・『グレート・ビューティー/追憶のローマ』(2013)は、イタリア・フランス映画で、パオロ・ソレンティーノ監督による。
・『グレート・ビューティー/追憶のローマ』は、第66回カンヌ国際映画祭で初上映され、パルム・ドールを争った。また、第38回トロント国際映画祭でも上映された。
・『グレート・ビューティー/追憶のローマ』は、第86回アカデミー賞(2014年)国際長編映画賞(外国語映画賞)/外国語映画賞の受賞を果たした。『ライフ・イズ・ビューティフル』(1997)以来、イタリア映画としては15年ぶりの受賞となった。
・フェデリコ・フェリーニ監督作品:『甘い生活』(1959)『8 1/2』(1963)『フェリーニのローマ』(1972)『フェリーニのアマルコルド』(1974)
映画『グレート・ビューティー/追憶のローマ』あらすじ・動画
映画『グレート・ビューティー/追憶のローマ』あらすじ
~あらすじ~
ジャーナリストのジェップは俳優、アーティスト、実業家、貴族、モデルなどが集うローマの華やかなセレブコミュニティの中でも、ちょっとした有名人だ。彼は初老に差し掛かった今でも、毎夜、華やかなレセプションやパーティーを渡り歩く日々を過ごしていたが、内心では仲間たちの空虚な乱痴気騒ぎに飽き飽きしているのだった。そんなある日、彼の元に忘れられない初恋の女性の訃報が届き、これをきっかけに長い間中断していた作家活動を再開しようと決意する。
出典:Amazon
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映画『グレート・ビューティー/追憶のローマ』監督・キャスト、原作紹介
映画『グレート・ビューティー/追憶のローマ』基本情報
本作(タイトル) | グレート・ビューティー 追憶のローマ/La grande bellezza The Great Beauty |
公開年 | 2013年 |
上映時間/再生時間 | 2時間22分 |
監督 | パオロ・ソレンティーノ |
キャスト | ジェップ・ガンバルデッラ・・・トニ・セルヴィッロ ロマーノ・・・カルロ・ヴェルドーネ ラモーナ・・・サブリナ・フェリッリ レロ・カヴァ・・・カルロ・ブチロッソ ダディーナ・・・ジョヴァンナ・ヴィニョーラ トゥルモウ・・・イアイア・フォルテ ヴィオラ・・・パメラ・ヴィロレッジ ステファニア・・・ガラテア・ランツィ コロンナ伯爵・・・フランコ・グラツィオージ コロンナ伯爵夫人・・・ソーニャ・ゲスナー ステファノ・・・ジョルジョ・パソッティ シスター・マリア・・・ジュジ・メルリ アンドレア・・・ルカ・マリネッリ アルフィオ・ブラッコ・・・マッシモ・ポポリツィオ ロレーナ・・・セレナ・グランディ ロン・スウィート・・・イヴァン・フラネク ベルッチ枢機卿・・・ロベルト・ヘルリッカ オリエッタ・・・イザベラ・フェラーリ ファニー・アルダン・・・本人 アントネッロ・ヴェンディッティ・・・本人 |
音楽 | ルカ・ビガッツィ |
主な受賞歴 | ・第86回アカデミー賞(2014年)国際長編映画賞(外国語映画賞)/外国語映画賞 ・第71回ゴールデングローブ賞(2014年)外国語映画賞 ・第67回英国アカデミー賞(2013年)外国語映画賞 ・第26回ヨーロッパ映画賞(2013年)作品賞 |
制作会社/配給元 | インディーズ、メデューサ=ワルナー、バーニング・ドミニアン/ワーナー・ブラザース映画 |
映画『グレート・ビューティー/追憶のローマ』原作紹介
原案:パオロ・ソレンティーノ
脚本:パオロ・ソレンティーノ、ウンベルト・コンタレッロ
映画『グレート・ビューティー/追憶のローマ』関連作品 ~フェデリコ・フェリーニ監督作品~
『グレート・ビューティー/追憶のローマ』を観た方には、フェデリコ・フェリーニ監督の作品を思い浮かべる方が多いようです。
