・『かぐや姫の物語』(2013)は高畑勲監督によるジブリ作品。1959年の企画から数十年越しに実現した本作は、高畑監督の集大成。2018年にに逝去され本作は遺作となった。監督は、最後に「人間が生きることの喜びと悲しみ」をどう定義したのか。
・「一枚絵が動く」革新的なスケッチ描写が特徴的。従来のアニメのように背景とキャラクターを明確に分けるのではなく、アニメーターの描いた「線」の勢いをそのまま生かす技法がとられている。背景も動画に近いタッチで描かれ、画面全体が呼吸しているかのような、これまでのアニメの常識を覆す映像体験が味わえる。
・「感情」が爆発する疾走シーンの迫力とは!姫が屋敷を飛び出し、着物を脱ぎ捨てながら夜の山道を駆けるシーンは圧巻。丁寧な作画が崩れ、荒々しい線へと変化していく演出は、かぐや姫の抑制された感情の爆発をリアルに、そして生々しく伝える。
・久石譲氏が高畑監督作品に初参加!宮崎駿作品で知られる久石譲氏が、意外にも高畑監督作品に初参加。高畑監督からの「観客の気持ちを煽らない」という異例のリクエストに対し、状況に寄り添うのではなく、静かに、しかし深く心に刺さる旋律を書き上げている。
・かぐや姫というと・・・。ラスト、月の使者が迎えに来るシーンの美しさと恐ろしさは必見。羽衣を纏えば地球での記憶をすべて忘れてしまうはずなのに、なぜ姫は最後に地球を振り返り、涙を浮かべたのか。その問いは、観る者の死生観を揺さぶる…。
・~初期高畑勲監督作品~:『母をたずねて三千里』(1976)『赤毛のアン』(1979)
・関連作:『火垂るの墓』(1988)『おもひでぽろぽろ』(1991)『平成狸合戦ぽんぽこ』(1994)
映画『かぐや姫の物語』あらすじ・動画
映画『かぐや姫の物語』あらすじ
~あらすじ~
竹林にやって来た翁は、光る不思議な竹に気づき、近づくと小さな女の子が現われた。女の子を連れ帰った翁は、媼とともに自分たちの子として大切に育てる。女の子は捨丸ら村の子どもたちと元気に遊び回り、すくすくと成長。翁は娘を立派な女性に育てようと、都に移り住み、教育することに。そして美しく成長した娘は、かぐや姫と名付けられる。やがて姫の美しさを聞きつけ、5人の求婚者が現われるが…。
出典:TSUTAYA
映画『かぐや姫の物語』予告動画
出典:The Tale Of The Princess Kaguya – Official Trailer
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映画『かぐや姫の物語』基本情報
| 本作(タイトル) | かぐや姫の物語/The Tale of Princess Kaguya |
| 公開年 | 2013年 |
| 上映時間/再生時間 | 2時間17分 |
| 監督 | 高畑勲 |
| キャスト | かぐや姫/女官 ・・・朝倉あき 捨丸・・・高良健吾 翁・・・地井武男 翁(一部代役・特別出演)・・・三宅裕司 媼/語り・・・宮本信子 相模・・・高畑淳子 女童・・・田畑智子 斎部秋田・・・立川志の輔 石作皇子・・・上川隆也 阿部右大臣・・・伊集院光 大伴大納言・・・宇崎竜童 御門・・・中村七之助(二代目) 車持皇子・・・橋爪功 北の方(友情出演)・・・朝丘雪路 炭焼きの老人・・・仲代達矢 |
| 音楽 | 久石譲 主題歌:「いのちの記憶」 二階堂和美 |
| 主な受賞歴 | 第40回ロサンゼルス映画批評家協会賞(2014年)アニメ映画賞 |
| 制作会社/配給元 | スタジオジブリ、日本テレビ、電通、博報堂DYMP、ディズニー、ディーライツ、東宝、KDDI/東宝、 GKIDS |
映画『かぐや姫の物語』原作紹介
原作:「竹取物語」
原案:高畑勲
脚本:高畑勲、坂口理子
映画『かぐや姫の物語』関連作品~初期高畑勲監督作品~
なぜ今、初期の高畑作品を観るべきか
『かぐや姫の物語』の関連作として、初期高畑勲監督作品である、『母をたずねて三千里』(1976)『赤毛のアン』(1979)を紹介します。
『かぐや姫の物語』は、これらの作品で培われた「地上の営みを美しく、時に残酷に描く」という高畑監督の執念が、数十年を経て結晶化したものです。
アンやマルコが流した涙の先に、あのかぐや姫の涙がある。そう考えると、これらの名作がまた違った色で見えてくるはずです。
まとめると、この3作品を並べて観ると、はっきりと見えてくるものがあります。高畑勲は一度も「わかりやすい幸せ」を描いていないのです。
マルコは母に会えるが、旅の苦しさは消えない・・・
アンは居場所を得るが、人生は続いていく・・・
かぐや姫は解放されるが、地上の記憶を失う・・・
どれも完全な救済ではない。
それでも、「生きた時間そのものは尊い」と語り続けているのです。
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『母をたずねて三千里』(1976)
~あらすじ~
アルゼンチンへ出かせぎに行ったまま、連絡のとだえたお母さんをたずねようと、少年マルコはたったひとりでイタリアのジェノバを
旅立ちます。ところが、やっとの思いでたどりついた先にお母さんの姿はありませんでした。
ペッピーノ一座や旅先で出会う人々のあたたかい応援を受け、そしてたがいに助け合いながら、わずかな手がかりをたよりにお母さん
を探しつづけるマルコ……。はたして、マルコはお母さんに会うことができるのでしょうか――?
