・『リベリオン-反逆者- 』(2002)は、ジョージオーウェルの「1984年」をオマージュした作品であり、『華氏451度』(1966)からの影響も受けている。
・ガンアクションと武道のカタの掛け合わせである「ガン=カタ」が、スタイリッシュ!『マトリックス』(1999)をも彷彿させる。
・『リベリオン-反逆者- 』に出演したリスチャン・ベールはその後、『マシニスト』(2004)やクリストファー・ノーラン監督が制作したバットマン新3部作「ダークナイト トリロジー」で「バットマン」に抜擢された。
・関連作:『華氏451』(1966) 『マトリックス』(1999) 『ザ・レイド』(2011) 『ジョン・ウィック』(2014)
映画『リベリオン-反逆者- 』あらすじ・動画
映画『リベリオン-反逆者- 』あらすじ
~見どころ~
第三次大戦後の世界。
絶対的な警察国家は、国民に強烈な精神抑制剤プロジアムを服用させ、絵画や映画、詩集、音楽を奪い取り、違反するものは有無を言わさず処刑してきた。
感情犯罪取締官(クラリック=聖職者)のプレストンは、国家のために忠実に任務を遂行していったが、反乱者メアリーの逮捕をきっかけに、感情を取り締ることに疑問を抱き始める。
彼の中で生まれた行き場のない感情は、ついに自由を求める戦いへと変化した!
銃と武術を融合した本作オリジナルの格闘術“ガン=カタ”<GUN=KATA>が縦横無尽に繰り広げられるスピード感あふれるSFアクション・ムービー!出典:Amazon
映画『リベリオン-反逆者- 』予告動画
Equilibrium – Trailer
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映画『リベリオン-反逆者- 』監督・キャスト、原作紹介
映画『リベリオン-反逆者- 』基本情報
本作(タイトル) | リベリオン-反逆者-/Equilibrium(Librium) |
公開年 | 2002年 |
上映時間/再生時間 | 1時間46分 |
監督 | カート・ウィマー |
キャスト | ジョン・プレストン/クラリック・・・クリスチャン・ベール メアリー・オブライエン・・・エミリー・ワトソン アンドリュー・ブラント/クラリック・・・テイ・ディッグス デュポン・・・アンガス・マクファーデン エロール・パートリッジ・・・ショーン・ビーン ユルゲン・・・ウィリアム・フィクトナー ファーザー・・・ショーン・パートウィー ファーザーの代理人・・・デヴィッド・へミングス 司令官・・・マイク・スミス シーマス・・・ドミニク・パーセル |
音楽 | クラウス・バデルト 、ラミン・ジャヴァディ |
主な受賞歴 | ― |
制作会社/配給元 | ヤン・デ・ボン、ルーカス・フォスター、ディメンション・フィルムズ/ディメンション・フィルムズ、アミューズピクチャーズ |
映画『リベリオン-反逆者- 』原作紹介
脚本:カート・ウィマー
映画『リベリオン-反逆者- 』関連作品①
関連作として、『華氏451』(1966)と『マトリックス』(1999)を取り上げます。
映画『華氏451』と『マトリックス』は、本を読むことや思想の自由が禁じられたディストピアな世界を描いた近未来の世界を描いたSF作品ですが、その背景やメッセージには大きな違いがあります。これらの作品の共通点や相違点を分析し、制作秘話や興行成績などのデータも紹介します。
まず、『華氏451』はレイ・ブラッドベリの同名小説を原作とし、フランスの名匠フランソワ・トリュフォーが監督した1966年の作品です。主演はオスカー・ウェルナーとジュリー・クリスティで、彼らはそれぞれ本を焼くファイアマンのモンターグと本を愛する少女クラリスとその妻リンダを二役で演じました。トリュフォーは本作で初めて英語作品に挑戦しましたが、撮影中にウェルナーと対立したり、言葉の壁に苦労したりするなど困難に直面しました。しかし、その苦労の甲斐あって本作は批評家や観客から高く評価されました。特に本や文化の価値を訴えるテーマやトリュフォーらしい人間ドラマが称賛されました。
一方、『マトリックス』はウォシャウスキー兄弟(現在は姉妹)がオリジナル脚本と監督を務めた1999年の作品です。主演はキアヌ・リーブスとローレンス・フィッシュバーンで、彼らは人類を支配する機械に反抗する戦士ネオとモーフィアスを演じました。ウォシャウスキー兄弟は本作で革新的なVFXやアクションを駆使し、哲学や宗教などの深いテーマを盛り込みました。その結果、本作は世界的な大ヒットとなり、SF映画の金字塔として名高くなりました。特にタイム・スライスやバレットタイムと呼ばれる技法は多くの映画に影響を与えました。
