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自由奔放な青年が重度の自閉症の兄と出会って心を開き、忘れていた愛情を取り戻して行く過程を描いた心暖まる感動のロード・ムービー。

高級外車のディーラーをしているチャーリーの元に自分を勘当した父の訃報が届く。遺産目当てに故郷に戻った彼だったが遺産の300万ドルは見た事もない自閉症の兄、レイモンドの手に渡る事を聞かされる。

なんとか金を物にしようとチャーリーは施設にいるレイモンドを誘拐まがいに連れ出し、ロスに戻ろうとするのだったが……。

出演:
レイモンド(ダスティン・ホフマン)
チャーリー(トム・クルーズ)
スザンナ(ヴァレリア・ゴリノ)

監督:バリー・レヴィンソン

出典Yahoo!映画

 

映画『レインマン』のあらすじについて、ネタバレしない程度にまとめました。
また、関連作品として邦画、洋画も紹介しています。

 

映画『レインマン』のあらすじ~前半~

 

16歳にして家出後、自転車操業状態が続く外車並行輸入業者の社長をしている弟・チャーリー。
父が亡くなり、遺産目当てを機に、兄・レイモンドの存在を知ることになります。

レイモンドは施設で暮らし、遺産の相続人にはなったものの、自閉症・サヴァン症候群のため、お金の観念が無くて遺産管理はできず、父は生存中、レイモンドのために相続後見人を選んでいました。

 

チャーリーは、何せ経営の先行きが怪しく資金繰りが苦しい。父からの遺産で穴埋めしようと思いつき、
遺産相続争いを起こしてしまうのです。

遺産相続めぐる「骨肉の争い」はこんなにも醜いものです、どこの国でも。

 

ここからが、チャーリーと長い間会っていなかったレイモンドの7日間の旅のきっかけとなります。

一緒に旅をするだけの、長いのか短いのか。7日間の「ロードムービー」です。

 

旅のなかで、ただひたすら、兄弟の2人が心を通わせる様子を透徹して描いているのが分かると思います。

 

兄・レイモンド役のダスティン・ホフマンの役作りといい、演技は、誰もが褒め称えているのは納得です。

(演劇そしてボランティアや教育実習、福祉職に就いていた私ですら、言葉が出ません。)

 

でも、兄とは対になる弟・チャーリー役、若き日頃のトム・クルーズの存在感も大きいと思います。

20代と若く、ありがちな世俗にまみれた軽薄な男。今風で言うと、経営者気取りで身勝手なチャラ男といったところでしょうか。

 

サヴァン症候群を患っているレイモンドは、何ら欲に惑わされずに、かたくなに自分の生きざまを貫ぬくだけ。それは傍から周りから、発する言葉や行動は、分かりにくいし、理解されにくいのです。

 

これは例えると「表と裏」「光と影「正義と不義」「光と影」みたいなものです。どれも対になるものであり、必ずこの世の中に存在するもの。

 

『レインマン』では「兄と弟」「障害者と健常者」「個と社会」「冷たさと温かさ」を同時に描いているわけで、キャスティング対照的に設定されているからこそ、生きているのだと思うわけです。

 

映画『レインマン』のあらすじ~半ば①~

 

7日間の旅は始まっていて、もうハラハラする出来事があっても良いんじゃないの?って、湧き出てくるかもしれませんね。

1980年代のアメリカを映し、広大なアメリカ東西に走る「ルート66」の旅路の中で起きる出来事。「ロードムービー」であるほかは、何もないことに気づきます。

 

チャーリーはレイモンドの言動にいろいろと四苦八苦します。

若く、経営者気取りで身勝手な性格もあるので、自分の思う通りにいきません。(←あっ、リチャードの苦労!?をあなたも感じないと、最後の大事なシーンまでに、見失うかもしれませんよ。)

 

「ルート66」の旅路で

 

「ルート66」の旅路を軽く触れておきましょうか。

・全米最長の旧国道であるルート66(Route 66)。
『レインマン』の「ロードムービー」展開上ではもっとも重要!ルート66は、1926年に国道に指定されたのですが、州間高速道路の発達でその役目を終え、1985年には廃線になってしまいました。『レインマン』だけでなく、映画や小説、音楽などに数多く登場する国道で知られており、「マザー・ロード」と呼ばれています。 

・ウェイトレスが落としたつまようじの本数を言い当てるシーンは、ポンピリオンス・レストラン(Pompilios restaurant)で。

 

・モーテルのシーン。雨の日、レイモンドは外出しない。モーテルのなかでの数少ない回想シーンに重大な意味が隠されている。

 

