・『未知への飛行/フェイル・セイフ』(1964)は、シドニー・ルメット監督作品。
・『未知への飛行』の原題は“Fail Safe”(=フェイル・セイフ)。核装備されている爆撃機が、何かの誤りで攻撃目標を爆撃することを防ぐ制御組織のことを言う。
・同年に、米ソ核戦争というテーマをキューブリック監督作『博士の異常な愛情』が劇場公開されている。
・シドニー・ルメット監督作品:『十二人の怒れる男』(1957) 『オリエント急行殺人事件』(1974) 『評決』(1982)
映画『未知への飛行』あらすじ・動画
映画『未知への飛行』あらすじ
~あらすじ~
水爆を搭載したアメリカの爆撃機が、司令部から暗号を受信。
なんとそれは“モスクワ爆撃命令”。しかし、それは機械の故障による間違った指令だったのだ。気づいた時には、
すでに遅く爆撃機編隊を呼び戻す術は、失われていた。合衆国大統領は、核戦争回避のために、恐ろしい提案をするが・・・。
出典:Amazon
映画『未知への飛行』予告動画
Fail Safe (1964) – Trailer
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映画『未知への飛行』監督・キャスト、原作紹介
映画『未知への飛行』基本情報
本作(タイトル) | 未知への飛行/FAIL-SAFE |
公開年 | 1964年 |
上映時間/再生時間 | 1時間41分 |
監督 | シドニー・ルメット |
キャスト | 米国大統領・・・ヘンリー・フォンダ ブラック准将・・・ダン・オハーリヒー グローチェル教授・・・ウォルター・マッソー 通訳バック・・・ラリー・ハグマン ヴォーガン大将・・・フランク・オーヴァートン コリンズ軍曹・・・ドム・デルイーズ フォスター・・・ダナ・エルカー グラディ大佐・・・エド・ビンス カシオ大佐・・・フリッツ・ウィーヴァー |
音楽 | ― |
主な受賞歴 | ― |
制作会社/配給元 | コロンビア ピクチャーズ/コロンビア映画、インターナショナル・プロモーション |
映画『未知への飛行』原作紹介
原作:「フェイルセーフ」 ユージン・バーディック 、ハーヴェイ・ホイラー
脚本:ウォルター・バーンスタイン
映画『未知への飛行』関連作品
米ソ核戦争というテーマをキューブリック監督作『博士の異常な愛情』が、同年(1964年)に劇場公開されています。
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『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』(1964)
監督:スタンリー・キューブリック
出演:ピーター・セラーズ、スタンリー・キューブリック、ジョージ・C・スコット
映画『未知への飛行』関連作品 ~シドニー・ルメット監督作品~
シドニー・ルメット監督の主要な作品である『十二人の怒れる男』(1957)、『オリエント急行殺人事件』(1974)、『評決』(1982)について、それぞれの作品に共通する魅力や制作秘話、役者の秘話、データについて紹介します。
3作品の共通点は、全てが法廷ドラマであることです。『十二人の怒れる男』は、陪審員たちが一人の少年の有罪判決を下すまでの過程を描いた作品です。『オリエント急行殺人事件』は、アガサ・クリスティーの小説を映画化したものであり、列車内で起こった殺人事件を解決するためにベルギー人探偵エルキュール・ポアロが奮闘する様子が描かれています。『評決』は、裁判官が自分自身と向き合う物語であり、裁判官が被告人として裁かれるという異色作です。
制作秘話についてです。『十二人の怒れる男』は、当時20歳だったシドニー・ルメット監督が初めて手掛けた長編映画であり、撮影期間はわずか18日間だったそうです。また、この映画は当初興行的に失敗したものの、後に再評価されるようになりました。『オリエント急行殺人事件』は、豪華なキャスト陣が集結した作品であり、アルバート・フィニー演じるエルキュール・ポアロ役が印象的であったそうです。『評決』は、監督自身が裁判官役を演じたことでも知られており、監督自身が裁判官として裁かれるという異色作であったそうです。
以下の作品のDVDパッケージ「画像」をクリックすると、Amazon・楽天で作品詳細等を確認することができます。
『十二人の怒れる男』(1957)
監督:シドニー・ルメット
出演:ヘンリー・フォンダ、リー・J・コッブ、マーティン・バルサム
『オリエント急行殺人事件』(1974)
~あらすじ・解説~