フェデリコ・フェリーニ監督の映画制作アプローチは、「イタリアン・ネオリアリズム」と「サレリオ」と称される彼独自の映像世界を組み合わせることで知られています。彼の作品は、深淵な人間心理の描写とサーカスのような壮大な演出が特徴です。
フェリーニの映画には、『甘い生活』(1959年)、『8 1/2』(1963年)、『フェリーニのローマ』(1972年)および『フェリーニのアマルコルド』(1974年)といった彼のキャリアを代表する作品群があります。
彼の作品を通して、イタリア社会の様々な複雑性や、成熟した大人のロマンス、人生の意味を模索する旅などが洗練された形で表現されています。
フェリーニ映画の魅力の一つが、映画作りに対する彼の情熱的な姿勢です。彼は観客に現実以上のものを感じさせ、映画を見ることで人生が豊かになるという体験を提供しようとしました。また、フェリーニは彼の映画において、自己の内面を投影し、自伝的な要素を織り交ぜることで、観客自身の経験に照らし合わせることができる作品を生み出しています。
加えて、フェリーニの映画は、優れた映画作りのために必要な諸要素、すなわち優れた脚本、魅力的なキャラクター造形、緻密な構成、革新性などを有していることで高く評価されているのです。彼のセットデザインの大胆さや衣装デザインの独創性は、今日でも多くの映画制作者やデザイナーに影響を与えています。
『甘い生活』から『フェリーニのアマルコルド』に至るまで、フェリーニは個性的な登場人物や、彼ならではの鮮やかなビジュアルを創り上げる才能を披露しています。彼の作品は、文化的な背景や時代を超えた普遍性を持っており、映画史における独自の位置を確立しています。
フェリーニ作品は、権威を持ち、専門性が高く、そして何より信頼性を築き上げる作品として多くの映画賞に輝きました。これは、映画制作だけでなく、映画にかける情熱、イタリア映画界への貢献、そして映画芸術への伝説的な遺産として見ることができます。
このように、フェリーニの映画における空間と時間の扱い、ユーモアと悲劇の微妙なバランス、それまでの映画の伝統に対する挑戦など、数々の特徴を挙げることができます。そのため、彼の映画は独特の映像世界の構築者として、映画愛好家が一度は鑑賞すべき作品として高い位置を占めています。
以下、『甘い生活』(1959)『8 1/2』(1963)『フェリーニのローマ』(1972)『フェリーニのアマルコルド』(1974)の制作秘話や役者秘話なども交えて紹介していきます。
共通点ですが、フェリーニ監督の自伝的要素が強く反映されていることです。
『甘い生活』では、主人公のジャーナリストはフェリーニ監督自身の姿を投影しています。また、『8 1/2』では、映画監督の主人公が自分の過去や夢や幻想を描きます。これは、フェリーニ監督が自分の創作危機を乗り越えるために作った映画です。さらに、『フェリーニのローマ』では、フェリーニ監督がローマで過ごした青春時代や現代のローマの姿を描きます。そして、『フェリーニのアマルコルド』では、フェリーニ監督が生まれ育った田舎町の思い出や人々を描きます。これらの映画は、フェリーニ監督の人生や感性を垣間見ることができる作品です。
次に、制作秘話としては、フェリーニ監督が独自の手法や技術を用いている、という点です。
『甘い生活』では、有名なトレビの泉でのシーンは実際に泉で撮影したものではなく、スタジオで再現したものです。『8 1/2』では、主人公が空中に浮かぶシーンはワイヤーで吊るしたものではなく、クレーンで持ち上げたものです。『フェリーニのローマ』では、古代ローマの地下道で発見された壁画は実際に発見されたものではなく、フェリーニ監督が想像したものです。そして、『フェリーニのアマルコルド』では、田舎町の風景は実際にある町ではなく、スタジオで作ったセットです。これらの映画は、フェリーニ監督が現実と幻想を混ぜ合わせた作品です。
最後に、役者秘話です。