・カジノのシーン。ラスベガスにあるシーザーズ・パレス (Caesars Palace)にて。ダンスを踊るシーンもここ。実は、ラスベガスという地は、ルート66からは逸れている。レイモンドの言動を見ていたリチャードの起案で、カジノに寄り道していったわけだ。

 

・最後のシーンになる駅舎は、メトロ(地下鉄)のユニオン・ステーション(Union Station)。外観・内部も美しく、今でも観光名所に。

 

って感じです。

 

作中ではチャーリーのほかに、彼女・スザンナも交えている場面もあります。なかなか障害者である兄・レイモンドを理解している、寄り添うような人っていないです。

カジノでのエレベーターの中での、キスシーンは素敵だなあと思います。

 

ロードムービーだけあって、旅で出会う登場人物は圧倒的に少ないので、2人の兄弟の心や行動に"変化"が生まれでていることに、あなたは気づくでしょう(きっと、そう演出したに違いないと思っています)。

 

私たちの観る側の立場からすると、おそらくチャーリーの立場で、"変化"を感じ取っていくだろうと思います(私もそうでしたから)。

 

なぜなら、自閉症・サヴァン症候群というのが、どのようなものであるか分らないです。理解しようと頭では分っているけど、どうしたらよいか分らないのです。チャーリーと同じように類似体験するしかないからですね。

 

類似体験とはいえ、はじめて観る方なら、なおさら困惑するかもしれません。

 

映画『レインマン』のあらすじ~半ば②~

 

「子供のころ、何か怖くなるとレインマンがやって来て、歌を歌ってくれた・・・。」

「 ・・・レインマン・・・」

 

あなたには子どもさんがいますか。
これから子どもが欲しい人がいるかもしれませんね。

 

小さな子どもが、ままごとや人形遊びでもしていないのに、見えないけれど誰かとしゃべっている場面に遭遇したことはありませんか?

 

「イマジナリーフレンド」と呼ばれるもので、直訳すれば「空想の友達(想像上の友達)」と呼ばれているものです。

 

この「イマジナリーフレンド」という現象は、成長過程において大切なもので、幼い子どもであれば起こりうるもの。誰にでも起こりうるものだそうです。

年齢でいうと一般的には2~4歳位からはじまり、8歳位までには消滅していくと言われています。また一人っ子や女児の第一子に多いとされています。

 

「イマジナリーフレンド」で不思議なのは、それは霊だとか、多重人格とかといったものではなく、「空想の友達」とのなかで意識、記憶をしたり、会話をし、「空想の友達」は人間に限らず、妖精や動物などにまで及ぶと言う点なのです。

 

このシーンは、チャーリーの遥か昔、遠い記憶に残されていた「歌」から、レインマンが誰であるかに気づいたという、とても大事なところですね。

そしてなぜ、レイモンドは施設に行くことになったのかも。

 

(<答え>はここにあります。じっくりと観て欲しいところです。)

 


 

弟・チャーリーにある心の中。

幼少期からそして家を出るまでの間に、父に対しては何ひとつ良い思い出がありません。嫉妬ばかり。どこかで
足りなくなっていた家族愛に飢えていたのでしょう。

レインマンが誰であるかに気づいたときから、意思疎通の危うさや苛立ちはあるものの、兄のために、数えれない位のことを目にしたり、聞いてあげたり、説明をしてあげました。

 

・車を運転させる
・兄のデートを邪魔しない
・デートのために、ダンスを教える
・兄と一緒に過ごしてみたいと願う

 

と言ったように・・・。

 

自分の行っている行い。

「僕には兄貴がいたんだ。死んだ父、そして兄貴を置き去りにしてしまった過去がある。でも、今ここに血の繋がっている兄貴がいるんだ!」

 

チャーリーは、きっとそんな思いでいたと思うのです。

 

兄がいること、人間関係を作っていくことへの喜び、しかしその難しさというものを、チャーリーなりに自分の中で問われて続けていくことになります。

 

一方の兄・レイモンドも、わずかながら”変化”しています。
私たちの観る側からすれば、目には見えない、気づくことができない、わずかな”変化”なのかもしれません。

「レイモンド、感じていたのかな」とか「意識していたのかな」というふうに。

 

・カジノのシーンでは、「あれは僕の弟だ」と
・これまで施設の介護士にしか「メイン・マン(僕の親友)」と言っていたのに、最後にはリチャードにも認めたこと

 

リチャード、レイモンドと血の繋がっている兄弟だからこそ、お互いとが自然と感化されて、”変化”が起きたのに違いありません。

 

映画『レインマン』のあらすじ~後半~

 

7日間という旅を終えて、兄弟や精神科医等を交えての聴聞会が開かれます。

チャーリーの口から「お金はどうでもいい」のだ。(経営者だろ、本当か!私ながら驚きました。本当にそうなのか!)

