・『イレイザーヘッド』(1977)は、デヴィッド・リンチが一人で脚本・編集・美術・特殊効果・製作そして監督を務めたモノクロ映画。
・イレイザーヘッド(Eraserhead)は、モジャモジャ頭の髪型の男ヘンリー・スペンサーの象徴、鉛筆に付いている消しゴムを指す。
・『イレイザーヘッド』は当初は酷評にさらされた。が、深夜上映(レイトショー)から不気味のインパクト化に成功。「ミッドナイト・カルト」と呼ばれ、カルトムービーとして注目されていった。
・『イレイザーヘッド』は、2004年にアメリカ国立フィルム登録簿に選定・登録され、アメリカ議会図書館に保存されている。
・デヴィッド・リンチ監督作品: 『ツイン・ピークス』(1990〜1991・TV) 『エレファント・マン』(1980)
・関連作: 『狼の時刻』(1966) 『アリス』(1988)『Begotten』(1990) 『ロスト・ハイウェイ』(1997)
映画『イレイザーヘッド』あらすじ・動画
映画『イレイザーヘッド』あらすじ
~解説・あらすじ~
「エレファント・マン」の大ヒットによって、ようやく日本でも劇場公開されたリンチの長編デビュー作。消しゴム頭の髪型をした主人公ヘンリーは、女友達メアリー・Xから妊娠した事を告げられる。やむなく結婚を決意するヘンリーだが、生まれてきたのはヒナ鳥のような奇怪な赤ん坊だった。狭いアパートで、赤ん坊の悲鳴にもにた鳴き声が響く中、ノイローゼに耐えかねたメアリーは実家に戻り、ひとり残されたヘンリーは赤ん坊の世話をすることになる……。出典:TSUTAYA DISCAS
映画『イレイザーヘッド』予告動画
映画「イレイザーヘッド」日本版劇場予告
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映画『イレイザーヘッド』監督・キャスト、原作紹介
映画『イレイザーヘッド』基本情報
本作(タイトル) | イレイザーヘッド/Eraserhead |
公開年 | 1977年 |
上映時間/再生時間 | 1時間29分 |
監督 | デヴィッド・リンチ |
キャスト | ヘンリー・スペンサー・・・ジャック・ナンス メアリー・エックス・・・シャーロット・スチュアート ミスター・エックス・・・アレン・ジョゼフ ミセス・エックス・・・ジーン・ベイツ アパートに住む女・・・ジュディス・アンナ・ロバーツ ラジエーターの中の少女・・・ローレル・ニア 惑星の男/窓際の男・・・ジャック・フィスク 少女・・・ジェニファー・チェンバース・リンチ |
音楽 | デヴィッド・リンチ、ファッツ・ウォーラー、ピーター・アイヴァース |
主な受賞歴 | ― |
制作会社/配給元 | デヴィッド・リンチ/東映、コムストック・グループ、アルバトロス |
映画『イレイザーヘッド』原作紹介
脚本:デヴィッド・リンチ
映画『イレイザーヘッド』関連作品 ~デヴィッド・リンチ監督作品~
デヴィッド・リンチ監督の2つの名作、『ツイン・ピークス』(1990〜1991・TV)と『エレファント・マン』(1980)を取り上げます。いくつかの共通点と制作秘話がありますので、紹介します。
不思議なアプローチ: どちらの作品もデヴィッド・リンチの独特なアプローチを反映しており、不可解な出来事や心理的要素が強調されています。これにより、私たちは物語に没頭し、独自の解釈を追求します。
心理的要素: 両作品は主人公の内面や心の葛藤に焦点を当てており、キャラクターの複雑な心情を掘り下げています。これはリンチの作品における重要な要素であり、私たちに深い感銘を与えます。
アートデザイン: デヴィッド・リンチの映画は独特の視覚的スタイルで知られており、『ツイン・ピークス』と『エレファント・マン』も例外ではありません。映画のビジュアル要素は、不気味な雰囲気や視覚的な衝撃を強調し、作品の魅力を高めています。
音楽の重要性: 両作品は音楽にも注意を払っており、音楽が物語やキャラクターに深みを与えています。音楽は感情や雰囲気を強調し、視聴者の心に響きます。
制作秘話: 『ツイン・ピークス』はテレビシリーズとして一世を風靡し、謎解きブームを巻き起こしました。『エレファント・マン』は実在の人物ジョン・メリックに基づいており、特殊メイクアップと演技によって驚異的なリアリズムを実現しました。
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『ツイン・ピークス』(1990〜1991・TV)
~あらすじ~
アメリカ、ワシントン州のカナダ国境に近い田舎町ツイン・ピークスで、女子高生ローラ・パーマーの死体が発見される。
FBIのクーパー捜査官が地元のトルーマン保安官らとともに事件を追ううちに、町の闇が次々と暴かれていく。
そしてクーパーは、赤いカーテンに覆われた部屋の夢を見るようになる・・・。出典:Amazon
