・『ダンス・ウィズ・ウルブズ』(1990)は、ケヴィン・コスナー監督兼主演の3時間弱の大作品。
・アメリカの南北戦争時代(1861年~1865年)の最先端の地を舞台に、北軍の中尉とスー族と呼ばれるインディアンとの間で交わされる心の交流を描いた西部劇である。
・関連作:『シェーン』(1953) 『アラビアのロレンス』(1962) 『デルス・ウザーラ』(1975)
映画『ダンス・ウィズ・ウルブズ』あらすじ・動画
映画『ダンス・ウィズ・ウルブズ』あらすじ
~あらすじ~
ケヴィン・コスナーが自ら製作し、監督した野心作。1863年、南北戦争の激戦地。その自殺的行為から英雄となり、殊勲者として勤務地を選ぶ権利を与えられたジョン・ダンバーは、かねてより興味を持っていたダコダにあるセッジウィック砦を望んだ。彼は、愛馬シスコと野性の狼と共に、不思議に満ち足りた日々を送り始める。そんなある日、ふとした事からインディアンたちと交流を深めるようなったダンバーは、やがて、インディアンに育てられた白人女性と恋に落ちる……。出典:Yahoo!映画
映画『ダンス・ウィズ・ウルブズ』予告動画
映画「ダンス・ウィズ・ウルブズ」日本版劇場予告
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映画『ダンス・ウィズ・ウルブズ』監督・キャスト、原作紹介
映画『ダンス・ウィズ・ウルブズ』基本情報
本作(タイトル) | ダンス・ウィズ・ウルブズ/Dances with Wolves |
公開年 | 1990年 |
上映時間/再生時間 | 3時間1分 |
監督 | ケヴィン・コスナー |
キャスト | ジョン・ダンパー/狼と踊る男・・・ケヴィン・コスナー 拳を握って立つ女・・・メアリー・マクドネル 蹴る鳥・・・グレアム・グリーン ティモンズ・・・ロバート・パストレッリ ポニー族の戦士・・・ウェス・ステューディ ファンブロー少将・・・モーリー・チェイキン |
音楽 | ジョン・バリー |
主な受賞歴 | ・第63回アカデミー賞(1991年)作品賞/監督賞/撮影賞/脚色賞/音響賞(録音賞)/作曲賞(歌曲・編曲賞)/編集賞 ・第48回ゴールデングローブ賞(1991年)作品賞(ドラマ部門)/脚本賞/監督賞 ・第15回日本アカデミー賞(1992年)最優秀外国作品賞ほか、多数 |
制作会社/配給元 | ケビン・コスナー、ジェイク・エバーツ/オライオン・ピクチャーズ、 東宝東和 |
映画『ダンス・ウィズ・ウルブズ』原作紹介
原作・脚本:マイケル・ブレイク
マイケル・ブレイクは、2001年に「ダンス・ウィズ・ウルブズ」の続編小説『ホーリー・ロード』(The Holy Road)を出版している。しかし、ケビン・コスナーが出演するかどうかは不明である。
映画『ダンス・ウィズ・ウルブズ』関連作品
関連作として『シェーン』(1953) 『アラビアのロレンス』(1962) 『デルス・ウザーラ』(1975)を取り上げます。
これらの映画は、時代や場所は異なりますが、人間の冒険心や友情、正義感を描いた壮大な歴史ドラマです。また、それぞれの映画には興味深い制作秘話や役者秘話があります。それぞれの映画について詳しく見ていきましょう。
『シェーン』(1953) ・・・『シェーン』は、ジャック・シェイファーの同名小説を原作とした西部劇映画です。流れ者のガンマンであるシェーンが、牧場主と土地を巡って争う入植者たちを助ける物語です。この映画は、西部劇の定番となった「対決」や「去りゆく英雄」などの要素を含んでおり、後の西部劇に多大な影響を与えました。
この映画の制作秘話としては、撮影現場で起こったジョージ・スティーヴンス監督とアラン・ラッド主演の対立が有名です。スティーヴンス監督は細部にこだわる完璧主義者であり、何度も撮り直しを要求したため、ラッドはイライラしてしまいました。また、ラッドは身長が低く体格も細かったため、西部劇のヒーローにふさわしい姿に見せるために工夫が凝らされました。例えば、ラッドはブーツに厚底を入れたり、馬に乗るシーンでは馬を小さく見せるために遠近法を使ったりしました。
『アラビアのロレンス』(1962) ・・・『アラビアのロレンス』は、第一次世界大戦中にアラブ反乱を指導したイギリス人将校T.E.ロレンスの半生を描いた歴史映画です。ロレンスがアラブ人とともにオスマン帝国軍と戦いながら自分自身と向き合っていく姿が壮大なスケールで描かれています。この映画は、美しい砂漠の風景や迫力ある戦闘シーンなどで高く評価されており、アカデミー賞7部門を受賞しました。
