・『ローズマリーの赤ちゃん』(1968)は、アイラ・レヴィンの小説を原作とし、映画化した作品。
・1960年代の映画であるが、妊婦の扱いに対して現代にも通ずるところが随所見られる「妊婦の不安感vs社会」構図。
・続編は『続・ローズマリーの赤ちゃん/悪魔の子が生まれて8年が経った…』(1976)
・関連作: 『ガス燈』(1944) 『ダイヤルMを廻せ!』(1954)『召使』(1963) 『反撥』(1964) 『バニー・レークは行方不明』(1965) 『狼の時刻』(1966)
映画『ローズマリーの赤ちゃん』あらすじ・動画
映画『ローズマリーの赤ちゃん』あらすじ
~あらすじ~
巨匠ロマン・ポランスキーが悪魔崇拝者たちに狙われたある主婦の恐怖を描いたオカルト・サイコ・ホラー。マンハッタンの古いアパートに、若い夫婦者が越してきた。やがて妻のローズマリーは身篭もり、隣人の奇妙な心遣いに感謝しながらも、妊娠期特有の情緒不安定に陥っていく。彼女は、アパートで何か不気味なことが進行している、という幻想にとり憑かれていた……。出典:Yahoo!映画
映画『ローズマリーの赤ちゃん』予告動画
Rosemary’s Baby (1968) – Trailer
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映画『ローズマリーの赤ちゃん』監督・キャスト、原作紹介
映画『ローズマリーの赤ちゃん』基本情報
本作(タイトル) | ローズマリーの赤ちゃん/Rosemary’s Baby |
公開年 | 1968年 |
上映時間/再生時間 | 2時間17分 |
監督 | ロマン・ポランスキー |
キャスト | ローズマリー・ウッドハウス・・・ミア・ファロー ガイ・ウッドハウス・・・ジョン・カサヴェテス ミニー・カスタベット・・・ルース・ゴードン ローマン・カスタベット・・・シドニー・ブラックマー エドワード・ハッチンス(ハッチ)・・・モーリス・エヴァンス 産婦人科医サパースタイン・・・ラルフ・ベラミー ニクラス・・・イライシャ・クック・Jr 産婦人科医ヒル・・・チャールズ・グローディン ローラ・ルイーズ・マクバーニー・・・パッツィ・ケリー パーティの少女・・・シャロン・テート 公衆電話の男・・・ウィリアム・キャッスル |
音楽/主題歌 | クリストファー・コメダ |
主な受賞歴 | ・第41回アカデミー賞(1969年)助演女優賞 ・第26回ゴールデングローブ賞(1969年)助演女優賞 |
制作会社/配給元 | ウィリアム・キャッスル/パラマウント映画 |
映画『ローズマリーの赤ちゃん』原作紹介
原作:アイラ・レヴィン
脚本:ロマン・ポランスキー
映画『ローズマリーの赤ちゃん』関連作品
映画『ローズマリーの赤ちゃん』関連作として、『ガス燈』(1944) 『ダイヤルMを廻せ!』(1954)『召使』(1963) 『反撥』(1964) 『バニー・レークは行方不明』(1965) 『狼の時刻』(1966)を挙げてみました。
これら作品はすべて1960年以前に公開されたサスペンスやホラーの名作です。制作秘話や役者秘話も簡単に紹介します。
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『ガス燈』(1944)
~あらすじ~
ガス燈の灯る、霧の都ロンドン。
育ての親で有名歌手の叔母が何者かに殺され、遺産を相続したポーラ。
留学先で出会った音楽家のグレゴリーと結婚し、死んだ叔母の家で暮らし始める。
それからと言うもの、物忘れや盗癖が目立つと夫に指摘され、ガス燈までも奇妙にちらつくようになる。
ポーラは自分がおかしいのではないかと思い込み、不安に苛まれるように出典:Amazon
監督:ジョージ・キューカー
出演:シャルル・ボワイエ、イングリッド・バーグマン、ジョゼフ・コット
・第17回アカデミー賞(1945年)主演女優賞美術賞
・第2回ゴールデングローブ賞(1945年)主演女優賞(ドラマ部門)
心理的な恐怖や狂気をテーマにしている作品としての『ガス燈』では夫が妻を精神的に追い詰めるガスライティングという手法が使われています。
『ダイヤルMを廻せ!』(1954)
~あらすじ~
