きつけなくてはいけません。これは、人は第一印象が大事と同じことですが、その期待をいい意味で裏切ってくれます。
最初は地味に見えたけど、付き合ってみたら、気配りができるし、話しは面白い異性のような感じです。しかも、妙な色気もあります。
主役の母親グレース(ニコール・キッドマン)以外も、脇役が素晴らしいです。
グレースの娘アンや息子のニコラスは、光に当てたら最悪死んでしまうアレルギーを持っています。
その青白く不健康な肌から放たれる、陰鬱な雰囲気はどこか浮いていて引き付けられます。
よく子役たちは、難しい役を演じきったなと褒めたくなりました。
さらに、グレースに追い打ちをかけるように洋館では怪奇現象が続出します。
そりゃ、どんな母親も感情が不安定になるよねと、同情したくなります。
母親の強さもあるけど、不安定で脆いところとか見ている方も共感できるのが素晴らしいところだと思いますね。
映画『アザーズ』評価は?
評価サイト | みんなのシネマ(10点満点) | IMDb (10点満点) | Filmarks (5点満点) | Yahoo!映画 (5点満点) |
点数 | 6.79 | 7.6 | 3.6 | 3.9 |
評価サイトの特徴 | ・映画情報/上映中の映画に! ・評論家コラムや、監督やキャストへのインタビュー記事多い | ・海外オンラインデータベース ・Amazon運営 | ・急成長中! SNSシェア強し ・過去作品、評価も厳しめ!? | ・最初に見る。評価甘めかな!? ・Yahoo!運営 |
※本作品の評価情報は2023年9月18日時点のものです。
映画『アザーズ』まとめ
映画『アザーズ』エンタメのまとめ
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