『甘い生活』は、当時のイタリア社会を風刺した内容や、性的な描写が問題視され、教会や政府から批判を受けました。しかし、その反面、観客や批評家からは絶賛され、パルム・ドールやオスカーなどの賞を受賞しました。特に有名なシーンは、トレヴィの泉でマルチェロとアニタ・エクバーグが入浴する場面ですが、このシーンは真冬の深夜に撮影されたため、エクバーグは風邪をひき、マストロヤンニはウォッカで暖をとったと言われています。
次に、『8 1/2』ですが、フェリーニ自身の体験や夢をもとにしており、彼の半生を反映した作品と言えます。この映画もまた、批評家や観客から高く評価され、オスカーを2つ受賞しました。また、この映画のタイトルは、フェリーニがこれまでに撮った長編映画が7本であることから、「8本目の半分」という意味でつけられました。
最後に『フェリーニのローマ』は、ローマの歴史や文化だけでなく、売春街や地下鉄建設現場などの裏側も紹介されます。また、この映画では、ピーター・ゴンザレスやブリッタ・バーンズなどの新人俳優が起用されましたが、彼らはフェリーニによって街中でスカウトされたというエピソードがあります。
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『甘い生活』(1959)
~あらすじ~
作家志望でローマにやってきたマルチェロ。しかし今ではゴシップを追い、行き当たりばったりに女を口説いている。貴族とブルジョワの世界に彩られるローマの夜、絶世の美女たちに囲まれハメをはずして遊ぶ夢の日々。無軌道な饗宴が夜を徹してくりひろげられ、その場限りの快楽とアバンチュールに身をすり減らしていく。宴の後の清らかな朝。しかし今日もまたマルチェロは“甘い生活”へと戻っていく…。
出典:TSUTAYA DISCAS
監督:フェデリコ・フェリーニ
出演:マルチェロ・マストロヤンニ、アニタ・エクバーグ、アヌーク・エーメ、イヴォンヌ・フュルー
・第34回アカデミー賞(1962年)衣装デザイン賞
『8 1/2』(1963)
~あらすじ~
「人生はお祭りだ、一緒にすごそう」
温泉地に逗留している43歳の映画監督グイド(マルチェロ・マストロヤンニ)。
この地で新作の撮影を控えているのだが、冷え切った妻との関係……公私ともども悩みの多い彼の脳裏には幼少時の記憶やまだ見ぬ夢の美少女の幻影が現れては消える。
巨大な宇宙船発射台の屋外セットを前に、ストレスが頂点に達したグイドは……。イタリアの誇る世界的巨匠フェデリコ・フェリーニ最大の野心作にして最高傑作。
出典:TSUTAYA DISCAS
監督:フェデリコ・フェリーニ
出演:マルチェロ・マストロヤンニ、アヌーク・エーメ、サンドラ・ミーロ
・第36回アカデミー賞(1964年)国際長編映画賞(外国語映画賞)/衣装デザイン賞
『フェリーニのローマ』(1972)
~あらすじ~
巨匠が永遠の都ローマに初めて出たのは’38年。教科書で学んだのとは違う猥雑な、誘惑に満ちた都会だった。そして30数年を経て、愛すべきローマへの映像オマージュを編んだのがこの作品。交通ラッシュのハイウェイが雨に濡れ、夕陽を浴びる。そんな場面すらセットで撮ってしまうフェリーニの志向が端的に表れるのは、地下鉄工事で発見された古代壁画が一瞬の風に消し去られてしまう、皮肉の効いた描写だろうか。絢爛たる幻想の都市論。
出典:TSUTAYA DISCAS
監督:フェデリコ・フェリーニ
出演:ピーター・ゴンザレス、ブリッタ・バーンズ
『フェリーニのアマルコルド』(1974)
~あらすじ~
1930年代の北部イタリアでは、豪華客船レックス号が話題をさらったり、ファシズムによる厳しい制圧があったりと、騒々しい状況が続いていた。町の年上の女性に恋する15歳の少年チッタは、季節が変わるごとに彼女への想いを募らせている。ある時、思い切って映画館でアプローチを試みるが、彼女にはまったく相手にされない。それどころかタバコ屋の太ったおばさんに弄ばれてしまう。
出典:Amazon
監督:フェデリコ・フェリーニ
出演:ブルーノ・ザニン、マガリ・ノエル、プペッラ・マッジオ