両作品の共通点は、本や思想の自由が奪われた社会を描いていることです。
『華氏451』では、本は火で焼かれ、テレビやラジオが人々の情報源となっています。『マトリックス』では、人々は機械によって作られた仮想現実に閉じ込められ、本当の世界を知らされていません。両作品ともに、主人公は本や思想の自由を求めて既存の体制に反抗します。
一方で相違点もあります、その反抗の仕方や目的なのですが、『華氏451』では、モンターグはクラリスとの出会いや老女の自決をきっかけに、本に興味を持ち始めます。彼は自分の仕事に疑問を抱き、本を隠し持って読みます。そして、本を暗記して保存する「本の人々」に加わります。彼の目的は、本や文化を後世に伝えることです。『マトリックス』では、ネオはモーフィアスから真実を教えられ、機械と戦う仲間になります。彼は自分が救世主であることを知り、機械に支配された人類を解放することを目指します。彼の目的は、現実と虚構の区別をつけることです。
また、両作品は制作時期や背景でも異なってます。『華氏451』は1960年代の冷戦時代に作られました。当時の社会は核戦争や検閲などの脅威にさらされていました。トリュフォーはこの作品でナチス占領下のフランスでの経験や読書への愛情を反映させました。一方の『マトリックス』は1990年代末に作られました。当時の社会はインターネットやコンピュータなどの技術革新によって変化していました。ウウォシャウスキー兄弟はこの作品で日本のアニメや漫画などの影響や自身のジェンダーへの問題意識を表現しました。
『華氏451』と『マトリックス』の紹介でした。どちらも見ごたえのあるSF映画ですので、ぜひ見て欲しいですね。
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『華氏451』(1966)
~あらすじ~
活字の存在しない未来の管理社会を描いたレイ・ブラッドベリの小説を映画化。主人公モンターグは禁止されている書物の捜索と焼却にあたる有能な消防士だったが、クラリスという女性と知り合った事から本について興味を持ち始める。やがて読書の虜となった彼の前には妻の裏切りと同僚の追跡が待っていた……。出典:Amazon
監督:フランソワ・トリュフォー
出演:オスカー・ウェルナー、ジュリー・クリスティ、シリル・キューザック、アントン・ディフリング
『華氏451』は、レイ・ブラッドベリの同名小説を原作としていますが、監督のフランソワ・トリュフォーは原作に忠実な映画化を目指しました。原作では登場しないキャラクターやシーンも追加しました。本を燃やす際に音楽が流れるという演出は、映画オリジナルです。
『マトリックス』(1999)
監督:ウォシャウスキー兄弟
出演:キアヌ・リーブス、ローレンス・フィッシュバーン、キャリー=アン・モス
『マトリックス』は、ウォシャウスキー兄弟(現在は姉妹)が監督・脚本を務めましたが、彼らは当時無名の新人でした。そのため、製作会社は彼らのビジョンに疑問を持ち、予算やキャスティングに難色を示しました。しかし、彼らはアニメーションやコミックの要素を取り入れた斬新な映像表現で観客を魅了しました。特に、カメラを回転させながらキャラクターの動きを止めるという技法は、「バレットタイム」と呼ばれて有名になりました。
映画『リベリオン-反逆者- 』関連作品②
関連作として、『ザ・レイド』『ジョン・ウィック』も紹介しましょう。
まず共通点として挙げられるのは、主人公が格闘技の達人であるということです。
『ザ・レイド』では、主人公のラマ(イコ・ウワイス)はインドネシアの伝統武術であるシラットを使って敵を倒します。シラットは蹴りやパンチだけでなく、ナイフや棒などの武器も使う多彩な格闘技で、ラマはその中でも特に高度な技術を持っています。
一方『ジョン・ウィック』では、主人公のジョン(キアヌ・リーブス)はブラジリアン柔術や柔道などの投げ技や関節技を得意とし、銃やナイフなども巧みに扱います。ジョンは元殺し屋であり、「死神」と呼ばれるほどの凄腕です。両作品ともに主人公が格闘技を使って敵を次々と倒す様子は迫力満点で、私たちを圧倒します。
