・『アルジェの戦い』(1966)は、イタリア・アルジェリア合作の戦争歴史映画で、北アフリカにある「アルジェリア」のフランスからの独立までのアルジェリア戦争を描写している。
・『アルジェの戦い』は第27回ヴェネチア国際映画祭(1966年)で金獅子賞(最優秀作品賞)を受賞した。
・関連作: 『裁かるゝジャンヌ』(1928) 『無防備都市』(1945) 『灰とダイヤモンド』(1957) 『炎628』(1985) 『ビルマVJ 消された革命』(2008) 『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』(2016)
映画『アルジェの戦い』あらすじ・動画
画『アルジェの戦い』あらすじ
~あらすじ・解説~
50年代初頭のフランス統治下のアルジェリア。カスバのチンピラだったアリは、カデルが指揮する地下組織の独立運動に身を投じる。しかし、事態を憂慮したフランス政府は、57年に対テロ組織専門のマチュー将軍を派遣、徹底した抗ゲリラ作戦が展開する。やがて、組織の指導者となっていたアリも次第に追い詰められていき…。アルジェリアのフランスからの独立戦争を迫真の映像で描いた作品。出典:Amazon「Oricon」データベースより
映画『アルジェの戦い』予告動画
アルジェの戦い【デジタル・リマスター】予告編
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映画『アルジェの戦い』監督・キャスト、原作紹介
映画『アルジェの戦い』基本情報
本作(タイトル) | アルジェの戦い/The Battle of Algiers(La Battaglia Di Algeri) |
公開年 | 1965年 |
上映時間/再生時間 | 2時間2分 |
監督 | ジッロ・ポンテコルヴォ |
キャスト | ブラヒム・ハギアグ ジャン・マルタン ヤセフ・サーディ トマソ・ネリ ファウジア・エル・カデル ミシェル・ケルバシュ |
音楽 | エンニオ・モリコーネ、ジロ・ポンテコルヴォ、マルチェロ・ガッティ |
主な受賞歴 | ・第27回ヴェネチア国際映画祭(1966年)金獅子賞(最優秀作品賞) |
制作会社/配給元 | アントニオ・ムーズ/松竹映配 |
映画『アルジェの戦い』原作紹介
脚本:フランコ・ソリナス、ジッロ・ポンテコルヴォ
映画『アルジェの戦い』関連作品
関連作として、 『裁かるゝジャンヌ』(1928) 『無防備都市』(1945) 『灰とダイヤモンド』(1957) 『炎628』(1985) 『ビルマVJ 消された革命』(2008) 『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』(2016)を取り上げます。
これらの映画はどれも戦争や抑圧に苦しむ人々の姿を描いたドキュメンタリー調の作品です。しかし、それぞれが異なる視点や手法で真実に迫ろうとしています。それら共通する点や制作秘話、役者秘話、データーなどを紹介します。
『裁かるゝジャンヌ』はデンマークのカール・Th・ドライヤー監督がフランスで製作したサイレント映画です。 ジャンヌ・ダルクの異端審問と火刑までを実際の裁判記録に基づいて描きました。
主演のルネ・ファルコネッティはこの映画が初出演でしたが、その後も映画に出ることはありませんでした。 彼女は極端な顔のクローズアップと会話字幕でジャンヌの苦しみや信仰を表現しました。 ドライヤーは彼女にノーメイクで演じさせ、髪を剃らせました。 また、撮影は脚本の順番通りに行われ、俳優たちは実際に台詞を喋りました。
この映画はオリジナルネガが火事で消失し、その後に再編集した第2版も火事で消失するなど不運に見舞われましたが、1981年にノルウェーの病院でオリジナルフィルムが発見されました。
『無防備都市』はイタリアのロベルト・ロッセリーニ監督がローマ解放直後に製作したネオレアリズモの傑作です。 ドイツ軍占領下のローマでレジスタンスとナチスとの闘いを描きました。 出演者はプロの俳優と素人が混在し、撮影は実際のローマの街で行われました。
主演のアンナ・マニャーニはこの映画で国際的な名声を得ましたが、彼女は撮影中に流産していました。 そのため、彼女がトラックに乗せられるフランチェスコを追いかけて撃たれるシーンでは、実際に倒れてしまいました。 ロッセリーニはそのままカメラを回し続け、そのシーンを映画に使いました。