監督:デイヴィッド・リンチ
出演:カイル・マクラクラン、マイケル・オントキーン、ハリー・ゴアス、キミー・ロバートソン、マイケル・ホース
『ツイン・ピークス』は、アメリカで放送されたテレビドラマであり、全30話からなるシーズン1と2が制作されました。同作品は、アメリカだけでなく世界中で大きな話題を呼び、多くのファンを獲得しました。また、同作品は2017年にシーズン3が制作されるなど、今でも多くの人々に愛され続けています。
『エレファント・マン』(1980)
監督:デヴィッド・リンチ
出演:ジョン・ハート、アンソニー・ホプキンス、アン・バンクロフト、フレディ・ジョーンズ
・第34回英国アカデミー賞(1980年)作品賞
・第7回セザール賞(1982年)外国映画賞
『エレファント・マン』は、実在したジョセフ・メリックという男性の半生を描いた作品であり、アカデミー賞において8部門にノミネートされました。リンチ監督にとって初めてのメジャーな映画作品であり、彼の代表作の一つとして高い評価を受けています。
映画『イレイザーヘッド』関連作品
関連作として、『狼の時刻』(1966)、『アリス』(1988)、『Begotten』(1990)、『ロスト・ハイウェイ』(1997) を取り上げます。いくつかの共通点や興味深い制作秘話がありますので、紹介します。
実験的なアプローチ: 伝統的な映画の形式に挑戦し、実験的なアプローチを取っています。映像、音楽、ストーリーテリングの面で新たな可能性を追求し、観客を驚かせます。
映像美学の探求: どの映画も独自の映像美学を持っており、映像を駆使して感情やメッセージを伝えます。特に『Begotten』は、その映像美学が印象的で、視覚的に衝撃的な作品として知られています。
音楽の役割: 音楽を効果的に活用しており、物語の雰囲気や感情を補完しています。音楽は観客の感情に深い共鳴を呼び起こし、映画の印象を強化します。
精神的・哲学的要素:深い精神的や哲学的要素を含んでおり、観客に考えさせる要素を提供しています。これらの映画は単なるエンターテインメントを超え、芸術としての側面を追求しています。
制作秘話: 『Begotten』は特にその制作秘話が注目されており、監督エ・エリアス・メリアが非常に限られた予算とリソースで映画を制作したことが話題となっています。その結果、独自の映像美学を追求しました。
カルト的な人気: これらの映画はカルト的なファンベースを持っており、一部の映画愛好家にとっては欠かせない作品となっています。その非伝統的なアプローチや独自性が、カルト的な魅力となっています。
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『狼の時刻』(1966)
~あらすじ~
北海の小島に暮らす有名な画家のユーハンは、穏やかな妻アルマと静かな日々を送っていたが、昔の愛人ヴェロニカを忘れられず思い悩んでいた。ある日、島の古い館に住む男爵家の晩餐に招待された。ヴェロニカを知る男爵家の人々の奇妙な雰囲気と重々しさに、ユーハンは次第に正気を失っていき、幻覚にとらわれるようになる。夫を愛するアルマもまた悩み苦しむが……。出典:Amazon
監督:イングマール・ベルイマン
出演:マックス・フォン・シドー、リヴ・ウルマン、イングリット・チューリン
『狼の時刻』は、イングマール・ベルイマン監督によるスウェーデン映画であり、人間の内面を描いた傑作です。
『アリス』(1988)
監督:ヤン・シュヴァンクマイエル
出演:クリスティーナ・コホウトヴァー、ヤン・シュヴァンクマイエル、ルイス・キャロル
『アリス』は、チェコ出身の監督ヤン・シュヴァンクマイエルによるチェコ映画であり、ルイス・キャロルの小説『不思議の国のアリス』をモチーフにした独特な世界観が特徴的です。
『Begotten』(1990)
Begottenは、E・エリアス・マーヒッジによって書かれ、制作され、編集され、監督された1989年のアメリカの実験的ホラー映画。
監督:E・エリアス・マーヒッジ
出演:ライアン・サルスバーグ、ドナ・デンプシー、スティーブン・チャールズ・バリー
『Begotten』は、E・E・カミングズやフランツ・カフカなどの文学作品からインスピレーションを得たエドマンド・エントン監督によるアメリカ映画であり、超現実的な映像表現が特徴的です。
『ロスト・ハイウェイ』(1997)
~あらすじ~
妻レネエと平凡な生活を送る、サックス奏者のフレッド。ところがある日、ディック・ロランドは死んだ、と誰かがインターフォンで謎のメッセージを告げた。やがて一本のビデオ・テープが届く。そこには、妻をバラバラに切り刻む彼の姿が写っていた……。出典:TSUTAYA DISCAS
監督:デイヴィッド・リンチ
出演:ビル・プルマン、パトリシア・アークエット