・第47回アカデミー賞(1975年)国際長編映画賞(外国語映画賞)
・第40回ニューヨーク映画批評家協会賞(1974年)作品賞/監督賞
映画『グレート・ビューティー/追憶のローマ』口コミ(見どころ・感想)
映画『グレート・ビューティー/追憶のローマ』口コミ(見どころ・感想)
この物語は、作家として成功を収め、何冊ものベストセラーを出版し、現在でも活躍する主人公の65歳の生活を描いています。
彼は夜な夜な遊び歩き、社交界でも名を馳せています。
物語は、彼が盛大な誕生日パーティーを開催した場面から始まります。
ローマの著名人や美男美女たちが集まり、盛り上がります。
ところが、その中で、主人公の表情が一変し、疲れたような表情を浮かべる瞬間があります。
その時、彼は初恋の人が亡くなったという知らせを受け取ります。
彼女が残した日記帳を読むと、長年にわたり彼への深い愛が綴られていたことを知ります。
彼はたった一作品のヒット作で生き延びてきましたが、「ローマ」という巨大都市の美しい大理石の芸術品として築かれた町に住んでいることについても考え込みます。
美しいが故に新しいものを受け入れる余地がないこの空間の中で、彼は「どのように生きていくべきか」迷います。
過去の思い出や初恋の思い出と共に、主人公は「人生」を再定義し、どのように生きるべきかを決めるのか悩むのです。
アメリカ映画のような明確な結論は示されません。
代わりに、この映画は私たちに様々な思考や感情を引き起こします。
ゆえに、人生経験が豊かな人々には共感や反発が生じ、愛されるでしょう。
年齢を重ねてから再度鑑賞すると、メッセージが異なる可能性もありますね。
この映画はわかりづらいかもしれませんが、今見ておくことで、10年後に再度見た際に多くのことが伝わるでしょう。
映画『グレート・ビューティー/追憶のローマ』には、感情の解消や深い思考を促すわけではなく、はっきりしたストーリーもありません。
しかし、この映画は精神的に迷い込むシニア男性を描いたものです。
万人に受け入れられるわけではありませんが、同じような年齢や状況に身を置いている人々や、映画に造詣の深い人々には魅力的な作品でしょう。
音楽、映像、ストーリー、美学、エロティシズム、グロテスクさ、奇妙さ、イタリア映画の要素が全て詰まった作品と言えます。
非現実的な場面と物語のジャンプがあり、理解しづらい箇所もあるが、全体の雰囲気はフェリーニの『8 1/2』に似ているように感じました。
私自身も50歳くらいであり、主人公と共通する立場にいるかもしれません。
主人公と同じように、内面は非常に深く、これが良いのか悪いのかさえわかりません。
初恋の女性やシスターは、主人公に人生への希望や芸術的なインスピレーションを与えているように見えますが、おそらくそれらも単なる「トリック」であり、すぐに曖昧になってしまうのでしょう。
昔、小説家として大成功し、名声と富を築いたジェップは、親しい友人たちと享楽的な生活を楽しんでいます。
しかし、彼の表情から時折悲しみを感じることができます。
映画は1人の観光客の死で始まり、その後も死が頻繁に登場します。
彼も例外ではありません。
どんなに華やかに振る舞っていても、死は遠くにはないし、彼は人生の虚しさを感じています。
それを埋めるために、彼は街を彷徨い、観察しています。
いつも彼は遠くを見つめています。
そのような中、かつての彼の恋人であるエリーゼの死が伝えられます。
思いもよらない訃報に彼は涙し、同時に彼女の幻の姿が現れて心の空虚を埋めるという絶望的な光を見つけます。
彼は寝室の天井をスクリーンにし、キネトスコープ(1人専用の映画)を作り出します。
過去の記憶がそこに映し出され、彼は感傷的に浸ります。
しかし、彼が友人の娘であるラモーナを連れてくると、それはすぐに消えてしまいます。
彼は他人と心の中のものを共有することができません。
天井にはただの平らで真っ白な天井があります。
