・『アンダーグラウンド』(1995)は、第二次世界大戦前後のベオグラードを舞台とした歴史コメディドラマ映画。
・第一章「戦争 (Deo Rat)」第二章「冷戦 (Deo Hladni Rat)第三章「戦争 (Deo Rat)」から成る。
・『アンダーグラウンド』カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した。
・関連作: 『ファニーとアレクサンデル』(1982) 『ジプシーのとき』(1989)
『黒猫・白猫』(1998) 『ヴェルクマイスター・ハーモニー』(2000) 『エレニの旅』(2004) 『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女』(2009)
映画『アンダーグラウンド』
~あらすじ~
1941年から始まった旧ユーゴスラヴィアの戦いと動乱の歴史を、マルコとクロという二人の男を通して描いた作品。41年、ユーゴ王国はナチス・ドイツに侵略された。クロを誘ってパルチザンに参加したマルコは、自分の祖父の地下室に弟やクロの妻などをかくまう。やがて重傷を負ったクロも地下室に運び込まれて……。出典:TSUTAYA DISCAS
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映画『アンダーグラウンド』予告動画
『アンダーグラウンド』予告編
映画『アンダーグラウンド』配信状況
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映画『アンダーグラウンド』監督・キャスト、原作紹介
映画『アンダーグラウンド』基本情報
本作(タイトル) | アンダーグラウンド/Underground |
公開年 | 1995年 |
上映時間/再生時間 | 2時間50分 |
監督 | エミール・クストリッツァ |
キャスト | マルコ・・・ミキ・マノイロヴィッチ ナタリア・・・ミリャナ・ヤコヴィッチ ヨヴァン・・・スルジャン・トドロビッチ イヴァン・・・スラヴコ・スティマチ ヴェラ・・・ミリャナ・カラノヴィッチ 武器商人・・・エミール・クストリッツァ ロシア人ドライバー・・・ピエール・スペングラー |
音楽 | ゴラン・ブレゴヴィッチ |
主な受賞歴 | ・第48回パルム・ドールカンヌ国際映画祭(1995年) |
制作会社/配給元 | CIBY2000、パンドラ・フィルム、ノヴォフィルム/BY2000、ヘラルド・エース |
映画『アンダーグラウンド』原作紹介
脚本:エミール・クストリッツァ、デュシャン・コヴァチェヴィッチ
映画『アンダーグラウンド』関連作品
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『ファニーとアレクサンデル』(1982)
~あらすじ~
1907年スウェーデンの地方都市でのクリスマス・イヴ。
劇場主であり俳優でもあるオスカル・エクダールの一家は、キリスト降誕劇を、妻で女優のエミリー、長男のアレクサンデルとその妹のファニーとともに上演し、
その後は親しい人みな揃って盛大に祝うのが恒例となっている。
変わらず幸せに祝ったその年明け、「ハムレット」のリハーサル中にオスカルが突然倒れ急死する。
未亡人となったエミリーは、相談相手になってくれたヴェルゲルス主教と結婚するのだが……。出典:Amazon
監督:イングマール・ベルイマン
出演:ペルニッラ・アルヴィーン、バッティル・ギューヴェ、グン・ヴォールグレーン、アラン・エドヴァル
・第56回アカデミー賞(1984年)国際長編映画賞(外国語映画賞)/美術賞/撮影賞/衣装デザイン賞
・第41回ゴールデングローブ賞(1984年)外国語映画賞
・第9回ロサンゼルス映画批評家協会賞(1983年)外国語映画賞/撮影賞
・第9回セザール賞1984年外国映画賞
『ジプシーのとき』(1989)
~あらすじ~
旧ユーゴのジプシー村。粗末な祖母の家で足の悪い妹と放蕩者の叔父メルジャンと暮らすペルリンは、美しい娘アズラに恋したが、貧しい彼との結婚に彼女の母は猛反対。ある日、アーメドを頭とするジーダ兄弟が村に帰ってきた。村一番の金持ちの彼らは悪事をして稼いでいた。メルジャンもカモにされ借金を背負う。祖母の魔術がアーメドの息子を急病から救ったことで、彼は妹の足を治すことを約束するが……。出典:TSUTAYA DISCAS
監督:エミール・クストリッツア
出演:ダヴォール・ドゥイモヴィッチ、ボラ・トドロヴィッチ、リュビシャ・アジョヴィッチ
・第42回カンヌ国際映画祭(1989年)監督賞
『黒猫・白猫』(1998)
~あらすじ~
ドナウ川のほとりに暮らすジプシー一族に起こる若者の恋愛や石油列車強奪計画といったエピソードを、陽気にストレートに描いたコメディ。ジプシーのマトゥコは、自称ダマしの天才。ある日、彼はロシアの密輸船から石油を買うが、見事に騙されて大金を失う。金に困ったマトゥコは、息子のザーレとともに、“ゴッドファーザー”グルガに石油列車強奪の計画を持ちかけ資金援助を乞うが……。出典:TSUTAYA DISCAS