 

精神科医の「このあと、どうしたいか」との質問に対し、レイモンドは言います。

「チャーリーと暮らしたいし、病院でも暮らしたい」と。

でも、その後で困っているレイモンドの姿を見たチャーリー。
現実をみると・・・。兄と暮らせないのだと、自ら身を引くことを決めるわけです。

 

で、このシーン。

Charlie: I like having you for my big brother.
チャーリー: 「兄貴ができてよかったよ」
Raymond: C-H-A-R-L-I-E. C-H-A-R-L-I-E. Main man.
レイモンド:「C-H-A-R-L-I-E、C-H-A-R-L-I-E、僕のメイン・マン(=僕の親友)」

 

人に体を触られるのを嫌っていたレイモンドだったのに、チャーリーが自分の額をすり寄せるのをレイモンドが黙って受け入れる・・・。

決して分かり合えないと思っていた人との間にも、確かに「心が通じた」という”瞬間”ではなかったのではないでしょうか。この”瞬間”が兄弟の7日間の旅への意義というものを凝縮しているのだと思います。

 

(↑実は、このシーンにあるレイモンドの台詞は、演者ダスティン・ホフマンによるアドリブなのだそうです。もしこのアドリブが生まれていなかったら、また別な展開になっていたかもしれず、興味深いところではあります。)

 

あなたのなかにある答えは?・・・。

 

最後のシーン。ユニオン・ステーションでの別れ。

チャーリーは、レイモンドを血の繋がっている兄弟であるということだけでなく、メイン・マン(親友)として、兄を見届ける温かい表情をしていました。

 

レイモンドを見送る。

また現実の世界に戻る。

 

「自分がチャーリーと同じ立場だったら、どうしてたんだろう・・」。これがあなたへの問いかけです。

 

私ながら、リチャードにとって会社の経営に、傍らで身の回りの世話するにしても厳しい。なので、最後のシーンは、現実問題として、決して悲しいものではなく、ハッピーエンドだったのだと解釈しています。

 

まとめにかえて

 

もう一度。「自分がチャーリーと同じ立場だったら、どうしてたんだろう・・」。

 

レイモンドを見送って、2週間、1ヶ月、半年・・・数年後。

チャーリーのその後というものを、考えたことはありましたか。

 

資金繰りで困難している会社が立ち直れば良いのですが危うい。性格というのもなかなか直せるものではないです。障害を持つ兄の存在を受けて、どうなっていったか想像できますか?

メイン・マン(親友)。月1でも2回でも良い、兄のために施設に通ってあげているでしょうか?

(そうで、あって欲しい)

 

私の福祉職の経験も踏まえると、一緒に時間を過ごしたいと願う親・兄弟、親類なら施設に通ってくれていました。互いに生活のことがある、忙しさを理由に、通ってくれることのほうが圧倒的に少ないです。

これもまた現実なのです。

 

映画『レインマン』賞を総舐めした名作だが、その後の映画・TVドラマに影響を与えた

 

『レインマン』は、第61回の第アカデミー賞で、主要4部門(作品賞/監督賞/主演男優賞:ダスティン・ホフマン/オリジナル脚本賞)を受賞しました。

『レインマン』以前にも映画はありました。ですが、1990年代以降、主人公が障害者という設定の映画やTVドラマを作られる契機になったとも言われています。

 

一概に障害といっても、目に見えるもの、目に見えないものがあります。個人によって症状や障害の程度も違いますし、取り巻く環境も違っているでしょう。

 

以下では、自閉症・サヴァン症候群も含め、特に精神面に関する映画、TVドラマについて紹介しておきます。

 

関連作品<邦画>

 

邦画・TVドラマ画像
主人公・(キャスト)
備考
①『裸の大将』(1958年)
②『裸の大将放浪記』(1980~1997年/フジ)
③『裸の大将〜放浪の虫が動き出したので〜』(2007年/フジ)
④『裸の大将〜宮崎の鬼が笑うので〜』(2008年/フジ)