ただ1人で映画を観ていても心は満たされません。それが素晴らしい作品なら尚更です。
(実際、私もこの作品を見終わって、すぐにこれを書いています。)
彼は1人専用の映画館から出て、再び人生を見つめ直し、過去への旅に出ます。
しかし、ここでスクリーンの役割を果たすのは天井ではありません。
「私に河岸はいらない。それはただのトリックだ」
画面にはジェップの前にエリーゼが現れます。
ジェップは内心で考えをまとめると、目をしっかりと開きます。この瞬間、彼の顔のクローズアップと彼女のクローズアップがつながります。
そして、彼女はカメラ、つまり観客である私を見つめています。
これにより、私たちはジェップと同じ目線でエリーゼを見ることができるのではないでしょうか。
ジェップはキネマトグラフからシネマトグラフ(現代の映画)の観客へと変化したのです。
彼は「現実と過去」「生と死」を人々と共有し、静かに受け入れているのです。
この映画もまた、ただのトリックの1つであり、スクリーンに映し出された影にすぎません。
しかし、ジェップもそう悟ったように、この世界は楽しいことばかりではなく、むしろその逆なのだと。
だがそのどちらをも含めたものが人生なのだろうと。
この映画は、人生のネガティブな要素に正面から向き合いながらも、受け入れているのです。
映画そのものが、その身体を通して表現しているのです。
「これは映画であり、現実ではありません」と。
「ジェップの過去の初恋により、彼の人生は制約され、今でも彼は前へ進むことができません。」
ジェップはなぜ本を書けないのか、なぜ下品なパーティーに参加しているのか、なぜ60歳を超えても結婚せずに女性を交換し続けるのか。
すべては、彼の初恋が原因なのです。
ジェップは若いころに人生の喜怒哀楽をすべて経験してしまいました。今では彼の人生はただの空っぽであり、生ける屍となっています。
そして彼はそれを受け入れるだけの強さを持っていません。
だからこそ、彼は自分自身を「堕落させた人生」を演じ、本当の自分を押し殺しているのです。
彼は大げさな言葉で自己防衛しています。
しかし、いくら彼がそれを追いやろうとしても、あの時の自分がまだ彼の中に顔を出しているのは、それが偽りではなく、本当の人生を望んでいるからです。
そんな「彼の一部」は、壮大な美を追求し、ローマを巡るのです。彼は「何か自分にとって価値のあるもの」「生きるべき理由」を探し始める決意をしました。
様々な一般の人と出会う中で、ジェップは100歳を超えて生き続けるシスターと出会いました。
彼女は草の根だけで生きているらしい・・・。
そして、彼女だけがジェップの心の奥深く、つまり若かりし頃の思い出を肯定してくれるのです。
人は必ず死を迎えるものです。
その中にはもちろん生がありますが、その喧騒の中に人生の美しさは隠されてしまいます。
しかし、その生にまつわる混沌こそが人の最も美しいものであり、自分自身を形作っているのです。
彼にとって価値のあるものはローマという都市ではなく、最初から自分の中にありました。
よって、彼が再び筆を執ったかどうかは重要ではありません。
全てを受け入れて生きること以上に、大切なことはありません。
『グレート・ビューティー/追憶のローマ』の長い作品は、ゆるやかにエピソードを積み重ねた構成になっているため、観疲れたら休憩を取り、また観ることができます。
途中で休憩したくなるかもしれませんが、飽きることはありませんので、最後までじっくりと楽しむことができました。
この作品を観ると、ローマの光と陰、朝と夜の風景を長時間味わうことができます。
(まったく異なるジャンルですが)まるで夏目漱石の『夢十夜』をゆっくりと読んでいるような感覚です。
観光客には分からない、お金持ちの大人たちのローマをじっくりと見せてくれる主人公のおじさん。
60代でも70代でも、楽しむことのできる大人ですが、内面は空虚です。
(このような人たちは、年齢に関係なく、中二病的な心を抱えているのかもしれません!?)