出典:Amazon
監督:高畑勲
出演:二階堂有希子、川久保潔、松尾佳子
『赤毛のアン』(1979)
~あらすじ~
おしゃべりで空想の世界に心をはばたかせる少女、アン・シャーリー。 ある春の日、カナダ東部のプリンスエドワード島に暮らす老兄妹マシュウとマリラの元にやってきます。農作業の手伝いができる
男の子が欲しかった2人は、最初、このそばかすだらけの赤毛の女の子にとまどいを見せますが、ここにおいて欲しいと強く望む
アンを引き取る決心をします。期待に胸をふくらませ、アンのグリーンゲイブルズでの生活が始まりました。
出典:Amazon
監督:高畑勲
出演 : 北原文枝、山田栄子、 槐柳二
映画『かぐや姫の物語』関連作品
『かぐや姫の物語』の関連作として、『火垂るの墓』(1988)『おもひでぽろぽろ』(1991)『平成狸合戦ぽんぽこ』(1994)を紹介します。同じく、高畑勲監督による作品です。
この3本を『かぐや姫の物語』と並べると、高畑勲が一貫して描いてきたものが見えてきます。
それは「正しく生きても、報われるとは限らない」という現実。
それでも、人は生き、思い出し、笑い、足掻く。高畑作品は希望を与えない代わりに、人生をそのまま差し出してくる。
もし『かぐや姫の物語』の満月のラストに、言葉にできない感情を覚えたなら、この3本は、その感情の正体をさらに深く掘り下げてくれるはずです。
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『火垂るの墓』(1988)
~あらすじ~
昭和20年、神戸は
B29の爆弾が降りそそぎ
あたり一面は焼け野原となった
母を亡くした幼い兄妹、清太と節子
誰の力も借りず
二人だけの生活を始める
つつましくも
笑い声が溢れる生活
夏の夜の蛍は、精一杯生きようとした
二人の命の輝きでもあった
出典:Amazon
監督:高畑勲
出演:辰巳努、白石綾乃、志乃原良子、山口朱美

『おもひでぽろぽろ』(1991)
~あらすじ~
1982年、夏。東京での生活になんとなく物足りなさを感じているタエ子は27歳のOL。彼女は10日間の休暇を取り、姉の結婚で出来た山形の親戚を訪ねて旅立つことにしました。東京生まれ東京育ちのタエ子にとって“田舎”は憧れの場所です。そんな彼女には奇妙な連れがいました。ふとしたきっかけで思い出した小学5年生の頃のワタシがどうしても脳裏から離れないのです。タエ子は思い出と共に山形行きの夜行列車に揺られていきます。
小学5年生。それは女の子が一つの階段を上っていく、さなぎの季節なのかもしれません。そして今、自分にまたさなぎの時期がめぐってきたのだろうかと、タエ子は思いをはせていきます。出典:Amazon
監督:高畑勲
出演:今井美樹、本名陽子、柳葉敏郎、伊藤正博、寺田路恵、山下容莉枝、三野輪有紀
『平成狸合戦ぽんぽこ』(1994)
~あらすじ~
ニュータウンの開発が進む東京郊外の多摩丘陵。昔ながらの平和な暮らしをおびやかされたタヌキたちは、先祖伝来の「化け学」を復興させ、人間たちに戦いを挑むことを決意する。タヌキたちはあの手この手で人間撃退作戦を展開するが、そこはタヌキのすること、なかなか成果が上がらない。そこへ四国からタヌキの三長老が到着し、化け学の粋を凝らした「妖怪大作戦」の発動が宣言された。一生懸命だけどどこか抜けているタヌキたち、彼らが繰り広げる大作戦の顛末は…。出典:Amazon
監督:高畑勲
出演:野々村真、石田ゆり子、三木のり平、清川虹子、泉谷しげる、芦屋雁之助、村田雄浩

映画『かぐや姫の物語』口コミ(見どころ・感想)
映画『かぐや姫の物語』口コミ(見どころ・感想)
「アニメーションは目的ではなく、最高の『手段』である」
誰もが知る日本の昔話を、あえて平成の商業映画として選んだ理由を考えながら観ていた。最初は、これは高畑勲というアニメーターの“矜持”なのではないか、と少し穿った見方をしてしまった。
原作の力に頼らず、映像表現そのもので勝負する――そんな強烈な意志が、採算度外視とも言える制作体制から感じられたからだ。
しかし、観終えてその考えは間違いだったと痛感する。
本作は映像表現の実験である以前に、圧倒的に「物語の映画」だった。
高畑監督は『かぐや姫』という物語を通して、仏教的な人生観――なぜ生まれ、どう生き、なぜ死ぬのか――を真正面から描いている。
「姫の犯した罪と罰」というコピーは、かぐや姫だけでなく、私たち人間すべてに向けられた問いだ。