①山下清(小林桂樹)
②山下清(芦屋雁之助)
③④山下清(塚地武雅)
山下清画伯 
代表作:「花火」、「桜島」、「東海道五十三次」。

①1958年(昭和33年)公開の東宝映画。小林は毎日映画コンクール主演男優賞を受賞した。
②TVドラマ版『裸の大将放浪記』では、芦屋雁之助が主演。主題歌ダ・カーポの「野に咲く花のように」も有名。
③2007年にはお笑いコンビ・ドランクドラゴンの塚地武雅を起用して10年ぶりに復活した。
マラソン(2007年/TBS)
彰太郎(嵐・二宮和也)
実在の青年・ヒョンジンくんの姿を日本版としてリメイク。自閉症の青年がフルマラソンに挑戦した実話の特別ドラマ。
ピュア(2010年/フジ) 
折原優香(和久井映見)
軽度知的障害・サヴァン症候群。優香と彼女を取材する記者・徹との心のふれあいを描いたドラマで、傑出した芸術的才能を持つ優香が光る。
ATARU(2012年/TBS) 
チョコザイ(元SMAP・中井正広)
サヴァン症候群。コミュニケーションは苦手だが、特殊な嗅覚、鑑識眼、超人的な記憶力、データーべースで鍵となるキーワードをつぶやき、難事件の解決に導く事件解決ドラマ。

 

関連作品<洋画>

 

洋画・TVドラマ画像
主人公・(キャスト)
備考
『心の旅路』(1942年)

スミス(ロナルド・コールマン)

病兵のスミスは砲撃を受けたショックで完全な記憶喪失になっていた。町に迷い出 て、旅まわりのショーの踊り子ポーラと出会うのだが・・・。ジェームズ・ヒルトンの小説『『心の旅路』原題: Random Harvest)』(1941年)から映画化。
『白い恐怖』(1945年)
コンスタンス・ピーターソン(イングリッド・バーグマン)
記憶喪失を取り扱ったサイコスリラーの映画で、アルフレッド・ヒッチコック監督の作品でもある。精神病院所長に就任したバランタイン。女医のコンスタンスは彼に恋をしてしまう。だが彼には縞模様を見ると発作を起こす奇病があった。
カッコーの巣の上で(1976年)
ランドル・パトリック・マクマーフィー(ジャック・ニコルソン)
ケン・キージーの小説『カッコーの巣の上で』。患者たちが精神病院から自由を勝ち取ろうと試みる物語。アメリカン・ニューシネマの代表作の一つで、第48回アカデミー賞で作品賞など5部門を独占した。主演男優賞にジャック・ニコルソン、
主演女優賞にルイーズ・フレッチャーが受賞した。5部門独占は、第7回アカデミー賞の『或る夜の出来事』以来の快挙であった。
レナードの朝(1990年)レナード(ロバート・デニーロ)医師・オリバー・サックスが著作した『レナードの朝』。1920年代に流行した嗜眠性脳炎でレナードは半昏睡状態にあったのだが・・・。医者セイヤー視点で語られる。
ギルバート・グレイプ(1993年)

アーニー・グレイプ(レオナルド・ディカプリオ)

アーニーは重い知的障害を持っており、自分が聞いて気に入った言葉を何度も繰り返す癖がある。また水が苦手なため川などに入らないといった特性を持つ。ピーター・ヘッジズの小説『ギルバート・グレイプ』から。
フォレスト・ガンプ/一期一会(1994年)

フォレスト・ガンプ(トム・ハンクス)

知能指数は低いが脚力と意志の強さは人一倍強いフォレスト・ガンプ。ウィンストン・グルームの小説『フォレスト・ガンプ(英語版)』(1985年)より映画化。第67回アカデミー賞では、作品賞ほか6部門を独占した。
『恋愛小説家』(1997年)

メルヴィン・ユドール(ジャック・ニコルソン)

人気恋愛小説家メルヴィンは、偏屈で極めつけの毒舌家で、異常なほどの「潔癖症」「神経質」なために嫌われ者だった。1997年(第70回)アカデミー賞では、ジャック・ニコルソンとヘレン・ハントが、共にアカデミー主演男優賞と主演女優賞を受賞した。
17歳のカルテ』(1999年)

スザンナ・ケイセン(ウィノナ・ライダー)

境界性パーソナリティ障害。原作はスザンナ・ケイセンによる自伝(1994年)。日本語訳は『思春期病棟の少女たち』(吉田利子訳/草思社/1994)。
『アナライズ・ミー』(1999年)

ポール(ロバート・デニーロ)

マフィアのボスであるポールが精神分析を受けるという、普通では考えられないストーリー。結果「パニック症候群」と分かったのだ。コメディ作品である。
『ビューティフル・マインド』(2001年)

ジョン・ナッシュ(ラッセル・クロウ)

ジョン・フォーブス・ナッシュは統合失調症であったが、数学者である。「ナッシュ均衡」を導き出しノーベル賞を受賞。2001年アカデミー賞では作品賞、監督賞、助演女優賞、脚色賞を受賞。
『I am Sam : アイ・アム・サム』(2001年)

サム・ドーソン(ショーン・ペン)

 7歳児程度の知能しか持っていない父サムが愛娘を取り戻そうと奮闘する感動ドラマ。多くのビートルズの楽曲が使われている。

 

 

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