サンタマリアのエピソードは、どれもじわりと感動させられます。特に夜明けの美しいコロッセオの風景は、大画面で観たい壮観さです。
邦題『グレート・ビューティー/追憶のローマ』と何となくが安っぽい印象を受けますが、イタリア映画『La grande bellezza』という原題にふさわしい、深みのある作品です。
『グランド・ビューティー~』は、若者向けではありませんが、年齢を重ねた映画好きにとっては魅力的な作品です。
私自身が若かりし頃、クラブで遊ぶのはとても楽しかったです(笑)。
”今”現在の若者たちは踊りまくって楽しんでいるでしょうかね!?
私も学生時代にキャバクラでアルバイトをしていましたが、それはお金を稼ぐためでした。
代理店のお得意様に「夜の仕事だってやり甲斐ある愉しい生業だよ」と言われたこともありましたが、確かにその通りですが、私は客なので(笑)。
言いたいのは、若くても享楽と現実の線引きはできるものですので、若い人たちがこの作品を観ても共感しづらいのかなと思います。
ある実体験を通して、老いについての主題が描かれた作品です。
『グレート・ビューティー/追憶のローマ』は、自分自身を振り返り、人生を見つめ直すきっかけを与えてくれる優れたものです。
作品を評価する上でのマイナスポイントとしては、主人公がカッコよくないとか、可愛げがないと感じる点があります。
また、セレブな孤独が魅力的に映らないという意見もあります。
予告編や解説などでフェリーニの名前がよく出ていたため、映画を見る前にはどのようなものか気になっていましたが、実際に見てみると、フェリーニの映画を見た時のような圧倒的な充足感を感じました。
これこそがまさに映画と言えるものです。
私は『甘い生活』よりも『8 1/2』の世界に近いものを感じました。
イタリアの描写も退廃的で儚さを持っており、美しさと歴史を兼ね備えています。
ただし、この映画は現代のイタリア映画であり、既製音楽がモダンに使用されている点も素晴らしいです。
脂っこさは一切なく、逆に美しいローマを存分に楽しむことができます。
主人公が考え事にふけっているシーンが多いため、より内省的な雰囲気を漂わせています。
しかし、まず最初に取り組むのが難しいと感じる人もいますし、ストーリーが単純で理解しにくいと感じる人もいます。
また、鑑賞中に微妙な長さや退屈を感じることもあります(これは個人の感じ方によるかもしれません)。
ただし、終わった後には良い映画を見たという満足感があり、再び見たくなる魅力も感じられます。
『グレート・ビューティー/追憶のローマ』は、ローマの美しさを舞台に、ジャーナリストのジェップがセレブや有名人に囲まれる日々を送っている物語です。
しかし、彼の人生は初恋の女性の死をきっかけに大きく変わっていくことになります。
物語は、ジェップがパーティーの中で忘れられない初恋の女性の思い出と向き合い始めるところから始まります。
彼は美しいローマの景色の中で、回想や出会った人々との対話を通じて、自分自身と向き合うことを迫られるのです。
この映画は、ジェップの物語を通じて、ローマの豊かな文化と個々の人間の複雑な感情を描いています。
ジェップが足を運ぶパーティーやイベントは、上品でありながら下品さも感じられ、彼の対話パートナーたちも独特の個性を持っています。
また、映像の美しさもこの映画の特徴です。
シスターが膝で階段を歩くシーンやローマの美しい風景など、目に焼き付くような映像が随所に登場します。
この映画は、第86回アカデミー賞で外国語映画賞を受賞しました。
監督のパオロ・ソレンティーノはイタリアの名匠であり、彼の演出やストーリーテリングは評価されています。
鑑賞後には、感情がこみ上げてくることもあるかもしれません。
時には言葉にできないまま、感動とともに涙があふれることもあるでしょう。
この映画は、一度観ただけでは満足できなくても、年齢を重ねた時に再び観たくなるような作品だと思います。
もし、この映画が気になるのであれば、ぜひ観てみることをおすすめします。
ただし、冒頭にセリーヌの小説『夜の果てへの旅』の一節が出てくるため、好みを試すいい機会ともいえます。