アニメーションは目的ではなく手段でありながら、その可能性の深さをこれほど雄弁に証明した作品は稀だと思う。
日本アニメ史に確実に刻まれる一本を残してくれたことに、心から感謝したい。
「アニメーションは目的ではなく、最高の『手段』である」
「生きるために生まれてきた」という普遍的なテーマが、劇中の姫だけでなく我々人間全体の宿命として描かれている点に惹かれました。姫が月に連れ戻される絶望的な速さは、親の期待や世間の枠に絡め取られ、自分を見失う現代人の悲劇にも重なります。
興味深かったのは、月の迎えが「阿弥陀来迎図」の形式をとっている点です。かつて過酷な現実を生きた人々にとっての「安穏たる極楽」が、本作では感情を奪う無機質なディストピアとして描かれています。これは現代という恵まれた時代からの批評的な視点かもしれません。また、寝殿造の屋敷の構造や、富士山の火山活動など、平安時代を忠実に再現した細部の作り込みには唸らされました。女童の愛嬌あるキャラクターも、重い物語の中での絶妙な清涼剤となっていましたね。
「余白と色彩が語る、生と死のコントラスト」
冒頭の語りを聞いた瞬間、一気に教科書の中の物語へと引き込まれました。映像には日本美術特有の「余白」があり、にじみや線の強弱が、地上の世界の息遣いを伝えてくれます。
私にとってこの映画は「動と静」の対比の物語でした。泥にまみれ、泣き叫び、疾走する地上のシーンは「生」そのものの躍動感に満ちています。それに対し、月の世界は美しく完璧ですが、どこか感情が死んでいる。白く無機質な月の一行が奏でる軽やかな音楽は、むしろ恐怖すら感じさせるほど空虚で、静まり返っていました。この鮮やかな対比こそが、「傷つき、苦しむことさえも、生きている証であり尊いのだ」というメッセージを、言葉以上に雄弁に物語っていました。
「抑圧される女性の悲劇と、自然の包容力」
期待を大きく上回る、まさに「大人のためのアニメーション」でした。今の時代、利益を優先しない映画がこれほどの熱量で作られたことは、もはや奇跡です。劇中の「13歳で結婚、14歳で出産」という台詞に象徴されるような、女性の個性が抹殺される社会の歪みは、決して過去の話ではありません。
どんなに心が壊れるような悲劇に見舞われても、桜は咲き、四季は巡る。自然の変わらぬ美しさが、時に冷酷で、時に慈悲深く姫を包み込みます。捨丸との再会も、甘い逃避行ではなく、どこか届かない夢のような切なさが漂っていました。月の羽衣で記憶を消し去るという「忘却」の演出は、現代の私たちが抱える孤独や、社会からの離脱を暗示しているようで、胸が締め付けられる思いでした。
「現代を生きる女性たちの『離脱』の物語」
公開当時、友人と感想が食い違って断絶を感じた記憶がありますが、今なら分かります。あの「手書き風」の線を描くのがどれほど困難で、どれほど感情を乗せているか。年齢を重ねるほど、姫が受ける「女の幸せとはこういうものだ」という無言の圧力が、現代の結婚やキャリアの悩みと重なって、恐ろしいほどリアルに響きます。
翁の空回りする愛も、帝の傲慢な独占欲も、今の社会に形を変えて存在しているものです。姫が最後に月に帰ったのは、決して望んだ幸せではなく、男たちが作った檻のような現世からの「離脱」だったのではないでしょうか。ラストに流れる天人たちの陽気な音楽。その空々しさが、かえって彼女の喪失感を際立たせます。高畑監督が描いたのは、古来から続く女性たちの叫びでした。私にとって、人生の節目で何度も観返すであろう大切な一本です。
映画『かぐや姫の物語』評価は?
| 評価サイト | みんなのシネマ(10点満点) | IMDb (10点満点) | Filmarks (5点満点) | Yahoo!映画 (5点満点) |
| 点数 | 7.19 | 8.0 | 3.6 | 4.0 |
| 評価サイトの特徴 | ・映画情報/上映中の映画に! ・評論家コラムや、監督やキャストへのインタビュー記事多い | ・海外オンラインデータベース ・Amazon運営 | ・急成長中! SNSシェア強し ・過去作品、評価も厳しめ!? | ・最初に見る。評価甘めかな!? Yahoo!運営 |
※本作品の配信情報は2025年12月22日時点のものです。
配信が終了している、または見放題/レンタルが終了している可能性がございますので、配信状況については、各動画配信サイト/アプリにてご確認ください。
映画『かぐや姫の物語』まとめ
映画『かぐや姫の物語』エンタメのまとめ
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