『灰とダイヤモンド』はポーランドのアンジェイ・ワイダ監督が第二次世界大戦後のポーランドを舞台にした作品です。 ナチスから解放されたものの共産主義者と反共産主義者との対立が激化する中、反共産主義者の暗殺者マチェクが共産主義者の指導者を殺す任務を受けます。 しかし、彼は任務を遂行する前にバーで出会った女性クリスティナと恋に落ちます。
主演のズビグニエフ・チブルスキーはこの映画でポーランド版ジェームズ・ディーンと呼ばれるようになりましたが、1967年に自動車事故で亡くなりました。 彼はこの映画で着用したサングラスをトレードマークとしていましたが、それは彼が目を悪くしていたためです。
『炎628』は、第二次世界大戦中にドイツ軍によって虐殺されたベラルーシの村々を舞台にした衝撃的な映画です。監督のエレム・クリモフは自らも戦争の体験者であり、この作品を「自分の人生で最も重要なもの」と語っています。
主人公の少年フローリャを演じたアレクセイ・クラフチェンコは当時14歳であり、撮影中にさまざまな苦難に耐えました。例えば、本物の死体や動物の死骸と一緒に撮影したり、火薬や爆発物を使った危険なシーンに挑んだりしました。この映画は1985年のモスクワ国際映画祭で最優秀作品賞を受賞しましたが、その衝撃的な描写から一部の国では上映禁止や規制がかけられました。
『ビルマVJ 消された革命』は、2007年にミャンマーで起こった反政府デモを報道するために命がけで潜入したビデオジャーナリストたちの姿を描くドキュメンタリーです。
監督のアンダース・オステルガルドは、ビルマの一般市民が小型ハンディカムで撮影した映像を再構築し、ひとつの物語をつむぎ出しました。彼は自らもビルマに入国しようとしたが、ビザが発給されなかったため、タイからの通信で映像を受け取ったのです。この映画は2008年のサンダンス映画祭やベルリン国際映画祭など多数の映画祭で上映されたほか、第82回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされました。
最後に『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』は、第二次世界大戦中にナチス親衛隊の大物幹部ラインハルト・ハイドリヒを暗殺したエンスラポイド作戦を描いた映画です。監督のショーン・エリスは、この作品を「自分の夢のプロジェクト」として15年間温めていたといいます。彼は自ら脚本を書き、撮影も担当したほか、製作費の一部を自ら出資した。
主演のキリアン・マーフィーとジェイミー・ドーナンは、役作りのためにチェコ語を学んだり、実際に暗殺者たちが隠れた教会を訪れたりしていました。この映画は、連合国側が成功させた唯一のナチス幹部暗殺という史実を忠実に再現しており、その残酷な報復や犠牲者たちにも敬意を払っている。
これらの映画は、戦争や抑圧に直面した人々の勇気や苦悩を見事に描き出しています。それぞれが異なる時代や地域の出来事を取り上げているが、その背景には人間の尊厳や自由を求める普遍的なテーマがあります。
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『裁かるゝジャンヌ』(1928)
~あらすじ~
フランスの王位継承と領土をめぐる百年戦争においてオルレアンの地を解放に導いたジャンヌ。ダルク。
1431年、戦いの中で捕えられた彼女は、イングランドに引き渡され、異端審問を受けることになる。
司教たちの悪意に満ちた尋問に追いつめられるが、彼女は信仰心を捨てず火刑に処せられてしまう。出典:Amazon
監督:カール・Th・ドライヤー
出演:ルネ・ファルコネッティ、ウジェーヌ・シルヴァン、モーリス・シュッツ、ルイ・ラヴェ、アンドレ・ベルレイ
『無防備都市』(1945)
~あらすじ~
1942年、ローマ。
レジスタンスの指導者マンフレーディは、
資金調達のためローマにやってくるがゲシュタポに追われ、
恋人との結婚を控えた同志フランチェスコの家への身をひそめる。
そこで神父のドン・ピエトロに仲間との連絡を頼む。
しかしフランチェスコの結婚式の当日、ナチが踏み込んでくる。
マンフレーディはナチの追跡をかわし逃れたが、フランチェスコは捕らえられ、
彼の恋人射殺されてしまう。出典:Amazon
監督:ロベルト・ロッセリーニ
出演:アルド・ファブリーツィ、アンナ・マニャーニ、マルチェロ・パリエロ、フランチェスコ・グランジャケット、ヴィート・アンニキアリコ
・第1回カンヌ国際映画祭(1946年)パルム・ドール
『灰とダイヤモンド』(1957)
