・黒澤明監督は、戦後の日本映画を牽引し、「世界のクロサワ」と呼ばれた。1950年公開の『羅生門』は、ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞した。
・『七人の侍』では、ヴェネチア国際映画祭・銀獅子賞を受賞、ほか多数の賞が与えられた。
・黒澤作品には欠かせない、名優・志村喬や三船敏郎らが出演。
・国内、海外からの評価が高く、「史上最高の外国語映画ベスト100」で1位に選出された(2018年・BBC)。
・「七人~」の付く作品は西部劇や国内漫画・アニメ、舞台などでリメイクや影響を与えている。アメリカ映画『荒野の七人』は、リメイク作品。
・関連作:『用心棒』(1961)『椿三十郎』(1962)『羅生門』(1950)
映画『七人の侍』あらすじ・動画
映画『七人の侍』あらすじ
~あらすじ~
戦国時代の貧しい農村を舞台に、野盗と化した野武士に立ち向かうべく農民に雇われた侍たちの闘いを描いた作品。黒澤明監督による日本映画の傑作。麦の刈入れが終わる頃。とある農村では野武士たちの襲来を前に恐怖におののいていた。百姓だけで闘っても勝ち目はないが、麦を盗られれば飢え死にしてしまう。百姓たちは野盗から村を守るため侍を雇うことを決断する。
やがて、百姓たちは食べるのもままならない浪人たち7人を見つけ出し、彼らとともに野武士に対抗すべく立ち上がる……。
Yahoo!映画
映画『七人の侍』予告動画
Seven Samurai (1954)
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映画『七人の侍』監督・キャスト、原作紹介
映画『七人の侍』基本情報
本作(タイトル) | 七人の侍/Seven Samurai |
公開年 | 1954年 |
上映時間/再生時間 | 2時間7分 |
監督 | 黒澤明 |
キャスト | -七人の侍- 島田勘兵衛・・・志村喬
-百姓や野武士など- 志乃・・・津島恵子 |
音楽 | 早坂文雄 |
主な受賞歴 | ヴェネツィア国際映画祭 銀獅子賞、キネマ旬報ベスト・テン 日本映画ベスト・テン 3位ほか。各メディアで行っているランキングでもランキング入り。 |
制作会社/配給元 | 東宝 |
映画『七人の侍』原作紹介
旧ソ連の作家、アレクサンドル:ファジェーエフの記録文学「壊滅」をヒントにし、それを下敷きにしたとされている。
映画『七人の侍』関連作品
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作品名 | U-NEXT | Amazon |
『姿三四郎』(1943) | ◎ | ○ |
『一番美しく』(1944) | ◎ | ○ |
『虎の尾を踏む男達』(1945) | ◎ | ○ |
『わが青春に悔いなし』(1946) | ◎ | ○ |
『素晴らしき日曜日』(1947) | ◎ | ○ |
『酔いどれ天使』(1948) | ◎ | ○ |
『野良犬』(1949) | ◎ | ○ |
『静かなる決闘』(1949) | ◎ | ○ |
『醜聞(スキャンダル)』(1950) | ◎ | ○ |
『羅生門』(1950)★ | ◎ | ○ |
『白痴』(1951) | ◎ | ▲ |
『生きる』(1952) | ◎ | ○ |
『七人の侍』(1954)★ | ◎ | ○ |
『生きものの記録』(1955) | ◎ | ▲ |
『どん底』(1957) | ◎ | ○ |
『蜘蛛巣城』(1957) | ◎ | ○ |
『隠し砦の三悪人』(1958) | ◎ | ○ |
『悪い奴ほどよく眠る』(1960) | ◎ | ○ |
『用心棒』(1961)★ | ◎ | ○ |
『椿三十郎』(1962)★ | ◎ | ○ |
『天国と地獄』(1963) | ◎ | ○ |
『赤ひげ』(1965) | ◎ | ○ |
『どですかでん』(1970) | ◎ | ▲ |
『影武者』(1980) | ◎ | ○ |
『乱』(1985) | ◎ | ○ |
『夢』(1990) | ◎ | ○ |
『八月の狂詩曲(ラプソディー)』(1991) | ◎ | ○ |
『まあだだよ』(1993) | ◎ | ○ |
★は、下記にて作品紹介。 |
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黒澤明監督の映画『用心棒』『椿三十郎』『羅生門』は、日本映画史上に残る傑作として高く評価されています。これらの映画にはどのような共通点や制作秘話があるのでしょうか?