ローマの美しさと個々の感情の描写に心を打たれることでしょう。
ローマの美と哲学に溢れた映画を堪能する
まず、この映画はローマの街並みの美しさに圧倒されました。
冒頭のパーティーシーンは狂乱しているように見えますが、実はローマの美しさに酔いしれている様子なのです。
建物や広場の映像美がとにかく素晴らしく、コロッセオやナヴォーナ広場などの映像は息を呑むほどの美しさです。
映画史上でも最も美しいローマを描いた作品と言っても過言ではありません。
また、会話の中には人生の哲学的な要素が含まれており、正直に言うと私はついていけませんでした。
ただ、カメラワークや映像技術は非常に優れており、ローマの風景を映し出す手法が見事でした。
映像を感覚的に楽しむことができる作品で、私はその美しさにただただうっとりしてしまいました。
この映画は人生経験を積んでからまた改めて観たいと思う作品です。
パオロ・ソレンティーノ監督作品で、私にとっては初めての鑑賞でした。
冒頭のセリーヌの『夜の果てへの旅』の一節から始まりますが、これはフランソワ・オゾンの『危険なプロット』にも登場した呪われた作家セリーヌの自伝的小説です。
巧妙な使われ方だったと思います。
主人公のジェップ・ガンバルデッラは65歳の作家で、高級スーツを着て夜な夜なパーティに繰り出すことが多いです。
彼は醸し出す色気がプンプン漂い、絵になる悪オジとも言える存在です。
彼の高級アパートからはコロッセオが見える素晴らしいロケーションです。
映像美と音楽の融合にはため息が出るほどで、ずっと見ていたいと思わせる魅力があります。
表面上はセレブリティのように振る舞うジェップですが、実は内に虚無感を抱えています。
一方で、彼は冷静な作家の魂を持ち、人の本質を鋭く見抜くことができます。
ただ、自分自身が俗物であることを自覚しており、芸術家たちに対して辛辣な言葉を投げかけることもあります。
彼の複雑な内面が映画を通して描かれています。
「穏やかな記憶の呼び覚まし~ 65歳の男性がローマの街で彷徨う~」
この作品は、主人公が初恋の相手の死をきっかけに、彼の心の奥底に眠っていた静かで穏やかな記憶を呼び覚ますという物語です。
舞台は美しいローマの街で、彼は65歳のオジさんです。
彼が彷徨う中、大きなクマのぬいぐるみやキリン、鳥の大群、抽象画を描く少女、そして104歳の修道女といった突飛なシーンが日常の中に忽然と現れます。
このようなシーンは、洗練されたフェリーニの作品を思い起こさせるものです。
作品の中で、彼は好きな作家の名前を出して会話をし、哲学的な議論も多く行います。
そのため、ちょっぴり大人な作品と言えるでしょう。
また、何年か後に再び観たときには、感じ方も変わるかもしれません。
作品の中で、ブルトンという作家の名前が出てきます。
そういえば、私は以前からアンドレ・ブルトンの作品「ナジャ」を読んでみたいと思っていました。
そして驚いたことに、大好きな女優のひとり、ファニー・アルダンが一瞬、本人役で出演していて嬉しかったです。
エンドロールでは、河沿いの風景が長時間写し出され、まるで絵葉書のような美しさが伝わってきます。
この作品は、シャトー マルゴー(Margaux)という美味しいワインと一緒に観るのがおすすめです。
ぜひ一度見てみてください。
映画『グレート・ビューティー/追憶のローマ』評価は?
評価サイト | みんなのシネマ(10点満点) | IMDb (10点満点) | Filmarks (5点満点) | Yahoo!映画 (5点満点) |
点数 | 6.0 | 7.7 | 3.6 | 3.2 |
評価サイトの特徴 | ・映画情報/上映中の映画に! ・評論家コラムや、監督やキャストへのインタビュー記事多い | ・海外オンラインデータベース ・Amazon運営 | ・急成長中! SNSシェア強し ・過去作品、評価も厳しめ!? | ・最初に見る。評価甘めかな!? v・Yahoo!運営 |
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