~あらすじ~
1945年5月。
ドイツ軍降伏後のポーランドが、ソ連の支援する労働党に統治されるのを、ロンドン亡命政府は阻止しようとしていた。
ロンドンの指令を受けた青年マチェクは、地区委員長暗殺を実行するが、誤って別人を殺害してしまう…。出典:Amazon
監督:アンジェイ・ワイダ
出演:ズビグニエフ・チブルスキー、エヴァ・クジジェフスカ、バクラフ・サストルジンスキー
・1959年ヴェネツィア国際映画祭:批評家連盟賞
『炎628』(1985)
監督:エレム・クリモフ
出演:アレクセイ・クラフチェンコ、オリガ・ミローノワ、リュボミラス・ラウツァヴィチュス、ウラダス・バグドナス
『ビルマVJ 消された革命』(2008)
~解説~
苛烈な情報統制によって外国人ジャーナリストの入国が制限されているビルマ。拷問や投獄のリスクを顧みず情報を発信し続けるビデオ・ジャーナリスト“VJ”が撮影した映像素材を再構成し、ビルマの現状を明らかにしたドキュメンタリー。出典:TSUTAYA DISCAS
監督 : アンダース・オステルガルド
『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』(2016)
~あらすじ~
第2次世界大戦下、ナチスの実力者ラインハルト・ハイドリヒは、“金髪の野獣”と恐れられていた。彼の暗殺を企てたイギリス政府とチェコスロバキア亡命政府の指令を受け、ヨゼフ(キリアン・マーフィ)やヤン(ジェイミー・ドーナン)ら7人の暗殺部隊がチェコ領内に潜入する。現地のレジスタンスの協力を得て襲撃計画は実行されるが、ナチスは壮絶な報復に乗り出し……。出典:Yahoo!映画
監督:ショーン・エリス
出演:キリアン・マーフィー、ジェイミー・ドーナン
映画『アルジェの戦い』口コミ(見どころ・感想)
映画『アルジェの戦い』口コミ(見どころ・感想)
米国の映画監督スタンリー・キューブリックもこの映画を賞賛しています。
『アルジェの戦い』は1966年に製作されたイタリア・アルジェリア合作の戦争歴史映画で、共同脚本と監督がジロ・ポンテコルヴォ、出演はジャン・マルティンとサーディ・ヤチェフ。
舞台になるのはアルジェリアの首都アルジェでの叛乱蜂起です。
映像はまさにイタリアネオリアリズモの巨匠ロベルト・ロセリーニが得意とするニュース記録映画風の画面となっています。
モノクロで、映画のところどころにドキュメンタリーを思わせる文字が挿入されて、歴史的な真実感を醸し出しています。もちろん、筋書きはフィクションではあるのですが。
~感想~
本作の監督であるポンテコルヴォは登場するフランス政府軍と叛乱ゲリラを美化して描きたいという誘惑に抗しているのが観て取れます。
監督はFLN(叛乱軍)とフランス政府軍の両方が行った攻撃の苛酷さを描き出しているのです。
『アルジェの戦い』は偉大な作品なのですが、とても冷笑的で、とても真実を射抜いており、しかもとても心が折れるような体験を強いられる映画です。
本作で取り上げられているのはアルジェリア戦争ですが、アルジェリアに関心を持たない者にとっては別な戦争の代わりになります。
すなわち『アルジェの戦い』は普遍性を持った作品であり、戦争の実相を余すところなく克明に描き出しているのです。
米国の映画監督スタンリー・キューブリックもこの映画を賞賛しています。
「すべての映画は、ある意味で、偽造のドキュメンタリーだ。できる限り現実にアプローチしようと試みるが、どこまで行っても現実ではない。わたしを完璧に魅惑してだまくらかせてしまうことをするきわめて賢明な奴がいる。たとえば、『アルジェの戦い』の監督だ。」
映画『アルジェの戦い』評価は?
評価サイト | みんなのシネマ(10点満点) | IMDb (10点満点) | Filmarks (5点満点) | Yahoo!映画 (5点満点) |
点数 | 8.06 | 8.1 | 4.1 | 4.3 |
評価サイトの特徴 | ・映画情報/上映中の映画に! ・評論家コラムや、監督やキャストへのインタビュー記事多い | ・海外オンラインデータベース ・Amazon運営 | ・急成長中! SNSシェア強し ・過去作品、評価も厳しめ!? | ・最初に見る。評価甘めかな!? ・Yahoo!運営 |
※本作品の評価情報は2023年10月23日時点のものです。
映画『アルジェの戦い』まとめ
映画『アルジェの戦い』エンタメのまとめ
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