次に制作秘話として挙げられるのは、主演俳優が自らスタントをこなしたということです。
『ザ・レイド』では、イコ・ウワイスは実際にシラットの達人であり、監督のギャレス・エヴァンスも彼を見て映画化を決めたほどです。イコは自分の身体能力を最大限に活かして激しいアクションシーンに挑みました。またジョー・タスリムも格闘技経験者であり、インドネシア代表として国際大会に出場したこともあるそうです。彼らはCGやワイヤーなしで本物の格闘技を披露しました。
一方『ジョン・ウィック』では、キアヌ・リーブスが4か月間にわたってブラジリアン柔術や射撃訓練などを受けて役作りをしました。彼は50歳を超えていたにもかかわらず、自らスタントをこなし、監督のチャド・スタエルスキも彼の熱意に感動したと語っています。キアヌは自分の身体を酷使してアクションシーンに挑みました。
最後に役者秘話として挙げられるのは、主演俳優が共演者との仲が良かったということです。『ザ・レイド』では、イコ・ウワイスとジョー・タスリムは映画の中では敵対する役柄でしたが、実際には仲が良く、撮影の合間には一緒に食事をしたり、冗談を言い合ったりしていたそうです。またイコは他の共演者やスタッフとも仲良くし、現場のムードメーカーだったといいます。
一方『ジョン・ウィック』では、キアヌ・リーブスとウィレム・デフォーは映画の中では師弟関係でしたが、実際には以前から親交があり、撮影前には一緒に食事をしたり、撮影後には一緒にビールを飲んだりしていたそうです。またキアヌは他の共演者やスタッフにも優しく接し、現場のリーダーだったといいます。
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『ザ・レイド』(2011)
~解説・あらすじ~
“シラット”と呼ばれる東南アジアの伝統武術をフィーチャーしたインドネシア発のノンストップ・バトル・アクション。麻薬王が支配する高層アパートに強制捜査(レイド)に入ったSWAT隊と、各階で待ち受ける無数のギャングとの壮絶な死闘を、多彩かつハードなアクションと容赦のないバイオレンス描写で描き出していく。主演は実際にシラットの使い手でもあるイコ・ウワイス。監督は英国の新鋭ギャレス・エヴァンス。インドネシアのジャカルタ。ある日、麻薬王タマ・リヤディを逮捕するため彼が住むビルへの強制捜査が決行される。新人警官ラマを含む20人のSWATチームが奇襲をかけ、各フロアを順次制圧しながら、リヤディの部屋を目指して上っていくが…。出典:TSUTAYA DISCAS
監督・脚本:ギャレス・エヴァンス
出演:イコ・ウワイス、ジョー・タスリム、ドニー・アラムシャー、ヤヤン・ルヒアン、ピエール・グルノ
主演のイコ・ウワイスは、エヴァンス監督が撮影したドキュメンタリーのナレーターで、ペンチャック・シラットの達人でした。エヴァンス監督は彼の才能に感動し、彼を主役に抜擢しました。
また、本作は低予算で制作されたため、撮影場所は廃墟となったビルを借りて改造したもので、実際に危険な状況で撮影されました。
『ジョン・ウィック』(2014)
~あらすじ~
裏社会に語り継がれる一騎当千・伝説の殺し屋ジョン・ウィック。
愛を知り、表の世界へと足を洗い平穏な日々を送っていた彼は、ある日、不運にも彼の愛するもの全てをマフィアに奪われてしまう。
怒りに震え、心の奥底に封じ込めた”殺し屋の魂”を解き放ち、復讐のために独り立ち上がる。出典:Amazon
監督:チャド・スタエルスキ
出演:キアヌ・リーブス、ウィレム・デフォー、ジョン・レグイザモ、イアン・マクシェーン、ミカエル・ニクヴィスト
本作は元スタントマンのチャド・スタエルスキとデヴィッド・リーチが監督デビューした作品で、彼らはキアヌ・リーブスとは『マトリックス』シリーズで知り合った仲だそうです。
『ジョン・ウィック』ではガンフーと呼ばれる銃と格闘技を組み合わせたアクションが特徴的で、その演出には香港映画や日本映画の影響があると言われています。
ちなみに、日本人俳優の真田広之は、『ジョン・ウィック:コンセクエンス』(2023)で、ジョン・ウィックの旧友でシマヅ役で出演しています。
映画『リベリオン-反逆者- 』口コミ(見どころ・感想)
映画『リベリオン-反逆者- 』口コミ(見どころ・感想)
監督・脚本のカート・ウィマーの独特の「美学」があふれ出た作品です!