この映画の制作秘話としては、撮影にかかった時間や費用の大きさが挙げられます。この映画は、ヨルダンの砂漠地帯ワディ・ラムで撮影されましたが、その場所は名作「アラビアのロレンス」が撮影されたのと同じ場所です。撮影は約2年に及び、費用は当時の金額で1500万ドルにもなりました。また、ピーター・オトゥール主演のロレンスは身長が高く見えますが、実際のロレンスは165cmほどでした。オトゥールはロレンスのコンプレックスを演じるために、背の高い相手と対峙するシーンでは足を開いて低く見せるようにしたと言われています。
『デルス・ウザーラ』(1975)・・・『デルス・ウザーラ』は、日ソ合作で制作された黒澤明監督の映画です。ロシア人探検家ウラジーミル・アルセーニエフがシベリアを探検する際に出会ったナナイ族の猟師デルス・ウザーラとの友情を描いた物語です。この映画は、自然と人間の関係や文化の違いなどを感動的に描いており、アカデミー賞外国語映画賞を受賞しました。
この映画の制作秘話としては、黒澤監督が長年にわたってあたため続けてきた企画であって、黒澤監督は1940年代からアルセーニエフの探検記に興味を持ち、『エゾ探検記』という企画を立てましたが、結局実現しませんでした。1971年にモスクワ映画祭に出席したことがきっかけで当時のソビエトで製作されることになり、約8ヶ月に及んだシベリアロケが行われました。デルス・ウザーラ役のマクシーム・ムンズークはナナイ族ではなくユダヤ系ロシア人でしたが、ナナイ語を覚えて演技をこなしました。
以下の作品のDVDパッケージ「画像」をクリックすると、Amazon・楽天で作品詳細等を確認することができます。
『シェーン』(1953)
~あらすじ~
南北戦争後のアメリカ西部。横暴な牧場主ライカー(エミール・メイヤー)との対立に苦しむ開拓者のジョー(ヴァン・ヘフリン)とその家族の前に、シェーン(アラン・ラッド)と名乗る流れ者が出現する。一家のもとに身を寄せることになったシェーンはジョーの仲間の開拓者たちとも交流を深めていくが、彼らを追い出そうとするライカーの暴力は激化し開拓者の1人が殺されてしまう。やがて、シェーンは単身ライカー一味のもとへ乗り込んでいくが……。出典:Yahoo!映画
監督:ジョージ・スティーブンス
出演:アラン・ラッド、ヴァン・ヘフリン、ジーン・アーサー、ブランドン・デ・ワイルド、ジャック・パランス
『アラビアのロレンス』(1962)
~あらすじ~
1914年、第一次世界大戦が勃発し、アラビアはドイツと結んだトルコ帝国の圧政下にあった。
英国は、ドイツ連合軍の勢力を分散させるため、稀代の天才戦略家ロレンスをアラビアに派遣する。
アラビ王族のファイサル王子の軍事顧問となったロレンスは、ハリト族のリーダー、アリや黄金を探し求めるアウダらとともに、
独自のゲリラ戦法を駆使して反乱軍を指揮し、アラブ国民から砂漠の英雄とうたわれるようになる。
だが次第に自分が軍上層部に利用されていることを知り、アラブ民族もまた、部族間の対立からロレンスを裏切っていく・・・。出典:Amazon
監督:デビッド・リーン
出演:ピーター・オトゥール、アレック・ギネス、オマー・シャリフ、アンソニー・クイン、ジャック・ホーキンス
『デルス・ウザーラ』(1975)
~あらすじ~
1902年、地誌調査のため、コサック兵6名を率いてシベリアのウスリー地方を訪れた探検体調アルセーニエフは、密林の中で自然と共に暮らしている天涯孤独のゴリド人猟師、デルス・ウザーラと出会う。翌日から、デルスは調査隊の案内人として先頭に立ちはじめた。道程の中で、デルスの自然に対する驚くべき知識と、独特な哲学に触れたアレクセーエフは、次第に彼に心惹かれ、深い友情で結ばれていく。5年後、再びこの地を訪れたアルセーニエフは、デルスと再会するが・・・。出典:Amazon
監督:黒澤明
出演:ユーリー・サローミン 、 マクシム・ムンズク 、 シュメークル・チョクモーロフ 、 マキシム・ムンズク 、 シュメイクル・チョクモロフ
映画『ダンス・ウィズ・ウルブズ』口コミ(見どころ・感想)
映画『ダンス・ウィズ・ウルブズ』口コミ(見どころ・感想)
表情豊かなケビンの繊細な演技を余すところなく楽しむことができ、鑑賞後にはファンになってしまう可能性大です。
1990年のケヴィン・コスナー監督、主演の映画です。第63回アカデミー賞の作品賞と監督賞を取りました。
その暮らしぶりを不思議に思った先住民のスー族の人たちは彼と知り合おうとして、ダンバーの方も先住民に育てられた白人女性を偶然助けたことから、先住民たちと関わることになります。
しかし米国の軍隊は彼らを敵視していて、日記を取りに砦に戻ったダンバーを捕らえ、反逆者として扱います。
昔の西部劇ではひたすら野蛮な悪役として取り上げられた先住民ですが、その後、彼らを虐殺した白人入植者たちや軍隊を批判的に描いた映画はあっても、それほど受け入れられず、興行的にも上手くいきませんでした。