イスタンブール発のオリエント急行内で殺人事件が発生。偶然、列車に乗り合わせた名探偵ポワロは自慢の推理力を駆使して犯人を追い求めるが……。A・クリスティの原作を、文字通りのオールスター・キャストで映画化したゴージャスなミステリ大作。出典:Amazon
監督:シドニー・ルメット
出演:アルバート・フィニー、ローレン・バコール、イングリッド・バーグマン、ジャクリーン・ビセット、ショーン・コネリー
キャストと演技力: この映画にはアルバート・フィニー、ローレン・バコール、イングリッド・バーグマンなど、豪華なキャストが出演しています。彼らの演技は見事で、キャラクターを生き生きとさせています。
美しい映像: 映画はオリエント急行の車内と風景を美しく捉えており、視覚的にも楽しませてくれます。
複雑なプロットとミステリー: アガサ・クリスティのストーリーは複雑で、観客を驚かせる要素が満載です。事件解決のプロセスは知的な刺激を提供します。
制作秘話: ルメット監督は、実際のオリエント急行を使用して撮影を行い、そのリアリズムを追求しました。また、フィニーが主演に選ばれた際、彼はポワロ役に備えて髭を伸ばし、役作りに取り組みました。
『評決』(1982)
~あらすじ~
本来、弱者のためにあるはずの法律が、強者によって利用され、弱者を追い詰めてゆく……。一体、法とは何なのか、そして正義とは? 演技派として数々の傑作を映画史に刻んできた名優ポール・ニューマンが、法律に、正義に苦悩し、自身の信念と勇気に立ち上がる弁護士を演じた衝撃の問題作。“自身の全てを出し切った”と語るほどの迫真の名演は、全世界で大絶賛を浴びた。出典:Amazon
監督:シドニー・ルメット
出演:ポール・ニューマン、シャーロット・ランプリング、ジャック・ウォーデン、ジェームズ・メイスン、ミロ・オーシャ
政治的テーマ: この映画は冷戦時代のアメリカの政治的雰囲気を背景に、エスピオナージ(スパイ活動)と裁判を描いています。その政治的テーマは、当時の社会的状況を反映しており、深い洞察力を持っています。
キャストと演技力: ポール・ニューマン、シャーロット・ランプリングなど、実力派俳優が出演しており、彼らの演技は高く評価されました。
映画『未知への飛行』口コミ(見どころ・感想)
映画『未知への飛行』口コミ(見どころ・感想)
シドニー・ルメット監督の名作です。
“核戦争の危機”をテーマに取り上げた映画として、スタンリー・キューブリック監督の『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』(1964)と並んで取り上げられる、シドニー・ルメット監督の名作です。
結局、両者は和解し「未知への飛行」は「博士の異常な愛情」に遅れて公開されることになりますが、日本では映画が製作されて18年後の1982年でした…。
映画のテイストはまったく異なりますが、テーマへのアプローチがストレートなだけに「未知への飛行」の緊張感とサスペンスは並大抵のものではありません。
ともに必見の作品です。
~感想~
全面核戦争を何とか回避しようとソ連首相とホットラインで交渉を続ける、アメリカ合衆国大統領を演じたヘンリー・フォンダは、誰もが納得の名演技。
個人的に最もよかったのはタカ派の政治学者を演じたウォルター・マッソーです。
とても政治学者に見えないスマートな身のこなしと、「この機会にソ連叩くべし」とここぞとばかり持論を繰り広げる姿は、鳥肌もののカッコよさです。
また、モスクワを目指す4機の爆撃機の軌跡が巨大なスクリーンに映し出される管制室のセットは、実際のサイズよりも大きく作られており、コンピューターに翻弄される人間の矮小さを嫌でも感じさせてくれます。
モノクロ画面の美しさも特筆もので、生き生きとしたニューヨークの日常の風景をクロスカッティングした映画のラストは、ニューヨークを舞台に映画を作り続けてきたシドニー・ルメットならではのカットと言えるでしょう。
映画『未知への飛行』評価は?
評価サイト | みんなのシネマ(10点満点) | IMDb (10点満点) | Filmarks (5点満点) | Yahoo!映画 (5点満点) |
点数 | 8.08 | 8.0 | 4.0 | 4.34 |
評価サイトの特徴 | ・映画情報/上映中の映画に! ・評論家コラムや、監督やキャストへのインタビュー記事多い | ・海外オンラインデータベース ・Amazon運営 | ・急成長中! SNSシェア強し ・過去作品、評価も厳しめ!? | ・最初に見る。評価甘めかな!? ・Yahoo!運営 |
※本作品の評価情報は2023年9月14日時点のものです。
映画『未知への飛行』まとめ
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