監督:エミール・クストリッツァ
出演:バイラム・セヴェルジャン、スルジャン・トドロヴィッチ、ブランカ・カティチ
・第55回ヴェネチア国際映画祭(1998年)銀獅子賞(最優秀監督賞)
『ヴェルクマイスター・ハーモニー』(2000)
~あらすじ~
ハンガリーのとある田舎町。郵便配達夫のヴァルシュカ・ヤーノシュは老音楽家エステル氏の世話を日課としていた。エステル氏は口述の記録を続けていたが、それは現代でも用いられている調律法を考案したことで知られる音楽家“ヴェルクマイスター”への批判のようにも聞こえる。そんなある日、巨大なトラックで町の広場に突然現われた移動サーカス。トラックの中にはハリボテの“世界一巨大なクジラ”。お金を払いそのクジラを目にしたヤーノシュはすっかり魅了される。しかし、これを境に、町では何かが歪み始めていった……。出典:Yahoo!映画
監督:タル・ベーラ
出演:ラルス・ルドルフ、ペーター・フィッツ
『エレニの旅』(2004)
~解説・あらすじ~
『旅芸人の記録』で知られる名匠、テオ・アンゲロプロス監督が、20世紀全体をギリシャ現代史になぞらえて映画化を試みた長編3部作の第1章。追放、別離、彷徨、イデオロギーの終焉、人生において様々な経験をしたひとりの女性の姿を通して綴る愛の物語。出典:TSUTAYA DISCAS
監督:テオ・アンゲロプロス
出演:アレクサンドラ・アイディニ、ニコス・プルサニディス、ヨルゴス・アルメニス
『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女』(2009)
~あらすじ~
1910年代前半のイタリア。イーダは、社会党の党員として政治闘争に身を投じていたムッソリーニと出会い、恋に落ちる。やがてムッソリーニは過激な言動がもとで党を除名となり窮地に陥る。そんなムッソリーニをイーダは私財をなげうって献身的に支えていく。その後イーダはムッソリーニの子どもを出産、認知も受けるが、正妻ラケーレがいたムッソリーニは、政権を奪取するやスキャンダルを恐れてイーダとその息子の存在を闇へと葬り去ろうと動き出す。出典:TSUTAYA DISCAS
監督:マルコ・ベロッキオ
出演:ジョヴァンナ・メッゾジョルノ、フィリッポ・ティーミ、ファウスト・ルッソ・アレン、ミケーラ・チェスコン、ピエール・ジョルジョ・ベロッキオ
映画『アンダーグラウンド』口コミ(見どころ・感想)
映画『アンダーグラウンド』口コミ(見どころ・感想)
地下帝国と地上の帝国との2つの帝国に、全体主義の下で生きる人々の二面性が映し出されているようで感慨深いです。
戦争により国が侵略され、地下に造った武器工場の街に隠れた人々と、その仲間で地上に居続け、地下帝国の人々が作る武器を買い上げて出世した男の行く末を、幻想的で絵画的な画面構成で描き出します。皮肉な笑いが旧共産圏(ソビエトの衛星国)への風刺とも受け取れる映画と記憶しています。
また、音楽隊が主人公の後を付いてくるのは演出かもしれませんが、東欧諸国特有のスタイルのようにも思え、それが随所に登場することなどで、ヨーロッパの中でもやや東に位置する国の独創性を感じます。
解散した自由劇場のお芝居でもそのようなシーンがあり、この映画から影響を受けたのかなと思ったことがありました。
特に花嫁が空を飛んでくるシーンは、アルフォンス・ミュシャの絵画のようで幻想的で、東欧諸国に憧れを抱くきっかけになりました。
~感想~
全体主義の下で翻弄される人々の姿をユーモアと皮肉たっぷりに描いています。
侵略された国の人々の動向を追っていますが、西洋絵画を喚起させる画面のため、見ていて暗い気持ちにはなりません。
地下帝国と地上の帝国との2つの帝国に、全体主義の下で生きる人々の二面性が映し出されているようで感慨深いです。
特に印象的だったのが、ボヘミア地方特有の民族性を詩的な映像で見ることができたことでした。
空を飛ぶ花嫁の姿はアルフォンス・ミュシャの絵画のようでした。
また、共産圏に支配された国の水面下での動きなどの政治的な状況というよりも、地下でしたたかに呑気に生きている市井の人々の姿が面白かったです。
西洋絵画的な画面に魂を奪われたように思います。上演時間が長めの映画ですが、それなりに意味のある長さと思います。
映画『アンダーグラウンド』評価は?
評価サイト | みんなのシネマ(10点満点) | IMDb (10点満点) | Filmarks (5点満点) | Yahoo!映画 (5点満点) |
点数 | 7.45 | 8.1 | 4.4 | 4.6 |
評価サイトの特徴 | ・映画情報/上映中の映画に! ・評論家コラムや、監督やキャストへのインタビュー記事多い | ・海外オンラインデータベース ・Amazon運営 | ・急成長中! SNSシェア強し ・過去作品、評価も厳しめ!? | ・最初に見る。評価甘めかな!? ・Yahoo!運営 |
※本作品の評価情報は2022年3月5日時点のものです。
まとめ
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