若く美しい妻マーゴ(ケリー)の不倫を知ったトニー(ミランド)は、彼女の殺害を企む。自分はマーゴの不倫相手マーク(カミングス)とパーティへ出かけ、その間に旧友の悪党レズゲートに妻を殺させようというのだ。だが計画は失敗、マーゴが逆にレズゲートをハサミで刺し殺してしまった。思わぬ展開に焦りを隠せないトニーは、実はマーゴが不倫をネタに脅迫されており、そのためにレズゲートを殺したというシナリオに変更する事にするのだが…。出典:Yahoo!映画
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:レイ・ミランド、グレース・ケリー、ロバート・カミングス、アンソニー・ドーソン
『ダイヤルMを廻せ!』はヒッチコック監督の代表作で、グレース・ケリーが出演しています。『ダイヤルMを廻せ!』は元々舞台劇でしたが、ヒッチコックは映画化する際に舞台劇の脚本家と協力して大幅に改変しました。また、グレース・ケリーはこの映画で初めてヒッチコックと組みましたが、その後も『窓際の女』や『泥棒成金』で共演しました。
『召使』(1963)
~あらすじ~
結婚するために南米から帰った貴族トニーが、バレットという召使いを雇った。
完璧な執事ぶりを示すバレットに、トニーは次第にすべてを任すようになる。
バレットなしでは生きていけなくなっていくトニー。
やがて、二人の間には肉体関係さえ結ばれていく。
しかし、それはすべてバレットの計画通りであった。身も心もバレットに支配されていくトニー。
彼を待ち受ける運命は破滅しか残っていなかった・・・出典:Amazon
監督:ジョセフ・ロージー
出演:ダーク・ボガード、ジェームズ・フォックス、サラ・マイルズ、ウェンディ・クレイグ
・第30回ニューヨーク映画批評家協会賞(1964年)脚本賞
『召使』では、主人役のジェームズ・フォックスと召使役のダーク・ボガードが役作りのために一緒に住んだり、服を交換したりしました。また、監督のジョセフ・ロージーは当時アメリカから追放されていたため、偽名でクレジットされました。
『反撥』(1964)
~あらすじ~
ベルギー人のキャロルは、姉のヘレンといっしょにロンドンのアパートで暮らしている。
ヘレンには恋人がいるが、キャロルは内気でいつも孤独。
ある日、ヘレンと恋人は旅行に出かけてしまう。
一人アパートに取り残されたキャロルだったが……。出典:Amazon
監督:ロマン・ポランスキー
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、イアン・ヘンドリー、イヴォンヌ・フルノー
・第15回ベルリン国際映画祭(1965年)銀熊賞 審査員グランプリ(審査員特別賞)
島や孤立した場所が舞台になっている『反撥』では夫婦が南仏の島で殺人事件に巻き込まれます。『反撥』では、監督のロマン・ポランスキーが自ら脚本を書きましたが、原作小説の作者と対立していました。
『バニー・レークは行方不明』(1965)
~あらすじ~
アン・レーク(キャロル・リンレイ)がロンドンにある保育園へ4歳の娘バニーを迎えに行くと、姿が見当たらない。ニューハウス警部(ローレンス・オリヴィエ)は捜査の指揮を取ることになるり、容疑者にはアンの兄のスチーブン・レーク(ケア・デュリア)、家主のホレイショ・ウィルソン(ノエル・カワード)、元園長のアダ・フォード(マーティタ・ハント)が浮上する。しかし、手がかりがつかめない上、学校の先生たちはバニーという子を実際に見たことがないと言う。アンは娘が誘拐された主張を続けるが、警部はバニーの存在自体が母親アンの妄想ではないかと彼女の狂気を疑う。出典:楽天TV
監督:オットー・プレミンジャー
出演:ローレンス・オリヴィエ、キャロル・リンレー、ケア・デュリア、ノエル・カワード
『バニー・レークは行方不明』はオットー・プレミンジャー監督の作品で、ローレンス・オリヴィエが出演しています。ちなみにビートルズのメンバーがカメオ出演しています。
『狼の時刻』(1966)
~あらすじ~
北海の小島に暮らす有名な画家のユーハンは、穏やかな妻アルマと静かな日々を送っていたが、昔の愛人ヴェロニカを忘れられず思い悩んでいた。ある日、島の古い館に住む男爵家の晩餐に招待された。ヴェロニカを知る男爵家の人々の奇妙な雰囲気と重々しさに、ユーハンは次第に正気を失っていき、幻覚にとらわれるようになる。夫を愛するアルマもまた悩み苦しむが……。出典:Amazon