『ロスト・ハイウェイ』は、デヴィッド・リンチ監督によるアメリカ映画であり、人間が入れ替わるというストーリーが描かれています。リンチ監督独特の映像表現や音楽による独特の雰囲気が特徴的であり、多くのファンを獲得しました。
映画『イレイザーヘッド』口コミ(見どころ・感想)
映画『イレイザーヘッド』口コミ(見どころ・感想)
この作品を語る上で欠かせないのは、登場する異形の生物や人物の気色悪さでしょう。
アメリカの人気ドラマ『ツインピークス』も手がけた映画カルト界の鬼才、デイヴィット・リンチ監督の作品です。それも長編映画処女作というのが驚きです。
特にこの作品を語る上で欠かせないのは、登場する異形の生物や人物の気色悪さでしょう。
幻想の中で踊りや歌を披露する白髪で頬がパンパンに膨らんだ女性や、彼が世話をすることとなる馬のような人外で奇形な胎児など、その姿を見るだけで思わず目を逸らせてしまうようなキャラクタープロダクションは、しばらく脳裏から離れず、恐怖の余韻を体感することができます。
そしてこの作品が制作されたのは1976年。
「この時代に自然に動く異形の胎児をどうやって撮影することができたのだろう?」と考え始めると、また違った恐怖を感じられるかもしれません。
そしてこの恐怖を音響やカメラワークでさらに増幅させてくるこの映画はまさに名作と言えるでしょう。
グロテスク・ホラーな表現が苦手な方には進んで推奨できない代物ではありますが、映像体験としては鑑賞すべき作品と言えるでしょう。
~感想~
後の映画監督たちに多くの影響を与え、名作だと言える映画であるのは確かですが、正直に抱いた最初の感想としては、「よく分からない」と「気味が悪い」でした。
まず、この話自体、主人公の現実と区別しにくい幻想を中心に物語が進むので、「なんで?」「誰?」「どういうこと?」という疑問が常に頭の中にありました。
そしてこれから見る方に注意してほしいのは、非常にグロテスクであるということです。
容易にトラウマになりえますし、私自身この映画のシーンを思い出すと身震いしてしまいます。
有名なカルト映画ということもあり、万人受けしないのは自明でしょう。
しかしホラー・スリラー作品を愛する方にとっては見逃せない作品であることは感じることができました。
好き嫌いを抜きにして、映像体験としては最高の時間を過ごすことができたと思います。
ストーリーを楽しむというより、その悪夢のような世界観を感じるための映画と言ってもよいと思います。
『エレファントマン』で有名な、異才デイヴィッド・リンチ監督のデビュー作であり、一言では言い表せないほどの不気味でシュールな内容の作品です。
またストーリーも一応ありますが、ストーリーを楽しむというより、その悪夢のような世界観を感じるための映画と言ってもよいと思います。
『エレファントマン』のような感動する要素は一切ないので、あまり深く考えすぎないで観ることをお勧めします。
~感想~
はっきり言って観てすぐにストーリーが分かる人はあまりいないと思います。
それくらい、その状況になったことの説明がほとんどないので、一回観るだけだと何が何だか分からないで終わってしまったといった感じになります。
とにかくモノクロの映像が生み出す何とも言えないグロテスクで、不気味な世界がひたすら続きます。
異形の赤ん坊は、赤ん坊と言うより胎児のようであり、見方にとよっては地球外生物のようにも見えます。
しかし、主人公のヘンリーは最初のうちは、その赤ん坊を懸命介抱していきますが、少しずづ気持ちが変化していきます。
そして、何故そうなったのかという説明がほとんどないので、ただでさえ良くわかない展開なのに、突然何の脈絡もなしに、頬にこぶのような出来物がある歌手の女性が出てきたり、ラストに異形の姿をした男性が現れたりして、背筋がゾクッとして観ていて混乱しました。
ある意味ユーモアのセンスを感じる部分あるかもしれません、ただ、そのようなよく分からない異形の者の存在も、もしかしたら、後の「エレファントマン」に繋がる要素になったのかと思うとちょっと興味深かったです。
映画『イレイザーヘッド』評価は?
評価サイト | みんなのシネマ(10点満点) | IMDb (10点満点) | Filmarks (5点満点) | Yahoo!映画 (5点満点) |
点数 | 6.4 | 7.3 | 3.6 | 3.4 |
評価サイトの特徴 | ・映画情報/上映中の映画に! ・評論家コラムや、監督やキャストへのインタビュー記事多い | ・海外オンラインデータベース ・Amazon運営 | ・急成長中! SNSシェア強し ・過去作品、評価も厳しめ!? | ・最初に見る。評価甘めかな!? ・Yahoo!運営 |
※本作品の評価情報は2023年9月11日時点のものです。
映画『イレイザーヘッド』まとめ
映画『イレイザーヘッド』エンタメのまとめ
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