本作ではアメリカ陸軍の将校が彼らと暮らし、彼らの価値観などを知っていく内容の映画ですが、当時売れていたケビン・コスナーが監督、主演をして、高い評価を受けて、興行的にも上手くいきました。
全く物の見方や価値観が違う欧米人と先住民ですが、きれいな自然の映像の中で、先住民の物の見方や価値観を解るように表現しています。
時代的に冷戦が終結して、自分の側を守るためならある程度の残虐行為や非人道的な弾圧を黙認するという時代精神が変わってきたころに上映されたことも、ヒットした理由の一部でしょう。
~感想~
『ダンス・ウィズ・ウルブス』は、ケビン・コスナーの魅力がたっぷりです。
ケビン・コスナーのファンの方はもちろん、ケビンの作品を初めて観る方も、表情豊かなケビンの繊細な演技を余すところなく楽しむことができ、鑑賞後にはファンになってしまう可能性大です。
そして、この映画を観ることで、あまり日本ではなじみのない、南北戦争時代のインディアンの暮らしや広大な西部の景色に触れられる、数少ない機会を得ることもできます。
ケビン・コスナーの演技をじっくり鑑賞したいとき、非日常気分を味わいたいなあというとき、そして熱い恋模様に浸りたいとき・・・、長編の『ダンス・ウィズ・ウルブス』を是非じっくり鑑賞されることをおススメします。
『ダンス・ウィズ・ウルブス』は、3時間を超える長編と聞いていましたが、その壮大なスケール感、見たこともないアメリカ西部の景色、インディアンの暮らし、熱い恋愛模様、引き込まれるストーリー、と盛りだくさんで、退屈することなくあっという間に見終わった、という感覚でした。
ケビン・コスナーの光る演技に魅了され、この映画で私はケビンファンになりました。
時代も場所も、日本人としてはあまり触れたことのない南北戦争時代の西部という遠さ・レアさ、英語字幕が付くインディアンの話し言葉などにより、鑑賞後はとても遠くへ旅してきたような非日常感に包まれました。
『ダンス・ウィズ・ウルブス』は、私の中で長く、印象に残る映画のひとつだと断言できます。
映画『ダンス・ウィズ・ウルブズ』評価は?
評価サイト | みんなのシネマ(10点満点) | IMDb (10点満点) | Filmarks (5点満点) | Yahoo!映画 (5点満点) |
点数 | 7.24 | 8.0 | 3.7 | 4.07 |
評価サイトの特徴 | ・映画情報/上映中の映画に! ・評論家コラムや、監督やキャストへのインタビュー記事多い | ・海外オンラインデータベース ・Amazon運営 | ・急成長中! SNSシェア強し ・過去作品、評価も厳しめ!? | ・最初に見る。評価甘めかな!? ・Yahoo!運営 |
※本作品の評価情報は2023年10月28日時点のものです。
映画『ダンス・ウィズ・ウルブズ』まとめ
『ダンス・ウィズ・ウルブズ』は西部劇とはいえ、とても普遍的で大切なことを教えてくれますね。
1990年の映画ですが、当時はビデオでしたが、ひたすら観た記憶があります。
バッファロー狩りのシーンも良いし、足も長い。「ケヴィン・コスナー、カッコいいな!」。これが私の最初の感想でした。
さて、アメリカにおいて、黒人への加害・殺傷事件がニュースになったり、最近ではアジア系に対する差別・暴力化も深刻化しています。
アメリカという大国だからなのか。人種問題、ジェンダー問題、様々な差別、ハラスメント・・・いろいろと出てきていますが、隣国の中国でも然り。
あまり良い方向に進んでいないような気がします。なので、啓蒙活動が行われているのでしょう。
私もかれこれ7,8年前に、外国人や留学生が参加する交流会に参加する機会がありました(なかなか無い機会で、後輩の誘いを受けて参加したのです)。
初めての人達。「どう接していったよいか、正直分からない・・・。」
言葉も通じない、風習も違うのだということは、頭のなかでは理解していました(社会の教科書や教師から教わったことも思い浮かべてみた)。
3時間程度の時間のなかで、会話や飲食をともにしました。カタゴトの日本語だけど、でも一所懸命に話そう、表現しようとしている外国人や留学生たちの光景をこの目で見たのです。今自分も参加しているのです。
日本に滞在してまだ月日が浅い方もいましたが、それでも学校のこと、旅行したことといったことから、自分の住む国の政治情勢や災害のことまで話す人もいて、私なりに興味深々でありました。
互いに通訳してもらって、会話ができることに。私も日本人としてちょっと日本語を教えてあげるような・・・。
感動しました、もっと話していきたいと思いましたね。
相手を理解できないところから始まる。
少しずつ距離を縮めていくというのは大事なことなのだと、改めて知ることができました。
映画『ダンス・ウィズ・ウルブズ』まとめ
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