監督:イングマール・ベルイマン
出演:マックス・フォン・シドー、リヴ・ウルマン、イングリット・チューリン
『狼の時刻』では、監督のイングマール・ベルイマンが自らの結婚生活の危機を反映させています。また、主演のマックス・フォン・シドーはこの映画でハリウッドに進出しました。
映画『ローズマリーの赤ちゃん』口コミ(見どころ・感想)
映画『ローズマリーの赤ちゃん』口コミ(見どころ・感想)
結末を見たいけど見たくない、恐ろしくて見たくないけど見てしまう・・・(怖)
注意!とにかく怖いです。この映画ほど終始襲われ続ける映画はほとんど無いと言って良いでしょう。ホラーといえば西洋と東洋で感覚の違いがある事で有名ですが、この作品に関しては洋の東西を超越した恐怖映像と言えると思います。
日に日にどんどんどんどん痩せていく妊婦のローズマリーの演技は、それだけでも恐怖をかきたてますが、物語が進むにつれてローズマリーを取り巻く周囲の怖い陰謀が見えてきます。
徐々に精神的に追いつめられていくローズマリーのなんとも孤独な感じは、痛々しくて見ていられないほど恐ろしくなっていきます。
何かに悩まされる人の深層心理を描いたようなこの映画のタッチは必見です。怖いですよ。
とにかく怖くて不安で見ていて背筋が凍りっぱなしです。ハッキリ言って、温かみを感じるシーンがまったくもって無いといって良い程見当たらず、始まりから終わりまで、全てにおいて恐怖映像だった感覚です。
お腹に赤ん坊を授かったローズマリーの妊婦生活を描く、なんともハートウォーミングな作品のようなシナリオですが、ローズマリーを取り巻く旦那や主治医、そして隣人である老夫婦なんかが寄ってたかってローズマリーの世話を焼いたり色んな指示をします。
が、その一つ一つが結末に起こる恐ろしい出来事を暗示するかのようで、結末を見たいけど見たくない、恐ろしくて見たくないけど見てしまう、いわゆる夢中になる作品です。ホラーの金字塔の評価は妥当だと思います。
・・・少しずつ壊れていく
この作品はお腹の中からぞわぞわするような、人間の怖さや心理的恐怖を与えます。何度見ても結末には衝撃を受けますし、描いている視点が一味も二味も違って素晴らしいと思います。
情緒が不安定な妊婦が引き起こす被害妄想かと思いきや・・・少しずつ壊れていくローズマリーに恐怖を感じずにはいられません。
そしてラストにまた想像を超える事実と恐怖が待っています。きっとタイトルの怖さに否が応でも気づくでしょう。
見る度に新しい発見があるため、何度見ても飽きることなく楽しめると思いますし、そこらのホラー映画とはまったく違った視点の怖さを味わうことができると思います。
~感想~
この作品自体には一般的なホラー映画のような心霊的な描写や、グロいシーンがあるわけではありません。
なので、最初はただただ妊婦が少しずつおかしくなっていくだけなのかと思っていました。
ですが、ラストの衝撃が凄まじ!なんです。しかも、衝撃の真実を見せられたそのあとにもまた違う恐怖が待っています。
母は強し、母は偉大、ということなのでしょうか。
見終わったあとは、「今までただの妊婦の妄想だと思っていたのにどこから・・・?」ときっともう一度見返したくなると思います。
もう一度と言わず、何度も見返し、そのたびに新しい発見ができる、こんなに巧に構成されたホラー映画はなかなかないと思います。
映画『ローズマリーの赤ちゃん』評価は?
評価サイト | みんなのシネマ(10点満点) | IMDb (10点満点) | Filmarks (5点満点) | Yahoo!映画 (5点満点) |
点数 | 6.9 | 8.0 | 5.0 | 3.66 |
評価サイトの特徴 | ・映画情報/上映中の映画に! ・評論家コラムや、監督やキャストへのインタビュー記事多い | ・海外オンラインデータベース ・Amazon運営 | ・急成長中! SNSシェア強し ・過去作品、評価も厳しめ!? | ・最初に見る。評価甘めかな!? ・Yahoo!運営 |
※本作品の評価情報は2023年8月27日時点のものです。
映画『ローズマリーの赤ちゃん』まとめ
映画『ローズマリーの赤ちゃん』エンタメのまとめ
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