まず共通点として挙げられるのは、主演俳優が三船敏郎であることです。三船敏郎は黒澤監督とのコンビで多くの名作を生み出しましたが、特にこの3作品では異なる役柄を見事に演じ分けています。『用心棒』では風来坊の浪人・桑畑三十郎を、『椿三十郎』では同じ名前でも別人の浪人・椿三十郎を、『羅生門』では強盗・田村をそれぞれ演じています。
三船敏郎はこれらの役を演じるにあたって、黒澤監督から細かい指示を受けましたが、それを自分なりに消化して独自の解釈で表現しました。例えば『用心棒』では桑畑三十郎が歯軋りする仕草や犬のような動きは三船敏郎のアイデアだったそうです 。
次に制作秘話として挙げられるのは、黒澤監督がリアルな時代劇を追求したことです。
黒澤監督は時代劇において刀がぶつかり合い肉が斬られる激しい効果音や飛び散る血飛沫を描きました。これらの表現は当時としては斬新で衝撃的であり、後の時代劇やアクション映画に大きな影響を与えました 。特に『椿三十郎』ではラストシーンで仲代達也演じる半兵衛が斬られた際にポンプ仕掛けで血が噴出する特殊効果が用いられましたが、これは観客の間で医者まで巻き込む大論争となりました 。
また、制作秘話としては、『椿三十郎』が『用心棒』の続編ではなく、別の原作を改変したものであることも興味深いです。
『椿三十郎』は元々、黒澤監督が小林桂樹主演で撮らせるつもりだった山本周五郎原作の『日日平安』の脚本がベースになっています。しかし、東宝側が難色を示したためにこの企画は実現せず、その後『用心棒』の大ヒットを受けて黒澤監督は『日日平安』の脚本を大幅に改変し、主役を三船敏郎演じる三十郎に置き換えて『椿三十郎』としてシナリオ化したのです 。
最後に役者秘話として挙げられるのは、黒澤監督が若手俳優たちに厳しい指導をしたことです。
黒澤監督は『椿三十郎』に登場する9人の若侍たちを時代劇ではなく現代の若者そのままで演らせたがり、本読みや殺陣の練習では彼らにカツラやメイクや衣装を着けさせてジョギングや合唱などをさせました。また、撮影中には彼らが空腹を抱える中でラーメンを食べたり、切られ役の俳優たちを放置したりするなどして三船敏郎に怒られたりしました 。
以上が黒澤明監督の映画『用心棒』『椿三十郎』『羅生門』についての共通点や制作秘話、役者秘話、データーなどです。これらの映画は日本だけでなく世界的にも高く評価されており、多くの映画祭やランキングで上位にランクインしています 。黒澤監督と三船敏郎のコンビは日本映画史上で最高峰と言えるでしょう。
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『用心棒』(1961)
~あらすじ~
やくざと元締めが対立するさびれた宿場町。そこへ一人の浪人者がやってくる。立ち寄った居酒屋のあるじに、早くこの町を出ていった方がいいと言われるが、その男は自分を用心棒として売り込み始める。やがて男をめぐって、二つの勢力は対立を深めていく……。出典:Yahoo!映画
脚本は黒澤明、菊島隆三。原作は、アメリカのミステリ作家のダシール・ハメットの小説「血の収穫」から。
痛快娯楽時代劇で、主演の三船敏郎は、第22回ヴェネツィア国際映画祭で男優賞を受賞した。
『椿三十郎』(1962)
~あらすじ・解説~
凄腕の浪人が、上役の不正を暴こうと立ち上がった9人の若侍に助太刀する痛快アクション時代劇。三船扮する三十郎は前作の「用心棒」から通ずるキャラクターながらこちらのほうがより人間味が増し、ユーモアと知略が強調されている。薄暗い社殿で密議をこらしていた9人の若侍。上役を告発するも逆に窮地に陥っていた。それを図らずも聞いていた浪人は、権謀に疎い彼らに同情し一肌脱ぐことに……。仲代達矢扮する敵方の用心棒との壮絶な一騎打ちのシーンは圧巻。出典:TSUTAYA DISCAS
原作は山本周五郎の小説から。『用心棒』の続編として『椿三十郎』が作られた。
『羅生門』(1950)
ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞、第24回アカデミー賞で名誉賞(現在のアカデミー国際長編映画賞)を受賞した『羅生門』。原作は芥川龍之介の短編小説『羅生門』『藪の中』から。三船敏郎、京マチ子、森雅之などが出演している。