一見すると、あの一世を風靡した「マトリックス」(1999)のパチもんか?と思われるかもしれません。
否定はしませんが、この映画は監督・脚本のカート・ウィマーの独特の「美学」があふれ出た作品です!それは、映画に登場する「ガン=カタ」・・・これに尽きます!
「ガン=カタ」とは何か?・・・
これはもう映画を観ていただくしかないのですが、二丁拳銃さばきに太極拳をミックスしたような、東洋武術思想と西洋科学思考が合体した戦闘術の一種です。
よく映画の中の銃撃戦では、ヒーローには全く弾が当たらないのに、敵には百発百中で弾が当たってバタバタと倒れていく…というありがちな設定がありますが、「ガン=カタ」はそのあまりにも都合の良い設定を究極に推し進めたものと言えます。
そんなムチャな・・・と思わずに観てください。
頭に焼き付くこと間違いなし。
映画の後半にはガン・アクションだけではなく、日本刀によるチャンバラもありますよ!
~感想~
「リベリオン」は「ガン=カタ」アクションに尽きる映画だと思うのですが、意外といい役者さんが出演しています。
主役の特別捜査官を演じたクリスチャン・ベールは、この映画がきっかけかどうかわかりませんが、この後、「バットマンビギンズ」(2002)から始まる「ダークナイト・トリロジー」でバットマンに抜擢され、「ターミネーター4」(2009)でジョン・コナーを演じるなど、アクション映画の幅も広げて名実ともに大スターとなっていきます。
共演者も、エミリー・ワトソン、ショーン・ビーン、ウィリアム・フィクナーと渋い面々を揃えています。
反面、カート・ウィマー監督の名前を、「ウルトラ・ヴァイオレット」(2006)以降、脚本以外に聞かないのがさびしいところです…。
見どころは所謂ガンカタですね。
後にダークナイトで有名なバットマンシリーズで主演を務めることになるクリスチャン・ベールなのですが、彼をアクション俳優としての知名度を一気に上げた作品が、このリベリオンなのではないでしょうか。
見どころは所謂ガンカタですね。
最近の作品ではジョン・ウィックシリーズに見られる流れるような、美しいガンアクションとカンフーを融合させたような独特の動きであるガンカタですが、私が知る限りでそれを全面に押し出した作品は、今作が初なのではないでしょうか。
まずOPからしてかっこいいです。低予算なのにうまい演出だな~と今では感心しますが。
この作品も荒唐無稽な近未来SFなのですが、世界観に違和感、不自然さは映像的に見えればあまり感じませんでした。
テーマ的にはAI、シンギュラリティーというような、最近現実味を感じるようになってきた分野に踏み込んでいるため、相対的にこの作品に対する自分の評価は、最初に見た当時よりも上がってきている気はします。
アクション以外の部分の監視社会や自我を持たないロボットのような人間、そこからの解放などもっと深く掘り下げられそうなテーマがあるにも関わらず、いかんせん荒削りな設定のためかそれをうまく活かせてない感じがしました。
それがゆえのモヤモヤのようなものも素晴らしいアクションの一方で感じている自分がいました。
アクション部分以外の部分を改良、再構築したらもっと素晴らしい作品になったんじゃないかと思います。
映画『リベリオン-反逆者- 』評価は?
評価サイト | みんなのシネマ(10点満点) | IMDb (10点満点) | Filmarks (5点満点) | Yahoo!映画 (5点満点) |
点数 | 6.42 | 7.4 | 3.7 | 3.84 |
評価サイトの特徴 | ・映画情報/上映中の映画に! ・評論家コラムや、監督やキャストへのインタビュー記事多い | ・海外オンラインデータベース ・Amazon運営 | ・急成長中! SNSシェア強し ・過去作品、評価も厳しめ!? | ・最初に見る。評価甘めかな!? ・Yahoo!運営 |
※本作品の評価情報は2023年8月28日時点のものです。
映画『リベリオン-反逆者- 』まとめ
映画『リベリオン-反逆者- 』エンタメのまとめ
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