映画『七人の侍』口コミ(見どころ・感想)
映画『七人の侍』口コミ(見どころ・感想)
人間の面白さを感じるところがこの映画の魅力
~見どころ~
「七人の侍」は長編ではありますが、最後まで目が離せない映画です。
見どころは七人の侍、それぞれの個性がとてもしっかりしているというところです。
役柄と俳優さんの演技がぴたりとハマってキャラクターが確立していて、観ていてとても面白く、人間の面白さを感じるところがこの映画の魅力です。
そして古い映画なので、台詞がところどころ聞き取りにくい部分もありますが、心に響く台詞が、多々でてくるというのも見どころです。
「本当に強い人たちは弱いものをいじめない」という人生の真理に基づいた作品でもあります。
侍たちが敵と戦うシーンは圧巻で迫力があり、真っ向勝負だけでなく、皆で知恵を絞ってあらゆる作戦を練りながら協力していく過程も見どころの一つです。
~感想~
長編の大作ではありますが、最後まで飽きずに楽しく観られる映画です。
個人的には三船敏郎さん演じる菊千代のキャラクターが、ユーモアがあって面白く、シリアスで緊張感漂う場面で、こういう存在は貴重だなあと思わされる存在でした。
また、志村喬さん演じる勘兵衛もとても頼りがいがあり、渋くてかっこいいです。
古い映画ではありますが、「本当の強さとは何か」ということを教えてくれる、若い人でも楽しめる映画です。
戦う場面も多々ありますが、侍同士や百姓との何気ないやりとり、ところどころに心温まるエピソードなどが含まれていて、ストーリーのバランスが観ていてとても心地良い映画です。
映像の迫力もあり、観た後は「映画を観た!」という満足感があるお勧めの映画です。
「一応押さえておくか!」
~見どころ~
最大の見どころは、タイトル通りの七人の侍の個性と戦いぶりです。
一口に侍と言っても、時代劇にいそうな似たような侍が集まってくるわけではなく、歴戦の知将やその忠臣、職人的な達人に未熟な若者と、その顔触れは多彩で魅力的です。
物語は、彼らを仲間に雇うところから始まるので、よりいっそう感情移入ができます。
また、彼ら侍を雇う農民も一筋縄ではありません。ただの被害者ではなく、弱者なりのしたたかさを持ち、雇った侍との身分意識による確執など、現在では表現が難しいところにも踏み込んでいるところも見どころです。
村を襲撃する野武士集団との戦いも見どころたっぷりで、双方ががあの手この手を使ってきて、ただ刀で斬り合うだけではない面白さがあります。
~感想~
世界的巨匠である黒澤明の代表作というと、高尚なだけの退屈な作品というイメージを持ってしまう人も多いと思います。
さらには1954年という古い作品で、白黒で200分超えという長さです。
私もいまさら見る必要もあまり感じなかったのですが、「一応押さえておくか!」と見てみたのですが、その面白さにビックリしました。
農民が侍に依頼するところから、ユーモアたっぷりに描かれていて、飽きることがありません。
また、白黒に画面が映えるように撮影されているのか、白黒がやたらしっくりきていて、おそらくカラーだとしまらない絵面になってしまい、白黒の良さに目覚めてしまいます。
流石巨匠と感じさせる作品の奥行と、娯楽に徹した橋本忍らを交えた脚本がこの作品を時代に影響されない、極上のエンターテインメント作品に昇華していると感じました。
映画『七人の侍』評価は?
評価サイト | みんなのシネマ(10点満点) | IMDb (10点満点) | Filmarks (5点満点) | Yahoo!映画 (5点満点) |
点数 | 8.6 | 8.6 | 4.3 | 4.54 |
評価サイトの特徴 | ・映画情報/上映中の映画に! ・評論家コラムや、監督やキャストへのインタビュー記事多い | ・海外オンラインデータベース ・Amazon運営 | ・急成長中! SNSシェア強し ・過去作品、評価も厳しめ!? | ・最初に見る。評価甘めかな!? ・Yahoo!運営 |
※本作品の評価情報は2023年10月11日時点のものです。
映画『七人の侍』まとめ
映画『七人の侍』エンタメのまとめ
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